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2020.08.12

【アパレルブランド副社長が語るヴィンテージの魅力】メルセデス 280SLに感じる特別なものとは?

ファッション雑誌や広告をフィールドに、フォトグラファーとして長年活躍し続けてきた地主 晋さん。現在は、アパレルブランド「マディソンブルー」の副社長としてもよく知られています。そんな地主さんは、古き良きもの=ヴィンテージに魅せられた一人。愛車にも、そのこだわりがしっかりと詰まっていました。

CREDIT :

写真/鈴木泰之(Studio log)  取材・文/長谷川茂雄

「夏はいつもこれ」といって、ラミーを使った柔らかなシャツを自然体で着こなす地主さん。サーフィンをするために足繁く海に通っていた80年代から、服にせよ、小物にせよ、家具にせよ、ヴィンテージに魅せられてきたといいます。

クルマもまたそのひとつですが、現在の愛車、71年製のメルセデス ベンツ280SLに出会ったのは、約8年ほど前。なんと米・アリゾナの納屋に10年以上放置されていたものだそうですから、まさに運命の出会いです。

背景にあるストーリーを共有するのが好き

知り合いを通じて、アメリカで眠っていた名車に出会った地主さん。ワンオーナーで、ミッション、エンジン、ボンネットフード、ハードトップなどなど、あらゆるパーツのシリアルナンバーが合っていたことを確認して購入を決意したそうです。

地主 晋さん(以下地主) 「まず、アメリカでエンジンとミッションのオーバーホールをしました。外装は比較的綺麗だったのですが、エンジンルームは塗装が剥げていたので、そこを塗り替えてから、日本に持って来て。それからカーペットやシートなどの内装を本格的に整えて、約1年ほどかけて仕上げました」

280SLといえば、1971年当時の世界の最先端。クーラーもしっかり付いていて、オートマチック仕様。それだけに普段乗る上でのストレスはないといいます。

地主 「ものすごい長距離を乗ることはないですが、都内から箱根ぐらいの距離ならちょうどよくて気持ちいいですよ。季節的にはオープンで乗るなら4月、5月が一番。冬は少し寒くなってきた11月頃が最高です。乗り味も約半世紀も前の車とは思えないしなやかさがあって、当時の日本車を考えると、ドイツの凄さを実感します(笑)」
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▲ 1971年製、メルセデス ベンツ280SL。最後期に発売されたモデルだけに、当時の最先端が詰まっています。美しく気品のあるフォルムはファンも多く、「走る貴婦人」と称する人もいるとか。
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▲ 地主さんが愛車を運転していて喜びを感じるのは、ハンドル越しにインテリアを見るとき。「ダッシュボードやメーターのリム一つ一つにエレガンスが宿っていて、それを感じながら運転するのは堪らないですね」
自分好みに仕上がった歴史的名車に乗るのは、さぞ格別なはずですが、地主さんは、それにも増してヴィンテージカーには、前オーナーの歴史やストーリーがあるのが何より面白いといいます。

地主 「例えば、この車は、亡くなった旦那さんが乗っていたという未亡人の方から譲り受けたんです。納車された当時の写真も見せてもらったり。ヴィンテージカーは、その時代ならではのデザインや雰囲気を味わえるのも醍醐味ですが、歴史と一緒にそういうストーリーがある。それを感じながら運転するのがまた感慨深いんです」
▲ ラミーを使ったマディソンブルーのシャツにサングラス姿が夏の地主さんの定番スタイル。全て私物。
地主さんがヴィンテージを探し求める理由、それは市場価値の前に、そういった「ビハインドストーリーを想像したり感じたりする余地」にあるようです。ご自身が手掛ける「マディソンブルー」も、素材感やシルエットなど、どこかに古き良きものを踏襲している印象があります。

地主 「でも、ヴィンテージカーに乗るからといって、身に着けるものも古めかしい質感で統一感を出すとか、そういうことを意識することはないですね(笑)」

といいつつも、この日も気がつけば、身に着けている時計やダッシュボードに置いてある普段使いの眼鏡は、歴史を重ねた名品でした。自然体でありながら、車とマッチするアイテムをそれとなくセレクトしているところが、またこなれて見えるのです。
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▲ ヴィンテージカーにぴったりマッチしている時計は、1950年代のエルメスのもの。6年ほど前にたまたま立ち寄ったNYのワシントンスクエアにある時計店で見つけたそう。「おそらく当時はノベルティのような形で作られていたものだと思います。一目惚れで買いました」 全て私物。
▲ 地主さんがもっとも好きなオプティカルブランドが「タート オプティカル」。こちらはパリで見つけた1952年のヴィンテージ。もちろん「この車に乗る時もよくかけます」 全て私物。
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▲ 愛用のシャツは「マディソンブルー」。「左は台襟の形が、ボタンを外してサマになるラミー仕様。これはいつも着ています。右は創業当時のシャンブレーで、ヴィンテージを自分たちなりにミックスした思い出の詰まった1枚です」 全て私物。
こちらのメルセデス 280SLに乗ってすでに7年になるそうですが、今後も「手放すことはないですよ。余程のことがない限り、一生乗ると思います」とのこと。ただ、ヴィンテージのメルセデスに対しては、まだまだ野望はあるようで……。

地主 「エンジンだけM113シリーズのV8とか、現代の馬力のあるものを乗っけてみたい。見た目はヴィンテージ、でも中身は最新というものの究極を突き詰めていくのも面白そうだな、なんて密かに思っています(笑)」

● 地主 晋

マディソンブルー副社長、フォトグラファー。武蔵野美術大学造形学科卒業後、スタジオマンを経て、1990年独立。ファッション雑誌、ミュージック・ビデオ、広告ほか、幅広いフィールドで活躍。奥様で元スタイリストの中山まりこ氏が2014年にローンチした「マディソンブルー」に参加すると共に、副社長に就任。服作りとフォトグラファー、現在は二足のわらじで多忙な日々を送る。

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