
第6回のゲストとしてご登場いただいたのは高島礼子さんです。アマチュアレーサーからレースクイーンを経て25歳の時に『暴れん坊将軍Ⅲ』で女優デビュー。以降数々の映画やドラマに出演し、1999年からは映画『極道の妻たち』の4代目「極妻」として5作で主役を務めた高島さん。デビュー35年を過ぎた今もドラマや映画、舞台に加え、最近ではバラエティにも出演して飾らない人柄が人気を集めています。昨年還暦を迎えたとは信じられない若々しさが印象的な高島さんの「美」の秘密とは?



【interview 01】
私は褒められて伸びるタイプ。言霊で頑張れるタイプだから(笑)
高島礼子さん(以下、高島) 実はおととい、足を故障しまして……。求められるような動きがちゃんとできるかなと緊張していたんですけど、みなさんが褒めてくださって、私は褒められて伸びるタイプなので、気持ちよく撮影させていただくことができました(笑)。
── 撮影中、現場では「かわいい!」という声も飛び交っていました。
高島 それはもうカメラマンさんのおかげで、私、本当にそういう言霊で頑張れるタイプだから(笑)。前は褒められると、なんだか嘘っぽいと卑屈になっていた自分もいたんですけど、今は褒めていただいたり、いいことを言っていただくと、素直に「ありがとうございます」と思って生きております(笑)。だから、「かわいい」も喜んで!(笑)

高島 番組宣伝の撮影とかで「歯を見せて笑ってください」と言われることが今でもあるんですけど、実はそれが一番苦手で(笑)。キャンギャルをしていたときもうまく笑えなくて、どの写真を見てもブスッとしているんです(笑)。それでもまわりの方たちが「あの子はそういう子だからいいのよ」と優しくしてくださって、どうにかやっていましたけどね。でも、今日は「ちょっと怖い顔をしてください」と言われることもあって、それでいいの? と思いながらも、私には心地よかったです。
── 普段、美容や健康で気をつけていることはありますか?
高島 もともと肌もそんなに弱くなかったし、今まであまり何もしてこなかったんです。年をとっていくと老眼でだんだんシワが見えなくなってくるので、まだいけるかな? と一瞬思うんですけど、メガネをかけると、やばい!と思ったり(笑)。

──キャンペーンガールをされていた20代の頃も美容などは気にしなかったですか?
高島 私、それまでファンデーションすら塗ったことがなかったので、すごく日焼けをして怒られたこともありました。そこで化粧なるものを覚えたんです(笑)。

高島 ダイエットなんかしてないですよ(笑)。当時の写真を見ればわかりますけど、顔もプチプチでぽちゃっとしていたので、キャンギャルも受かると思っていなくて。それに、ダイエットにあまりいいイメージがなかったんです。当時は(クルマの)レースの活動をしていて体力勝負だし、みんなで目指すものがあって頑張っているのに、私だけ「ダイエット中なんで」なんて言えないじゃないですか。だからみんなと一緒にガ~ッとご飯を食べていました。でも、それこそ変な話、タバコをやめた後は13キロぐらい太りましたけど。
──それはいつごろですか?
高島 2017年3月8日です(笑)。急にやめようと思ったんですよね。まぁ、いろいろありましたから(笑)。その中で自分も変わっていかなきゃいけない、今までのやり方で通る時代は終わったなと思うと、リスクを伴う変化みたいなものが必要になってくるのかなと感じて。お酒をやめる時も実はそうでしたね。それは結婚したぐらいの時かな。

高島 今はみんなが飲んでいるなら少し飲もうかなというぐらいで、ちょっといただいて、それ以上飲もうとは思わないです。昔は本当に酒豪みたいな感じでしたけど(笑)。でも、今の方が本当においしくお酒をいただけているのかなとは思います。
高島 変わりたいという意識はめっちゃ強いですね。自分が何か変わらないと、どこか変われないと、先が続かないような気がして。やっぱり年を取っていくと頑固になっていくじゃないですか。若い頃に見ていた頑固ババアや頑固ジジイみたいにはなりたくないと思っていましたし(笑)。かわいいおばあちゃんになりたいと思っていました。

高島 まず年齢をちゃんと受け入れること、そして変化に抗わないことですかね。これは、石井ふく子先生との出会いも大きかったのかな。ちょうど50歳になった時に石井先生にお会いして「もう50になりました」と言ったら、「“もう”じゃないでしょ。“50歳になりました”でいいじゃない。なんで“もう”ってつけるの? あなた、それは私たちに失礼よ」と言われて。無意識でしたけど、本当に失礼なことを言っていたなとハッとしました。そういうことを考えられなかった自分が恥ずかしかったですね。
──そこから年齢に対する意識は変わりましたか?
高島 変わりましたね。石井先生にも「歳は自分の中に取り込むものじゃなくて、自分から取り出していくもの。これからいい味を出していくんだから、諦めてどうするの?」と言われて、ごもっともです! としか言えなかったですね。

高島 やっぱりちゃんと目的をもって楽しみながら幸せに生きている人ですね。ちょうど60歳になって還暦仲間とみんなで話していた時に、成長していかなきゃいけないのは自分だけど、自分のことだけじゃなく、これまで先輩方からしてもらったことを今の若い人たちに返さなきゃずるいよねって。だからこれからは逆に、私がみなさんのために何かできるようになってもいいんじゃないかなって思うんです。
──今後やっていきたいこと、大切にしていきたいことは何ですか?
高島 私はずっと何かをやっていないとダメなタイプなので、とにかくもうやれることはなんでもやっていきたいなと思います。ただ、若い時みたいに仕事がたくさん来るわけではないので、遊びも仕事もちゃんとやって、残りの人生を楽しんでいければと。

高島 今ね、ゴルフですよ。みんなゴルフをやっているからやらなきゃと思って4、5年前から始めたんですけど、練習嫌いだから年に2、3回行くぐらいで、本当に適当で(笑)。でも、なんとなくみんなの冷たい空気も感じるようになってきたので、去年からちょっと燃えてますよ。あと、ニトリレディスゴルフトーナメントのプロアマ大会に出させていただくようになったので、それを目標に頑張ろうと思って。やっぱり目的がないと頑張れないんですよね。
今年は大会直後に舞台(『かたき同士』)を控えているんですけど、プロアマの初日だけでも頑張って伺いたいと思うので、最近はもう必死で練習してます(笑)。昔はなんであれ必死になることが恥ずかしいと思っていた時期もあったんですけど、今はもう関係なく、目的のためにはがむしゃらです(笑)。

● 高島礼子(たかしま・れいこ)
1964年7月25日、神奈川県生まれ。1988年、『暴れん坊将軍Ⅲ』で俳優デビュー。1993年、映画『さまよえる脳髄』でヒロイン役を演じ、体当たりの演技が話題に。『陽炎』、『極道の妻たち』の4代目極妻を務めるなど、数々の人気作に主演。2001年には『長崎ぶらぶら節』で第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。その後もドラマ『御宿かわせみ』、『天地人』、『女系家族』、『精霊の守り人』、映画『犬鳴村』、『祈り-幻に長崎を想う刻-』、舞台『女たちの忠臣蔵』、『春日局』、『メイジ・ザ・キャッツアイ』など多数の作品に出演。8月30日からは新歌舞伎座にて上演される石井ふく子白寿記念公演『かたき同志』に出演予定。
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