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2025.04.30

【ブラザー・コーン】「病気もスキャンダルも早期発見・早期治療が大切」

バブル時代の申し子であるブラザー・コーンさんが初となる自伝を上梓。日本がいちばん元気だった80~90年代のハチャメチャに楽しいエピソードを中心に、突然の不祥事、男性には珍しい乳がんとの闘病……その起伏に富んだ半生を語ってくれました。

BY :

文・編集/秋山 都(編集者・ライター)
CREDIT :

写真/豊田 亮 編集/石井 洋 (Web LEON) プロデュース/Kaori Oguri

ブラザー・コーン自伝「WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~」  LEON
▲ スタイリストもヘアメイクも不要、と素の姿でスタジオにやってきたブラザー・コーンさん。

バブルのど真ん中を駆け抜けた男の半生

「若い頃はなんとも思っていなかったけど、もっと時間を大切に色々やっておけば良かった。若い人は、今を十分楽しんだほうがいい。将来後悔しないためにも」

「最高だね日本が元気あった時代またこんな時代きたらいいのに」

「今年23歳。なんて羨ましい時代だろう。この時代に生きてみたかった」
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これらは、ブラザー・コーンさんがブラザー・トムさんと結成している音楽デュオ「バブルガム・ブラザーズ」の代表的な楽曲「「WON'T BE LONG」のオフィシャルMVを観た視聴者からのコメント。コメントしている視聴者は20代から中高年まで幅広く、視聴回数は1676万回。1990年に発表され、ミリオンセラーとなったこの曲は今なお多くの人を惹きつけています。

振り返れば90年代、世の中はまだバブル景気を引きずり、楽天的なムードに満たされていました。「明日はきっと今日よりいい日がやってくる」と、誰もが理由なく信じていた時代。ブラウン管のなかでファンキーにおどけるブラザー・コーンさんの姿はまさに“元気だった日本”の象徴であったでしょう。
ブラザー・コーン自伝「WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~」  LEON
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そんなイケイケ(死語)だったブラザー・コーンさんも来年には70歳。「人生七十古来稀なり(70年生きる人は昔からそうそういない)」とは中国の詩人、杜甫の言葉ですが、言わば立派なシニア世代と言えるその古希を前に、初の自伝『WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~』 (講談社刊)を上梓することとなりました。

東京・高円寺に生まれ、新宿や六本木のディスコで遊びまくっていた少年時代、縁あって「あのねのね」の弟子となり、芸能界入りした経緯。「WON’T BE LONG」の大ヒットから紅白出場、「行きたい」と言えばすぐに海外ロケが実現できた好景気のなかで、落とし穴のように待ち構えていた不祥事……23年に公表した男性には珍しい乳がんとの闘病に至るまで、赤裸々に語られる起伏に富んだ半生は読者をグッと引き込みます。
ブラザー・コーン自伝「WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~」  LEON
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まさにタイトル通り“バブルと泳いだ”ような半生を送ってきたブラザー・コーンさんがいま伝えたかったこととは? ずっとコーンさんの背中を追い続けてきたLEON読者へのメッセージもいただきたく、お話を聞きました。

「毎日が楽しすぎて怖かった。おれ、どうなっちゃうんだろって」

── 今回、どうして自伝を発表しようと思われたのでしょうか?

ブラザー・コーン(以下コーン) これが最初で最後の自伝ですから。自分の人生を洗いざらい書くのは恥ずかしいんですが、世の中に活気があった時代に芸能界に入って、仕事と言いながら楽しく、自分の好きなことを思うようにやってきたんですよね。でも年をとってからは病気がちで、一時は「余命3カ月」と言われたこともあって、もちろんいいことばかりじゃなかった。読んでくれた方が、この俺の生き方や、バブル時代の熱気から、何かプラスになることを感じとってくれたらいいな、と。

── まず描かれているのは、ひょうきんでクラスの人気者だったこども時代、そして新宿や六本木のディスコに通いまくっていた学生時代……ブラザー・コーンになる前の近藤信秋さん(本名)の姿は、私たちのコーンさん像にピタリとハマりますね。なんというか……遊び人(笑)。
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コーン 東京生まれ、東京育ちだからね。ディスコには中学で初めて行って、新宿の「ジ・アザー」や「GET」、高校生になってからは六本木の「スーパーコップス」や「アフロレイキ」みたいな大人っぽい店にも出入りするようになって……とにかく毎日が楽しくて、怖くなるくらいだった。俺、こんなに楽しくて将来どうなっちゃうんだろって(笑)。時代が良かったと言われてしまえばそれまでなんだけど、そんな遊びのなかから俺が大切にしている人生観がつくられていったような気がしてますよね。「遊びを真面目にやる。仕事は遊び心でやる」っていう。

── 意外だったのは「あのねのね」に弟子入りするなど、コメディアン志望の時代もあったことでした。
コーン 本当は歌を歌いたかったんですよ。でも、デビューのきっかけが『とびだせものまね大作戦』(フジテレビ系)でアントニオ猪木のものまねをしたことだったから。司会だった「あのねのね」の清水国明さんから声をかけてもらって付き人になったんです。本にも書いてるけど、「たけし軍団」から「入らない?」と誘われたこともあったんですから。その時、入っていたら? 「バブルガム・ブラザーズ」は誕生していなかっただろうし、あの有名なフライデー襲撃事件にも参加していただろうね(笑)。
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「どん底の時に助けてくれた憲武には頭が上がらない」

── やはりコメディアンをしていた小柳トムさんと出会って、バブルガム・ブラザーズが結成されたのが1983年。90年に「WON’T BE LONG」が大ヒットしたわけですが、世はまさにバブルまっただなかでした。

コーン みんながギラギラしていたよね。センパイたちが1000万円くらい入ったバッグを銀座のママに持たせて気前よくご馳走してくれたり、番組でもハワイや西海岸なんか気軽にロケに行けたり。二日酔いで収録に臨んだこともあるけど、失敗も許されるおおらかな時代でしたね。ホテルのスイートルームでパーティーしてたことも(自伝には)書いています。今はコンプライアンスが大切なのはわかるけど、(石橋)貴明なんて10年以上前のセクハラ疑惑を取りざたされちゃって。ちょっときゅうくつな世の中になってきたよね。
ブラザー・コーン自伝「WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~」  LEON
▲ 愛用の腕時計は「ベル&ロス」。
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── 本の中には楽しいエピソードばかりではなく、大変な経験をされたことにも触れていますね。元マネージャーとトラブルになった際に、暴力団の名前を出して威圧したと逮捕されてしまった事件について……。

コーン 言い訳したいわけじゃないけど、触れないのも不自然だから。顛末については、まあ(本を)読んでもらえればわかってもらえると思うけど、あの時は友達のやさしさが身にしみました。出所した日、マスコミに追いかけられるだろうからと、(木梨)憲武がクルマを手配してくれて、ホテルのスイートルームを1週間キープしてくれていたんですよ。ヒロミやRICAKOも来てくれて、励ましてくれたし。仕事も全部なくなって、落ち込んでいたけど、持つべきものは友でした。
ブラザー・コーン自伝「WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~」  LEON
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── コーンさんはいつも前向きでポジティブですね。

コーン そう、俺って、いつも楽しいのよ。留置場には3週間入っていたんだけど、毎晩すごく楽しい夢を見ていました。あと周りの人にも良くしてもらって「73番、風呂入れ」って、いつも一番最初にお風呂入れてもらって。あ、73番って俺の番号ね(笑)。
ブラザー・コーン自伝「WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~」  LEON

「人生、何事も早期発見、早期治療が大切だよ(笑)」

── いつも元気なイメージのコーンさんですが、自らを“病気のデパート”と冗談で言うくらい、何度も大病にかかっていますね。最近では23年に乳がんを患っていることを公表されました。

コーン  男が乳がんになるのかと驚いたけど、1000人にひとりくらいなるんだそうです。まだ投薬中だけど、8月には「バブルガム・ブラザーズ」として新しいアルバムも出すし、元気でいないとね。
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── LEON読者にメッセージをいただけますか。

コーン 今の若い人たちには……っていうとジジイみたいでイヤなんだけど、真剣に、手間暇かけて遊んでほしいと思っています。遊びのない人生はさびしいじゃない。真剣に遊んで出会った友達はホンモノですから。あとね、病気も、スキャンダルも、早期発見、早期治療が大切(笑)。何事もコレで行こうよ。

● ブラザー・コーン(Bro.KORN)

1955年、東京都生まれ。大学在学中に出演した「とびだせものまね大作戦」(フジテレビ系)で注目を集め、1983年にBro.TOMと「バブルガム・ブラザーズ」を結成する。1990年にリリースされた「WON’T BE LONG」がミリオンヒットを記録し、1991年には「第42回NHK紅白歌合戦」に出場。2023年、乳がんと診断されたことを公表した。

ブラザー・コーン自伝『WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~』

ブラザー・コーン自伝『WON’T BE LONG~バブルと泳いだ人生~』 

およそ170万枚を売り上げた「WON’T BE LONG」で一世を風靡した「バブルガム・ブラザーズ」のブラザー・コーンによる初の自伝。木梨憲武やヒロミ、RIKACOら大物芸能人たちとバブルのど真ん中を駆け抜けたブラザー・コーンの半生を辿りながら、輝かしく、ハチャメチャで豪快なエピソード満載。同時に、男性にしては極めて珍しい乳がんとの闘病の過程も記されている。

出版社/講談社
発売日/2025年5月21日予定(※一部、発売日が異なる地域あり)
定価/1650円(税込)
プロデュース/Kaori Oguri
全国の書店、ネット書店で予約受付中 。

【イベント&オンライン配信(Zoom)】『WON’T BE LONG ~バブルと泳いだ人生~』(講談社)刊行記念イベント

日時/2025年5月24日(土)11時開始(開場10時45分)
会場/六本木 蔦屋書店 2階SHARELOUNGE内イベントスペース
お申し込みはコチラ

秋山 都(編集者・ライター)
東京生まれ。 富裕層向けライフスタイル誌「セブンシーズ」、「Harper’s BAZAAR日本版」、「東京カレンダー」誌で編集長を歴任。 アマゾン・ジャパンでファッション・エディトリアル・ディレクターを務めたのちに独立。「WebLEON」では食いしん坊担当として、食・酒・旅など人生の快楽的側面を追求しております。好物はハイボールとタルタルステーキ。趣味はハシゴ酒。

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