2019.02.20
【第11回】
竹内結子似の美人秘書「以前付いた社長は下ネタが大好きで、私は火消しが大変で」
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠されたプライベートに迫ってみる連載です。
- CREDIT :
構成/木村千鶴

秘書がいるのって、ちょっと憧れますよね。スケジュール管理やさまざまなサポート、自分が気づけないことまで気配りしてくれて。ましてやそれが美人さんだったら……早く出勤したくなっちゃうかもしれません(笑)。
ボスを陰で支えるのが、私の役目です
「新卒で会社に入って2年目の時に、部長秘書をやらないかとお声掛けいただいたんです。やってみたら縁の下の力持ちのような仕事が私には合っていて、秘書検定の級を取得しました。今は他の会社に転職していますが、仕事は楽しいですね」
──秘書の仕事ってどんなことするんですか。
「主に私がついた方のサポート業務ですね。スケジュール管理、会食やお土産の手配などでしょうか。会食相手の好みを探る、なんてことも大切な業務のひとつです」
──そういうのってセンスが問われる感じがして、結構大変そうですよね。結子さんはどんな環境で育ったんですか? 女子高? 共学?
「小学校から大学に入るまではずっと女子校でした」
──ヒエラルキーはきっと一番上でしょ。女子校ってきれいな子が一番権力のあるグループに集まるって聞くので、そうですよね?
「アハハ。そうなんですかねぇ。でも、友達はきれいな子が多かったです」
──そうです、そうなってます(笑)。合コンとかでもモテたでしょう?
「大学生の頃はよく行ってましたね。一般的に女性って、幹事の子が自分よりもかわいくない子を誘うとか聞きますが、私の友達は全員かわいい子を揃えるってプライドをもった子だったんです。いろんなタイプのかわいい子がいるので、男性の好みで分散されていましたよ」
──行きたかった、その合コン(笑)!
「フフフ。だから誰かだけがモテるというのは、あまりなくて」
──結子さん的にはそれでいいんですか?
「むしろ、そのほうがいいです。1度自分に男性が集中しちゃったことがあったんですが、その合コンにはそれ以来呼ばれなくなりました(笑)」

気が強いほうではないので、自分を前に押し出せない
「う~ん、マズいですね。そういうのは2度としたくないという経験が過去にあって」
──というと?
「高3の頃、私に気があるという男子を紹介されて、その彼とお茶をしたことがあったんです。その時、私には恋愛感情はなく、友達感覚で。それで、私の友達が彼のことをカッコいいと言うので、次の時に彼女も誘ったんです。そしたらその子は彼のことを凄く好きになっちゃって。でも彼は私のことが好きだったわけで」
──あ~それはまずい。
「で、いけないことに、私も彼のことが好きになっちゃって。自分が紹介したにもかかわらず。最低ですね。その状況を彼にそのまま話し、周りに内緒で付き合ってたんです。そしたらバレちゃって、みんなにハブされました。そういう経験があったので、誰かが好きっていった人はもう好きにならない、と」
──じゃあ、その時に取るべき行動の正解は、友達が好きって言ったら……。
「もう会わない、です」
──え~女子高ルール大変ですね~!
「はい、大変ですね、色々と。私も気が強い方ではなかったので、なるべくめんどくさいことは回避したいし、ここで申し上げるのもなんですけど、自分に自信がないんですよね。前に前に自分を押し出せるタイプではなかったので」
──女子って大変! もし僕が友達だったら「結子は美人なんだからしょうがないじゃん」って諦めると思うんですけどね~。女子ってそんなんで諦めてはくれないんですね。
「ないない(笑)。『私が好きって言ってたのに、なんで?』ってことになっちゃって、ああそうだよなって私も思いました」
──だって、美人がいれば男性はそちらに目が行くし、それは仕方ないですよね。だったら自分が綺麗になって来いって思いません?
「そういっていただけるとスカッとしますね。ありがとうございます(笑)」
私、ちょっと古風なところがあるんです
「実は最近別れたばかりで……。だから恋人はいません」
──あら、まぁ。それはちょっとツラいですね。
「そうですね~。素敵な部分もたくさんある人だったので残念なんですが、一度歯車がかみ合わなくなると、自分がツラくなってしまって。これは良くないなって思って区切りをつけました」
──でも結子さんならイイ人がすぐ現れると思いますよ! どんな人が好みなんでしょうか。
「ん~、真面目な人かなあ」
──真面目、ですか(笑)。食事に誘われても、相手が軽い感じだと行かないとか?
「今はフリーですから、食事くらいでしたら行きますよ」
──そのあとはどうですか? その日に手をつなぐのはありですか?
「私、実は古風なところがあって、お付き合いする前にそういうことするのダメなんですよ。むしろ付き合ってもいないのにそういうことをしてきたら、恋愛対象から外れるんです」
──おっと! じゃあ、手をつなぐ前に「僕は結子さんが好きです。真剣に考えているのでお付き合いしてもらえますか」って言わないとダメ?
「はい、そうなんです。順序がちゃんとしていない人は、私はアウトなんです」
──えっとじゃあ、彼氏がいない状態のデート中で、男性がキスしてきたら……。
「何してるの!って言っちゃう」
──え~!こわい~(笑)。
「ですよね(笑)」
──前からずっと古風なんですか? それは誰かに言われてそうなったの?
「昔からです。人に言われたんじゃなくて、自分の中で嫌なんですよね。ちゃんとしてくれないのが。周りを見ても、ちゃんと告白もされないで、先にチュウしたり体の関係をもったりした人は上手くいってないし……」
──男子からすると、なかなか手ごわいですね(笑)。
「最近は自分の気持ちをきちんと言葉にできない人が増えてると思うんですが、そういうことをちゃんとできないとダメだなって。私、ちょっとキツいタイプですよね(笑)」
──んん~っ。手をつないできたらそんな感じで説明するの?
「こんなには言わないですけど、『やめてください』って言います。私、お酒を飲まないので、そういうこともしづらいって言われます。男性からしたら、ちょっとハードルの高い、面倒くさいタイプかもしれません」
──まぁ、でも男性も、最初にバサッと言われることで真面目に考えるかぁ。
「そうですね、大抵はちゃんと対応してくださいますよ」
──すぐ流されちゃう女子もいますからね。これ女性は参考にした方がいいかもしれない。

いまは秘書にセクハラすると大変なことになりますから
「そういうのは一切なかったですね。パワハラ、セクハラには厳しい会社でしたから」
──そうなんですね。なんか会食の席で足を触られたり、とか想像しちゃってたんですけど(笑)。
「それよく言われるんですけど、最初にいたような大企業の場合は、会食の同席もなかったんです。次に勤めた企業の社長秘書の時には同席があって、会食相手のバブリーな企業社長さんが手を握ってきたことはありましたが(笑)」
──じゃあ自分のボスからのセクハラとかはないんだ。
「ないですね。中にはそういう人もいるかもしれないですが。色んな秘書さんと関わることがありますけど、中規模以上の会社の方でそういう話は聞かないですよ。今の時代って本当にすぐに訴えられちゃうんで」
──すぐニュースになりますもんね。
「ただ……」
──何かあるんですか!
「実は以前付いた社長、下ネタが大好きで、社員から訴えられそうになってたんですよ。それの火消しに回ってもう大変! 私は社長に指導してましたね(笑)」
──そっちか~~(笑)! 社長はシュンってするんですか。
「そうですね。私が秘書になったと同時に社長に就任されたので、一緒に学んでいく姿勢でいてくれる方で。『訴えられそうですよ』と言ったら、『俺が言っちゃいけない言葉を全部指摘してくれ』って。なので随時、禁止事項を伝えました(笑)」
──秘書さんの仕事って、本当に大変ですね(笑)。

そんな結子さんをワインに例えると
「モンルイ シュール ロワール」
ルミセックというジャンルです。少し甘くてさっぱりしています。かわいくて上品。それがルミセックの甘くてさっぱりした感じと、ロワール地方特有の上品さが、結子さんを連想させます。

■ Bar bossa
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
TEL/03-5458-4185
営業時間/18:00~24:00
定休日/日、祝
● 林 伸次
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷にbar bossaをオープンする。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSをオープン。選曲CD、CD ライナー執筆多数。「ワイングラスの向こう側」(cakes)で連載中。著書に『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)がある。