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2021.10.23

【第1回】

なぜ私は5億円もかけて自腹で世界中を旅してきたのか?

目の肥えた富裕層を相手に、常に彼らを驚かせる特別な経験を提供してきた、コンシェルジュ会社「アルカディア」のかぐみ社長。彼女の人並外れた経験値と審美眼を深掘りする連載がついにスタート!

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構成/才津香果 文/井上真規子 写真/笠谷 龍 協力/株式会社アルカディア

世界中のセレブを相手に、ゴージャスな旅をアレンジする、コンシェルジュ会社「アルカディア」を経営。自らも今までになんと「5億円」を出費し、世界中のラグジュアリーホテルやリゾートを渡り歩いてきたという才津かぐみさん(通称かぐみ社長)。IT事業や飲食事業を売却し、得た資金のほぼすべてを良質な旅に費やしてきた、類稀なる女性経営者の姿とは?

彼女の人並外れた経験値と審美眼を深掘りする連載がついにスタート! 知られざる秘境への冒険法や、普段は入れないラグジュアリーホテルの特別室まで、ここでしか見られない世界のセレブ達の遊び方をお届けします。

誰かが経験したことは自分も必ず経験してみたい

「アルカディア」という富裕層向けコンシェルジュ会社を経営している、かぐみです。20代に手がけたさまざまな事業を、30歳で売却し、その資産を元手に世界中を旅してきました。コロナ前までは年間150日以上は旅に明け暮れる毎日でした。こうした経験をぜひ世の中に伝えたいと思い、当連載をお引き受けしました。

もともと好奇心が強く、なんでも自分の目で見ないと気が済みません。誰かが経験したことを、自分は経験したことがない……という状態がとっても悔しい。だから旅先でも、食事やアクティビティを調べ尽くして、面白そうなことはすべて体験してきました。
世界中の大都市や高級リゾート、アマゾン川のような秘境、世界一美しいといわれる海、サファリ体験に会員制の豪華客船……。気づけば旅費総額は5億円にも達していました。その中で得たオンリーワンの情報を、「教えて欲しい」と周囲の経営者や先輩方に聞かれるようになり、気づけば、アルカディアという富裕層向けコンシェルジュビジネスが出来上がっていたんです。

この連載では、私がこれまでに体験してきた、贅を尽くした旅先での遊び、私自身が考えるラグジュアリーの定義、行っておくべき場所やホテルなどを、独断と偏見を交えてご紹介していきます。と、その前に、まずは私がどうやってここまで辿り着いたのか、簡単にお話したいと思います。
▲ タイ、ラオス、ミャンマー3カ国に挟まれたアジアの秘境ゴールデントライアングルにある「フォーシーズンズ・テンテッド・キャンプ・ゴールデントライアングル」には象と触れ合う「マイ・エレファント」というユニークなアクティビティがあります。
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新卒で入ったリクルートまで、六本木ヒルズからベンツで通勤

私の実家はとても厳しく、大学生なのに門限が21時であったり、アルバイトが制限されていたり、もっと色んな経験をしたい……と早くから家を出たいと思っていました。そのためにはまとまったお金が必要と考え、早稲田大学に通いながら、独学で学んだ株式投資とインターネットビジネスに熱中しました。

そのまま新卒で、リクルートに入社。当時は時代も良く、株式投資でそれなりの額を稼いでいましたので、大学卒業と同時に六本木ヒルズに家を借り、そこからベンツで通勤していました。今考えると、世間知らずで生意気な若者だったと思います。給与はリクルートの株式でもらえないのかと、空気も読めず上司に聞いてみたり……(笑)。
派手な生活はしていても、もともと泥臭く、ド根性な性格が私の本質です。だから絶対に同期に負けたくないと思い、リクルート名物の「名刺交換コンテスト(※)」では、見事に一位を獲得しました。
※注/新卒社員が、入社後にどれだけ多くの経営者の名刺を取ってこれるか競うコンテスト。
同期には(株)じげん創業者の平尾丈くんや海外で起業したメンバーもいて、すごく刺激的な環境だったのです。学ぶことは多いと思いましたが、でもスキルを高めるには3年はかかるなと。だったら今すぐに独学で起業したいと思い、入社2カ月で退職してしまいました。短い期間でしたが、一生ものの友人や先輩とも出会うことができましたし、こんな短期間にもかかわらず「元リクを名乗っていいぞ」とお墨付きをいただいた上司の方々には、今でも頭が上がりません。
その後は、23歳足らずで200平米・家賃200万円という自宅に住んでいたこともあり、たくさんの経営者の先輩方が面白がって、可愛がってくださいました。そうしてできたネットワークや、そこから聞いたノウハウを活かして、起業。

まずは飲食店を開業しました。その後も不動産やジュエリーブランドなど、さまざまな会社を立ち上げ、20代は複数社の経営に明け暮れる日々でした。当時は事務所の寝袋で寝泊まりしたり、人が足りない時は自分のBARで朝まで働いたりと、すべてを仕事に注いでいました。

でも30代を前にして、何かが違うと感じたのです。私の実力では、これ以上会社は大きくできないし、本当に好きなことはこれじゃないんじゃないか? そのように思い、一度すべてをリセットすることにしたんです。そうして、30歳を機に全事業を売却し、得た資金を使って、自分が本当に好きだった「世界中を旅すること」に、すべてを注ぎ込む生活がスタートしました。
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ドバイでバームクーヘンの輸入ビジネスに挑戦

▲ ドバイの複合施設「グローバルヴィレッジ」内でバームクーヘンショップを開業。
そうして数年間、世界中を巡るうちに、ふとあることに気づいたんです。親日かつ、お金持ち国家のドバイに、日本の商品がほとんど入っていない! もと飲食経営者としての血が騒ぎ、日本からの輸入食品ビジネスをやろうと決めました。

2カ月後には、日本の自宅も解約し、すべてを放り出してドバイに移住。最終的には世界中にフランチャイズ展開をするつもりで、「どこの国でも通じる味で」「日本からのお土産として」「世界中のギフト需要に応える」という構想をもとに、日本発のお洒落バームクーヘン、という商材を開発しました。

ビジネスとして優位性をもたせるため、賞味期限が長い、原価が安い、宗教の制限を受けない、など複数条件から絞り込んでいった結果です。生クリームやチーズを使わない、ポップコーン、ラスク、カヌレ、クッキーなども候補に上がりましたが、特に「勝ち筋」が見えたのがバームクーヘン。
▲ ポップアップショップでは現地スタッフと共に、和服のコスプレをして、深夜まで必死にバームクーヘンを売っていました。
さっそく現地でポップアップショップを立ち上げたら、ここでもド根性体質を発揮。朝から晩まで、店頭でバームクーヘンを売りまくっていました。まずは自分が店先に立ち、お客さんの感触を確かめながら進めないと成功しないというのが私の飲食の哲学なのです。結果として、デザイン性にこだわり、他では見たことのない日本発バームクーヘンというコンセプトが受け、日々行列のできる人気店舗に育てられたと自負しています。

しかし、ここで新興国にてビジネスすることの難しさを知りました。ドバイと日本はあまりに文化が違い、契約を結んだ翌日に「気が変わった!」などと、一方的に約束を反故にされることもしばしば。裁判しても自国民を優先するので、泣き寝入りするしかありません。更には1年を通じ、最高気温が50度にも達する気候と、あまりにも冷えた室内という寒暖差にも悩まされ、店頭で体力勝負をしていた自分はとうとう身体を壊してしまいました。
成功するまで、あと一歩だったな……と悔しい思いで帰国したのが正直なところです。でもここから、アルカディアの第一歩が始まったんです。ちょうどFacebookやInstagramといったSNSが盛り上がってきた時期でもあり、私のそれまでの旅の様子やドバイでの生活を、日々何気なくアップしていました。
これを見た友人や先輩たちが、「かぐみは今こんな生活をしてるのか!?」と興味深々になり、「それってどこで撮った写真なの?」「どこに行けばこんな生活ができるの?」と聞かれるようになりました。そうして、これは仕事になりそうだなと、旅好きの仲間たちと気軽に始めたのがアルカディア。何かあると、事あるごとに事業にしてしまうのが、良くも悪くも私のクセなのかもしれません(笑)。

こんなことから始まった当社のビジネスですが、本来は高額な会費と引き換えに提供している情報の一部を、本連載では惜しげもなく提供していくつもりです。どうかお楽しみに。

●才津香果(さいつ・かぐみ)

1982年生まれ。早稲田大学法学部卒。学生時代から株式投資で財を成し、 卒業後に新卒でリクルートに入社。2カ月で退職し起業。以来、飲食やジュエリー、IT関連企業など複数社を立ち上げ、30歳で事業売却。得た資金を元に、5億円以上をかけて世界中の富裕層向けの旅や食を体験してきた。その知見を活かし、現在は日本の富裕層向けに、ラグジュアリーで粋な遊びを提案するコンシェルジュ事業を展開している。他にも並行して不動産、化粧品、アニメーションなど多角的に5社を経営。

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