写真/James Gray
協力/「こちら秘書室」 powered by ぐるなび

「こちら秘書室」では、そんな秘書さんたちの仕事に役立つよう、接待に使える店を独自に調査、選定してサイト上に多数アップしています。今回は、サイトに掲載中のお店を実際に下見する「接待店レポート」に同行。秘書さんたちが、どんな基準で接待のお店を選んでいるかを取材してきました。
今回の下見店は東銀座にある「銀座うかい亭」。八王子やあざみ野など、東京・神奈川に5店舗を構え、独自の様式美をもった物語のある空間で最高の鉄板料理を提供するレストラン「うかい亭」は、百戦錬磨の秘書さんたちの目にどのように映ったのでしょう?

実際に下見して、試食しなければわからないことがあります
まずは秘書さん同士で名刺交換。簡単に自己紹介し合ってから着席。さっそく「席の距離感が適度なので話しやすいですね」「テーブルの緩やかなカーブもいいですね」などとチェックが始まります。



「お皿が冷たいんですね」と秘書さん。
「器はほとんどが一流のブランド洋食器と特別に注文して作ったものです。そして冷たい料理には冷たい器と冷たいスプーンをご用意しているんですよ」と町田シェフ。
次に、コースで登場する食材が部屋に運び込まれます。活きのいい毛ガニ、あわびや新鮮なまぐろ、すずき、そして色鮮やかな野菜類などが、大きな皿に盛り付けられてプレゼンテーションされます。
「食材はお焼する前に、実際にお客様に見て頂きます」とシェフ。ひと通り食材についての説明が行われると、秘書さんからはさまざまな質問が。

「海外の方への対応はどうされていますか?」
シェフによれば「基本的にはコース料理ですが、もちろん食材の差し替えやアラカルトにもお応えします」とのこと。加えて「夜は次の予定があるお客様も多いので、時と場合に応じて適度なポーションでお出ししているんですよ」と細かな心遣いも。もちろん、ガッツリ召し上がりたい方のためにはステーキのグラム数を多くするなどの調整も可能だそうです。
また、語学力に関する質問については
「3割以上が海外のお客様ですので、スタッフの語学力向上を目指して店全体で語学研修をしています」と石井マネージャー。
ゲストをリラックスさせる一流の気遣いとは
そして「厳選牛とは料理長が全国各地から選び抜いた黒毛和種のことです。肉は毎日、料理長がチェックをして、お客様にお出しするのとまったく同じ状態で鉄板で焼いて味見しているんですよ」(町田シェフ)と徹底したこだわりを披露。
「鉄板は場所によって温度が違います。そこで食材や肉質によって焼き方を調整しています。鉄板料理は実は繊細さや経験が必要とされる調理なんですよ」(町田シェフ)
秘書さんからも「こうして食べながらシェフのこだわりや食材のお話を聞けるのは会話も弾んでいいですね」と感想が。
「ありがとうございます。いつも料理をしながらお客様の様子を伺い、盛り上げる時だなと思ったら会話に参加したり、逆にお話をされているときは料理に徹することも」とシェフは臨機応変な対応を心がけていることを説明します。
その後、デザートをいただいて、最後は店内をひと巡り。他の客室の様子やトイレの位置、そこに至る動線なども確認して、下見会は終了です。


「今日は、実際にお話をしながらコースをいただいたので、普段のボスの会食の様子がよくわかりました」
「高級感ある内装に最高級のお料理が出て、そのなかにも気を張りすぎずリラックスしながら食事を楽しめる雰囲気があってとてもよかったです」
「お客様に合わせて、時間制限のある接待でもお料理提供のスピードやメニュー数を調整していただけると聞いて、とても心強いです」
「お店の方にトイレへ案内していただいた時に、他の客様に対する気遣いも感じられてさすがだなと思いました」
などさまざまな声が。

さらに「うかい亭さんについての感想を話すタイミングで、話しづらいことがないようお店の方々がにすっとお部屋を出て行かれたんです。そういうお店側の配慮はやっぱり一流だなと。実際、会食でも気遣ってくださるだろうと想像ができました」と、お店の配慮ももれなくチェック。秘書の皆さんからも、感心の声があがりました。
「こちら秘書室」の渡邉室長に聞く、接待店選び5つのポイント
まず最初は
1.ゲストについての事前情報を集める
「ゲストがボスと仲のよい方であれば、非公式にですが相手の秘書さんに情報をお伺いすることもあります。また、自社の営業担当を通じて情報を引き出してもらうことも。SNSやwebのインタビュー記事をチェックして、ライフスタイルの好みを探ることもあります」
2.用途に応じた席選びを
逆に親しいゲストと2人でフランクに食事をするなら、カウンターに並んで座るほうがリラックスできるといいます。それはデートも同じですよね。
3.ゲストの情報をお店にも伝えておく
「たとえば、ゲストに年配の方がいらっしゃる場合、お食事の量にも気を遣います。お食事を残してしまうことを心苦しく思われるため、コース料理を多いと感じても残さずお召し上がりになろうとされるので、お店の方にあらかじめ少し足りないぐらいで出していただき、『お腹の具合はいかがですか?』と聞いていただくんです」(渡邉さん)
4.その日の予算をお店に伝えておく
「5000円のコース料理を選んでも、2〜3万のワインを何本も頼まれてしまっては予算内には到底おさまりません」と渡邉さん。「以前、予算をお伝えしたら想定内のワインを勧めてくださり、ぴったり予算内におさめてくださったお店もありました。大変助かりましたね」という秘書さんの体験談も。
5.実際に下見をしておく
「普段はボスの好みと新しい情報を織り交ぜて提案していますが、次の日にイマイチだったと言われてしまうことも。インターネットの口コミではよいことが書かれていても、やっぱり実際に行ってみたいとわからないですね」という秘書さんや、「プライベートでも仕事のリサーチと趣味をかねて、接待店の候補になるようなボス好みのお店にランチやディナーへ行っています」といった秘書の方も。
秘書さんたちのお店選び、いかがでしたでしょうか? こうした日々の積み重ねが、よりよいお店選びにつながっているんですね。接待店選びもデートのお店選びも大切なのは、相手をおもてなしする心。相手がどうすればその時間を楽しんでもらえるかを考えていけば、自ずと気遣うべきポイントは決まってくるものです。ぜひ、参考にしてくださいね。

◆「こちら秘書室」
全国の秘書または秘書業務従事者が無料で登録できる、会員数約3万5000人の秘書コミュニティサイト。会食や接待に最適な飲食店・手土産情報のほか、秘書業務に役立つコンテンツを発信し、セミナーや懇親会も開催。『「こちら秘書室」公認 接待の手土産2017-2018 』(日本経済新聞出版社)も好評。
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