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2020.09.19

【第28回】

女子の本音。「彼女は大事にしすぎちゃダメ」その理由とは?

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林伸次 写真・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「bar bossa」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どき美女たちの“悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第28回のゲストは、アパレル系会社員の優さん(37歳)です。
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恋はいつもなんとなく始まります

── こんにちは、林です。お〜! 凄くカッコよくてセクシーなドレス! オシャレさんですね。

「そんなふうに褒めてくれるんですね。ありがとうございます」

── やっぱりオシャレ関係のお仕事ですか。

「アパレルの会社に勤めています」

── そうかなって思いました(笑)。え〜っと、ここではゲストの方を芸能人の名前で呼ぶことにしていて、今日は僕的には蒼井優さんのイメージなんですが……。

「あ、そうなるんですね(笑)。なんか恥ずかしいけどうれしいです。よろしくお願いします」

── では、さっそく。優さんはとてもチャーミングな感じですが、子供の時からそんな雰囲気ですか? モテたでしょう?

「いえ、むしろ見た目がコンプレックスだったくらいで。初めて彼ができたのも18歳くらいだったし」

── そうなんですか? ちょっと意外です。初彼はどんな人ですか。

「デザインの学校に通ってたんですが、その時の同級生です。彼は他の子と付き合ってたから、異性として気にしてなかったんですけど、向こうから告白してきて」

── あれ? でもそうすると、彼女いるんじゃないの?って聞きますよね。

「言いました。けど、なんかこじれてるって言うから、じゃあ別れたんだなと思って。なにせ初めてなので、そんな毅然とした態度は取れなかったですよ(笑)」

── そっかそっか、初めてだったら「ちょっと、ちゃんとしてよ!」とか言わないですよね。

「あんまりね〜、流される感じになってしまう」

── で、その彼に付き合ってくださいって言われて?

「付き合おうか、はい付き合います、みたいなのあまりしたことないんです」

── え、じゃあなんとなく、誘われて、キスして、みたいな?

「そう、いつもなんとなく始まる」

── え、いいんですかそんな感じで(笑)。

「私、ちょっと流されやすいかも」
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なんでそうやって最初にしたいって思うの? 

── なるほど。じゃあ、もしかして、その後も結構いろんな男性が通り過ぎて行ったとか?(笑)

「あ〜、自分の中にきちんと線引きしてないですけど、寝たければ寝ちゃうと思う」

── え〜、誘われたらついて行っちゃう感じですか。

「好印象だったら。でも1回目の誘いでは行かないですよ」

── 好印象でも、最初は「そんなつもりじゃない」って断わるんだ(笑)。

「今日じゃないよね?って(笑)」

── ワハハ、傑作! それ言うと男性はどんな感じに返すんだろう。

「そうだよね〜、今日ではないよね〜って(笑)。でも普通は口説くなら段階踏むんじゃないかと思うんですけど、なんで1回目から誘ってくるのかな」

── あの〜すみません、失礼な発言になったらごめんなさい。なんか、優さんには、押したらいけるかな〜って男性が思いそうな雰囲気があります(笑)。

「アハハ、全然大丈夫です。それか〜。林さんが初めてちゃんと言ってくれました」

── ごめんなさい〜!

「いや、みんなに毎回聞くんですよ。なんでそうやって最初にしたいって思うの? 軽そうに見えるの? って。そうするとそんなことないよって言うんです」

── うん、そんな軽い感じには見えないです。真面目そうでかわいいからこそ、ちょっと楽しい感じにならないかな〜、この子とデートしたら楽しいだろうな〜って。

「で、すぐやりたいになっちゃうんですか(笑)」

── いや、たぶん、一緒に飲んでいると“やっぱり今日ちょっといけるかな”って思ってしまう(笑)、そんなセクシーな感じがあるんだと思います。

「そうだったのか〜」
── そんな優さんのこれまでの恋愛経験で、これ失敗だったな〜って出来事はありましたか?

「6年付き合った彼がいましたがモラハラをする人だったんですよ。めちゃくちゃ怖かったですね。何が怒りのスイッチなのかわからなかったんで」

── モラハラ男と6年も付き合ったんですか! 最悪じゃないですか。

「長いですよね。でもモラハラだからこそ離れられなくて。変な洗脳されますから。逆に別れるって言えなくなるんです」

── どんなこと言われるんですか。

「なんだろう、彼は四六時中怒ってるんですよね。束縛も激しくて、すぐ浮気を疑うし。元彼と電話してるんじゃないかとか。何もしてなかったんですけど」

── 男性ってどちらかというと女性の浮気には気づかない傾向があるんですけど、モラハラの男って自分の彼女の浮気をすごく疑いますよね。あれってなんですかね。

「ん〜、自信がないからなのかな。怒るのも結局自分に自信がないからですよね」

── あ〜そういうことなんでしょうかね。で、別れる時はどうしたんですか? 大変だったんじゃないですか?

「私、自分が相当辛くなってから初めて家族に相談したんです。そしたら、『そこにいちゃいけない、このまま逃げて』って言われて。それで家族に間に入ってもらい、逃げるように別れました」

── うわっ、本当に大変な状況だったんですね。でも、逃げられてよかった……。
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恋愛の初期段階のチヤホヤはスウィーツと一緒

── ではちょっと気を取り直して、逆に最高だった男性のエピソードってありますか?

「優等生みたいだけど、私にとっては、みんなそれぞれ優しくていい人でした。変な人も間に挟まってますけど(笑)」

── なるほど。えっとそれは、優しい人と付き合った後にちょっと変な人が入る、みたいなパターン?

「そう、たぶん優しい人にちょっと物足りなさを感じるので、そうなるのかな〜」

── 僕、そのへん納得いかないんですよ! 草食系、文化系優しい人界隈代表として(笑)。女の人って優しい男性に物足りなくなるっていうじゃないですか、あれってなんなんですか!?

「安心しすぎちゃうんだと思います」

── え、オラオラがいいとか、時々女の子の気配を感じさせてよとか、そういうことですか?

「私はオラオラはイヤですよ(笑)!   浮気してほしいわけでもないですけど。でも、そういうタイプの男性に対して女の子は依存すると思います。それで、しばらくすると苦しくなって離れて、今度は優しい男性に惹かれて……そしてまた平穏な時間が退屈になる」

── うわ〜、難しい。人間の業といいますか。絶対に浮気しないような優しい男性と付き合いながら、強い男に惹かれるって、なんか歌詞であったな(笑)。

「優しい男子は、“もしかしたらこの人、よそでモテてるかも”って雰囲気を少しは出した方がいいかも。彼女のこと、そんなに大事にしすぎない方がいいと思います(笑)」

── え~っ!? 女の子は大事にした方がいいって一般的には言いますよね? 可愛いって言ってくれたり、大事にしてくれたらうれしいって女性からも聞きますが……。

「かわいい、キレイ、色っぽいって言われるのは女性としてのテンションが上がるじゃないですか。でもそうじゃなく、ただただ大切に扱われるとつまんなくなっちゃうんですね。あとはお母さん扱い。それをされると、もうときめきがなくなっちゃう」

── なるほど〜、女性としてはお母さんみたいになるのってあまり好きじゃないんですか。

「刺激がなくてもずっと一人の人と寄り添える人もいると思うんですけど、私はお母さんじゃイヤ。女を確かめに、外にいく」

── そうか〜、女を確かめに! 名言出ました(笑)。やはり言葉で褒められたり、態度でちゃんと女性扱いされると、たまらないんですか?

「思い出しますよね、恋愛の初期段階を。それはやっぱり美味しいものとして認識されてるから(笑)」

── そうか! 恋愛の初期段階のチヤホヤは、太るとわかっていても食べちゃうスウィーツと一緒なんだ!

「そうです、そうです。やっぱり魅惑的じゃないですか。単純に女性としてテンションが上がりますよね」
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── なるほど〜。じゃあ、ついつい惹かれてしまう男性にタイプってありますか?

「林さんみたいな人。お話をちゃんと聞いてくれて、それに対する返しが心にスッと入ってくるような」

── いやいや〜、お上手な(笑)。それは僕がバーテンダーだからですよ。それに僕より話が上手いバーテンダーはたくさんいます。

「話をたくさんして欲しいんじゃないんです。私が何か言って、返す言葉の相性の良さ、みたいなものが大事で」

── そうか、じゃあ男性を好きになる時には会話の上手さを重視してるんですね。

「上手というか、目線とかのちょうど良さかな。共感があって、さらに新しい何かを与えてくれる感じの。知れること、新しい知識が増えることはうれしいです」

── いろんなことを知ってて、経験値の高い男性が好き?

「はい、知識があって、いろんなことに興味がある人って一緒にいてめちゃくちゃ楽しいんですよ。経験というか、知識が多い人が好きかな。経験だと武勇伝みたいなのも多くて、それはあまり好きじゃない。まあ聞きますけどね(笑)」

── あとは男性のどんなところが気になりますか。

「肌のキレイな人が好きで。それとファッションセンスも気になるので、そういう意味でのルックスかな」

── 上から下までユニクロとかじゃダメですか。

「いや、いいんですよ。でも提案したことを一緒に楽しんでくれるような、オシャレに変わっていくことに拒否感がない人がいいです」

── じゃあガチガチにオシャレな人とかがいるじゃないですか。それは?

「ん〜、ガチガチじゃなく、程よいオシャレ?」

── それは上級ですよ〜! 逆に難しい。 LEONの読者なら大丈夫かもしれないけど(笑)。

「アハハ。でもあれですね、その人が素敵だったら地味なお洋服でも素敵に見えません?」

── あ〜、知人のカッコいいデザイナー男性に「そのポロシャツどこで買ったの?」って聞いたらユニクロって言われました(笑)。

「そう、そういう感じ! ファッションというか、やっぱり人なのかな」

── まあそういうことなんでしょうね。
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ドアが開いてしまったら、そちら用の愛情がポコンって湧いちゃう

── 話は変わりますけど、優さんって自分が好きになる男性と、自分を好きになる男性は一致しますか。

「なんというか、私、自分から好きになることがほぼなくて。アプローチしてくれてる人の中に好きな人ができる感じなのかな」

── じゃあ例えば合コンとかで“あ、この人いいな”って思うことはないんですか。

「フラットですね。好きって言われてからドアが開きます」

── あ〜、そういうことになってるんですね。すると最初はみんな同じに見えるんですか。

「そうですね、でも誰もフィールドに上がってないんじゃなくて、みんながフィールドに上がってる感じです」

── なるほど、全員に可能性があるけど、その中から一人がアクセスしてきてくれたら、そこで初めて“キタキタッ”ってなる?

「そうですね」

── それ、付き合ってる人がいる時にはどうなんですか? アクセスされた後はみんなフィールドから降りるんでしょうか。それとも、いい人が現れれば浮気も辞さない?

「……ふう(上目使いでニヤリと)」

── あ、その感じは、浮気しちゃうんですね(笑)。

「あの、林さんはポリアモリーってわかりますか? 私、その感覚なのかなって思います」

── あ〜、複数の人を同時に愛せるという。みんな好きとか、いっぱいの人が好きとか、そういうことですか。

「私の場合は好きを自分からつくっていくわけじゃないんですよ。付き合ってる人がいるとして、でも声がかかるでしょ。で、その人がイイ感じならば……だって、増えていっちゃうじゃないですか(笑)」

── あ〜、増えて(笑)。

「減ってもいいし。ただ、ドアが開いてしまったら、なかったとこから愛情がポコンって生まれる感じ。べつにひとりの人と付き合っていて、それで大丈夫なんですけど、突然新しい人が出てきてしまったら、そっち用にもポコンって100%の愛情が出てくるんです」

── えっと、分け合うんじゃなく、100%ずつの愛情を複数の人に対して持てるってことですか?

「そう、あっちもこっちもちゃんと好きなんです」

── なるほど〜そういう感じなんですね〜。やっとわかったような気がします。特に肉食系でもないのに、彼氏がいて浮気する人って、たまに聞くんだけど、どういう気持ちなのかな〜って思っていました。

「不思議ですよね。そういう部分、自分でも凄く悩みました。でも、今はしょうがないなって思って」

── そうなんですね。ポリアモリーのことが少しわかった気がします。今日も本当に面白かった! ありがとうございました。

【林さんから〆のひと言】

この連載が始まって、色んな女性の恋愛についてお話を伺ってきましたが、ポリアモリーの方は初めてですね。性はグラデーションと言いますが、ほんと人それぞれの恋愛観がありますね。これからも楽しい恋愛を続けてくださいね!

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。

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