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2022.05.21

TRFダンサー・SAM「60歳のいまが心も体も自分史上最高!」

「40代の頃は、仕事が終わると、仲間と食事をしてそのまま朝まで飲んで、昼頃まで寝るという生活を送っていた」SAMさんも、47歳で体の衰えを感じたそう。そこから「いまが最高」と言える60歳になぜなれたのか、その秘訣に迫ります。

記事提供/東洋経済ONLINE
今年1月に60歳を迎えたTRFのSAMさん。彼は「60歳のいまが一番、心も体も自分史上最高」と語る。そんなSAMさんが60歳を目前に出会った「ジェロントロジー(加齢学)」とは、多面的なアプローチで、人間が年をとることについて追究する学問です。

このジェロントロジーでの学びをもとに、自身の健康の秘訣を披露したのが、新刊『いつまでも動ける。』。著書の上梓を受け、SAMさんがインタビューに答えてくれました。
TRFダンサーのSAM
▲ SAM(ダンサー、ダンスクリエイター、ジェロントロジスト、美齢学指導員)/1993年、TRFのメンバーとしてメジャーデビュー。コンサートのステージ構成・演出をはじめ、多数のアーティストの振付、プロデュースを行い、ダンスクリエイターとして活躍中。(撮影:皆川 聡)
── 今年の1月に60歳を迎えられたとのことですが、心境はいかがでしょうか?

実は、自分が還暦になったということに、まったくピンと来ていなくて。年齢としては、60歳になったのですが、自分が若い頃に想像していた60歳ではないんです。もっと「おじいちゃん」で、体もあまり動かなくなっていると思っていたんですよね。

だから、若い頃はダンス仲間と「俺たちは60歳になっても絶対に踊っていようぜ」とよく話していました。「60歳」というのが、ひとつの目標だったんですよね。

でも、すごく簡単にクリアできました。なので、このまま元気でいられれば、「70歳になっても踊っている」というのもクリアできるんじゃないかなと思っています。そのくらい自分の年齢にピンと来ていないんです。
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47歳で初めて感じた体の衰え

── 書籍に「初めて加齢による変化を感じたのは47歳」とありましたが、そこから60歳までの間、なぜそんなに健康的でいられたのか、秘訣を教えていただけますか。

ダンスをしているので、自分の筋肉や瞬発力に対して、とても敏感です。それで、47歳のとき、今までできていたダンスの動きに、キレがなくなったというのをすごく感じて。40代の頃に、トレーニングを少しなまけていたことも影響していたかもしれません。そこから危機感を覚えて、若い頃のようなトレーニングに戻しました。

生活習慣も改善しました。40代の頃は本当に怠惰な生活をしていたといいますか、仕事が終わると、仲間と食事をしてそのまま朝まで飲んでいて。5時とか6時まで飲んで、昼頃まで寝るという生活を送っていたんです。トレーニングもまったくしていないわけではなかったのですが、集中して取り組めていませんでした。

体の衰えを感じてからは、飲みに出るのも週に2~3回に抑えて、できるだけ自分の体と向き合うようになりました。とくに、食べものには注意しました。

朝食はしっかり摂るようにして、たんぱく質中心の食事に。たんぱく質は豆類を多く摂るように心がけ、肉は週に2~3回というスタイル変えていきました。とはいえ、そこまで神経質に管理しているわけではありません。

基本的には、食べたいときに食べたいものを食べているのですが、不思議なことに年をとるごとに好みは変わってきています。

たとえば、僕は甘いものが大好きで、20代の頃はカバンの中に板チョコとクッキーが必ず入っていたのですが、40代を過ぎると甘いものはあまり食べられなくなって。ショートケーキは1つも食べられないほどです。
TRFダンサーのSAM
▲ 出版記念に登場したSAMさん。(撮影:阿波 岳)
反対に、自然と野菜が好きになってきましたね。なので、結果として食生活を改善できているのですが、無理して改善してきたというよりは、自然と体がそうなってきたんです。それは年をとって良かったことかなと。
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高齢になったらコミュニティーは必要

── 新刊には、健康の本としては珍しく、「コミュニティー」について言及されています。なぜ、コミュニティーに着目されたのでしょうか?

ジェロントロジーというのは、医学のように治療を目的としたものではありません。加齢について考え、「どう向き合っていくか」ということを重視しているんですね。しかも、1つの分野だけでなく、社会学、心理学、生物学など、さまざまな側面から考えていくんです。「コミュニティー」というのは、主に心理学や社会学からの観点からみて重要とされています。

高齢になると、どうしても社会との接点がなくなってくるんですよね。たとえば、会社をリタイアしたりとか、若い人が周りにいなくなったりとか。人との関わりが少なくなるというのは、精神的にも肉体的にも良くないと。

だから、年をとればとるほど、コミュニティーに参加することが大切だといわれています。

会社をリタイアした人でも、地域のボランティア活動に参加するとか、カルチャースクールに入るとか。僕が開催している「ダレデモダンス」という、シニア向けのワークショップは、週1回~月1回の運動の機会にもなるし、コミュニティーに参加する機会にもなる。そういった意図で、ワークショップを続けています。

── 60歳近くになってからの勉強はいかがでしたか?

すごく不思議な感覚です。僕はもともと勉強嫌いで、10代の頃に学校の試験がとにかく嫌だったんですね。中間テスト、期末テスト……と続いていくのが嫌で。

中学3年の頃、「あと何回テストしなきゃいけないか」というのを数えたとき、本当に嫌になって。実家が医者だったので、親にも「将来医者になれ」と言われて育ってきて、自分のなかではお医者さんになるのが当たり前と思って勉強もしていたのですが、「このままでいいのか」ということを感じ始めて。そんなときに、のめり込んだのがダンスでした。逃げではなく、本当に好きだったのですが。

それから勉強はずっと嫌いでしたが、50代過ぎたあたり、ちょうどダレデモダンスのプログラムをつくり始めた頃から、シニアが気をつけなければいけないことを学んだり、さらに調べてメモをとるようにしたり、ということを始めました。

あとは、50代過ぎてから、新しく能を習い始めたりとか。そういうことをしていると、学ぶことがすごく楽しくなってきたんです。だから、めちゃくちゃ遅咲きなんですけど、いまは「勉強が楽しくてしょうがない」という状態です。
TRFダンサーのSAM
▲ 質問に答えるSAMさん。(撮影:阿波 岳)
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老化においては股関節周りが肝と気付いた

── 新刊では「運動」についても触れられていますが、ジェロントロジーを学ぶなかで気づいたことはありますか?

適度な運動が大切、ということです。これは、シニア向けのダンスプログラムをつくっているときに知ったことでもありますが、ジェロントロジーでもやはり考え方のベースになっています。

さらに、プログラムづくりや勉強を進めていくなかで、老化においては股関節まわりが肝だと知りました。

股関節は、身体の動きの中心で、上半身と下半身をつなげるところ。股関節まわりを鍛えることによって、転倒防止や姿勢をよくすることにもつながります。あと、ダンスのトレーニングでも、股関節まわりを鍛えられるものがあります。

── 運動することにハードルを感じる方もいると思いますが、何かアドバイスはありますか?

そうですね。一般の方が日常のなかで運動するというと「何かしなきゃいけない」という感覚になるかもしれません。

ちょっとした合間に体を動かそう

僕が取り入れているのは、ちょっとした合間に体を動かすということ。たとえばエレベーターを待っているときに、ふくらはぎのストレッチをしたり。あとは、電子レンジで温めている間に、「壁プッシュ」という立ったままできる筋トレをおこなったり。ちょっと意識するだけで、運動ってできると思うんです。

── 最後に、ジェロントロジーを学び実践することの大切さについて、もう一度、教えてください。

ジェロントロジーには、いかにポジティブに老化していくか、というヒントがたくさん詰まっています。人は、誰しも老化していくのですが、成長過程が終わった20歳前後から、老化は始まっています。

老化を考えるのに、遅すぎることもないし早すぎることもないといわれているので、気づいたときから実践していただくのがいいと思います。

知っているのと知らないのでは、かなり違うと思います。知っていれば、老化に対して、どう考えていけばいいのか、何をすればいいのかがわかってきます。
『いつまでも動ける。』

『いつまでも動ける。』

「このままじゃまずい」 「いつまでも踊り続けたい」そんなSAMが見つけた答えは、ジェロントロジーにあった。

60歳を迎えてなお、現役ダンサーとして活躍するSAMがジェロントロジー(加齢学)での学びをもとに、自身が実践してきた「いつまでも動ける秘訣」を惜しげもなく解説。

「昔と比べると疲れやすくなった」「昨日の疲れがひと晩寝てもまだ残っている」など、年を重ねて心身の不調を感じるようになったというときにヒントを得られる1冊です。

「ジェロントロジー? まったくピンと来ないな。それにいまさら勉強なんて……」と最初は思いましたが、よくよく調べると、僕がいま関わっているダンスを通した活動と密接な関係があることがわかりました。ジェロントロジーは年をとること、健康であり続けること、自分らしく生き続けることを学問として捉えているのです。(本書「はじめに」より)

SAM・著 クロスメディア・パブリッシング 1628円(税込)
※書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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