2019.09.13

渡辺祐が選ぶ「ほぼ昭和でエロい夜の音楽」

夜のモテに音楽は欠かせない。そう、その選曲次第で、夜はこれから❤︎となるのか、夜はここまで、となるわけであります。というわけでその道(?)のプロフェッショナルに伺いました。J-WAVEの「Radio DONUTS」や、「タモリ倶楽部」などでおなじみ、エロい音楽のことなら、このお方! な、渡辺祐さんによる、夜音楽をお届けします

CREDIT :

選曲・文/渡辺 祐(編集者/ラジオ・パーソナリティー)

夜にモテるための音楽……。そもそも「夜にモテる」ということは、とりあえず昼はすでにモテた結果、というのが順当なところでありましょう。

あるカップルが「夜に絡まった」瞬間に鳴り出すBGMとでも言いましょうか。当然、そこにはお互いに少しばかりの下心が働き出す。女も男も。がしかし、そこをストレートにぐいぐい行きすぎるのは洒落てない、と思うのであります。

下心がうごめくからこそ、ジェントルな振る舞いとか、優しい言葉とかが大事なのではないかしら。その「エロいけどジェントル」な空気感を醸し出してくれそうな、そしてちょっと懐かしい「ほぼ昭和」感のあるチューンを洋邦新旧なんでもありで選んでみました。
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◆ エロい夜の音楽 1

「南国電影(feat. 横山剣)」 VIDEOTAPEMUSIC

「ほぼ昭和」という題目を掲げていながら、なんと令和元年の最新曲。独自手法で音楽を構築するVIDEOTAPEMUSICがクレイジーケンバンドの横山剣をフィーチャー。タイトル通りのエキゾティシズムがラテンのリズムで増幅された「昭和で令和」なナンバー。曲自体が火照って汗ばんでます。

◆ エロい夜の音楽 2

「I Want You」 Marvin Gaye

VIDEOTAPEMUSICの「南国電影」にも「I Want You」のフレーズがあったりして、そこからのインスパイア。マーヴィン・ゲイの呻き声(?)で始まる多重コーラスのイントロダクションが実にセクシー、そしてジェントル。個人的にはマーヴィン・ゲイの中で一番好きかもしれない一曲。

◆ エロい夜の音楽 3

「In The Rain」 The Dramatics

夜とくれば雨です(断言)。ゲリラ豪雨は困るけど、しのつく雨は、女と男の心を濡らす。とまあ、五七調で書いてみましたが、そんな和風な気分にもフィットするR&Bの名曲です。イントロの雨音も「ソウル・ミュージックあるある」として大好物。なにせグループ名からしてザ・ドラマティックスですから。
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◆ エロい夜の音楽 4

「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」 なかの綾

雨つながりで、こちらは昭和の歌謡曲の平成カヴァー。歌うのは、まだ30代なのに、歌謡クイーンとしての貫禄が出て来たシンガー、なかの綾。ジャジーなアレンジと、クールなのに濡れたヴォーカルが気分であります。R&B風味からジャズ風味に流し込むというのが大人の配球でありましょう。

◆ エロい夜の音楽 5

「Body And Soul」 José James

新世代のジャズ/R&Bシンガーとして活躍中のホセ・ジェイムズを一曲いかがでしょうか。ビリー・ホリデイへのオマージュとして歌ったスタンダード「ボディ&ソウル」。静かな表情の、言ってみれば地味な歌いっぷりですが、選曲の緩急、サウンドの抜き差しという意味では、そこも大事。

◆ エロい夜の音楽 6

「色彩のブルース(feat. chihiRo)」 sunaga t experience

EGO-WRAPPIN'の名曲「色彩のブルース」を、JiLL-Decoy associationのchihiRoをフィーチャーしてジャズ・リメイクした一曲。プロデュースは、夜ジャズ・シリーズでも知られる須永辰緒。スローなリズムに変換されて、歌詞の味わいも格別。ジャジー・セクションの肝はこの曲ですかね。
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◆ エロい夜の音楽 7

「The Look Of Love」 Ronald Isley meets Bart Bacharach

以前、LEON.jpで「昭和でエロいブラコン」をセレクトさせていただいたときもアイズレー・ブラザーズが入っておりましたが、こちらは「エロいけどジェントル」なロナルド・アイズレー。バート・バカラック(本人)と共演して名曲「ザ・ルック・オブ・ラヴ」を夜型カヴァー。

◆ エロい夜の音楽 8

「You Don't Have To Cry」 Kenny Lattimore & Chanté Moore

後半はデュエットでいかがでしょう。録音された2003年当時は、カップルだったケニー・ラティモアとシャンテ・ムーアが、リネイ&アンジェラの曲をカヴァーしております。囁き調のセリフから入る、セクシー・ソウルのお手本のような一曲。これまたお手本のようなミュージック・ビデオと合わせてどうぞ。

◆ エロい夜の音楽 9

「The Closer I Get To You」 Roberta Flack feat. Donny Hathaway

愛と知性、と書くとなんだか照れくさいですが、ロバータ・フラックとダニー・ハサウェイには、この言葉が似合います。このオリジナルの他に、セクシーの王様、ルーサー・ヴァンドロスなどなどのカヴァーが無数にあることでもわかる、気持ちの落ち着く大名曲。事前事後に優しい気持ちになれるのは大事ですから。
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◆ エロい夜の音楽 10

「Night Table」 クレイジーケンバンド

冒頭に横山剣参加曲を配球したので、オマケ的にクレイジーケンバンドの最新曲を。題名の由来は、1999年まで営業していた横浜バンドホテルのベッドサイドテーブル。夜のホテルの濡れた情景を、五木ひろし「よこはま・たそがれ」よろしく名詞だけで描写する部分がたまらない、切ない佳曲でございます。

● 渡辺祐

エディター/ライター。自称「街の陽気な編集者」。編集プロダクション「ドゥ・ザ・モンキー」代表。FM局J-WAVEの土曜午前の番組『Radio DONUTS』ではナヴィゲーターも務めている。

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