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2019.07.26

【第3回】

「女性は最中でさえ『いまこの角度の顔がかわいい』っていうのを持っているんです」

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

構成/木村千鶴

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「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

シーズン2のテーマは、ズバリ、今どき美女たちの“悩める”恋愛事情。美人だってときには恋に傷つくこともあるよねという推論のもと、美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第3回のゲストは、美術製作をしている、ヒカルさん(29歳)です。
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留学先のイギリスにはラブホテルもなかったし

── ようこそいらっしゃいました、林です。今日はよろしくお願いします。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

── まず、ここでは本名ではなく、芸能人の名前を借りてニックネームにしてるんですが、誰に似てるって言われますか?

「え~、誰かな。宇多田ヒカルに似てるって言われることはありましたね」

── あ~確かに! ではヒカルさんでいきましょう。ヒカルさん、カッコいい系の美人ですね。私モテるかもって気づいたのはいつ頃ですか?

「そんなにモテるってわけじゃないですけどね(笑)。私、イギリスの美大に通ってたんですが、現地で夜のバイトを始めた時に“意外とイケんな”って思いました」

── 留学してたんですか、やっぱりカッコいい!

「いやいや、私、落ちこぼれですから(笑)」

── というと?

「中学の頃から学校が嫌いでそもそも高校にも進学していなかったので」

── 何か嫌なことがあって学校に行かなかったんですか?

「いじめにあったとかじゃなく、校則とか、制服着たりとかの決まりごとが嫌だったんですね。でも勉強したい分野があったので、20歳で大検(高卒認定試験)取って進学したんです」
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── わぁ~努力家! どんな勉強がしたかったんですか?

「美術とか造形ですね。それで今はテレビの美術製作や舞台造形の仕事をしています」

── 行動力が凄いですね! ちゃんと希望を叶えてる。実は僕もイギリスに2カ月いたことがあるんですけど、向こうの雰囲気に馴染めず、友達もできなくてちょっと上手くいかなかったんですよね。ヒカルさんはイギリス人の友達とかできました?

「大学では学年に日本人が私だけだったんで、結構みんなが気にかけてくれましたね」

── デートには誘われましたか?

「アルバイト先が日本人向けのクラブだったんで、そこでは」

── あ、なるほど。じゃあ、駐在員の人とかには口説かれますよね。

「はい。一応ホステスなんで(笑)。食事までは行きましたね」

── それ以上は行かないんだ。

「だって寝ちゃったらお店に来なくなるかもしれないし(笑)。それにけっこうリスキーなんですよ。外国では日本人の世界は狭いので行くところはだいたい決まってて。『昨日○○で食事してたでしょ』ってすぐバレちゃうんです」

── そういうものなんだ。じゃあ、日本みたいに「この後ホテルへ」なんて話は……。

「そういうラブホテルみたいな場所がないんです。だから家族がいる人は無理ですからね(笑)。しかも駐在員って若い独身の人は少ないし」

── なるほど。
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浮気しないでねなんて言ってメリットありますか?

── じゃあ、本格的な恋愛は帰国してからになるのかな?

「そうですね。イギリス時代のお店でボーイだった男の子に頼まれて東京で合コンしたんですけど、その時にアメリカ育ちの帰国子女の先輩に気に入られて何回かデートしました」

── それはいいですねえ~。それで付きあった感じですか?

「いやそれがまぁ、色々とあって(笑)。すごく口説かれたんですけど、なんか回りくどい感じで(笑)。僕らが同じ方向を見ているのか知りたい、とか」

── え~帰国子女なのに回りくどい(笑)

「でしょ。同じ方向って、それどこ?って感じですよ(笑)。でもその日はグイグイきて、まあそういうことになったわけで。ただ、私も何が起きたのかいまだにわからないんですけど、さぁこれからと思ったら『もうフィニッシュした』って。服も脱がず、触りもせずで」

── あ~やっちゃった……。

「はい(笑)。それでまあ、朝起きてから、またねって別れたんですけど、それきり連絡が取れなくなっちゃった(笑)。後から聞いたら、同時進行でアプローチかけてた女性がいて、その人と付き合ったらしいですけど。なんだそれ(笑)って」

── かなりおかしい(笑)。彼は見た感じは普通の人なんですか?

「はい、ちゃんとしてます。ちょっと天然ぽい感じはありますけど」

── やっぱりセックスのことって本当にわからないものですよね。他にもうまくいかなかった男っていました?

「セックスじゃないんですけど、価値観が合わないというか。私、異性の友人とご飯に行くことは普通なんです。で、当時付き合ってた彼氏に昔からの男友達と映画を観に行くよって話をしたら、何で男と行くんだってケンカになって」
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── うんうん。

「そしたらしまいに『浮気はしないでね』とか言ってきて、マジ鬱陶しかったですね」

── 最近、男性が女性に浮気しないでくれって言うパターン多いんですよね。もちろん逆もありますけど。

「男性から女性に? けっこうあるんですか?」

── ええ、彼女が浮気しないように監視して束縛してる(笑)。

「メリットなくないですか? 現時点でしてないことを予測して言われるのが凄く不愉快。何で言うんだろう。私は言われて全然うれしくないし」

── 確かに。浮気する人はバレないようにするし、言われても嫌な気持ちになるだけですよね。

「でしょう。またこれも他の彼になりますが、私の家にいる時に、元遊び友達の男性から電話が来たんですが、出なかったら繰り返し電話がかかってきて。そしたら彼が元カレでしょって言ってきて」

── そんなの言わない方がいいですよね(笑)。

「しかも、今でもその男とつながってるんでしょって」

── 男の嫉妬って多いんですね。

「嫉妬なんですか? それ」

── ヒカルさんがかわいいから心配なんですよ。彼らは自信がないのかなぁ。

「起こってもないことをするなって言われてもねぇ。私だって彼氏に浮気されたくないですけど、浮気しないでねって言って彼氏が喜ぶとは思わないから言わないですよ」

── 賢明です。
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演出が追い付かないほどにかき乱してほしい

── 男性とお付き合いする時に重視するものとして、性格、お金、ルックス、セックス、会話。順番つけるとするとどうなります?

「会話、性格、その辺が1番かな」

── 女性はその辺重視する人が多いんですよね。やはり会話って大切なんですね。その次に来るのは?

「セックスですね」

── セックスですか。やっぱり下手な人は嫌でしょうけど……ダメな時は原因ってあります?

「相性とかもあります。これまでに2人合わない人がいました。一人は完全に形が違う感じ。フィットしないというか」

── そのフィットしない、形が合わない問題は女性からよく聞く話です。もうひとりは?

「ファンファーレが鳴らない感じの人。持ってるモノはいいんですけど(笑)、技術的に上手じゃないというか、もう少し正確に位置を把握してほしいというか……」

── あ~、なるほど、あ~。

「でもしょうがないかもしれないとは思って……。一人ずつ持ってるモノは違うし、体の構造が違うから。友達に相談したら、それは相手と話し合っていくしかないって言われて」

── それで鍛え上げていったってパターンですか。

「そうですね、お互い意見を言い合ってファンファーレが鳴るようになったこともあります」

── わぁ! それはいい! いいですね。ヒカルさんの考えるセックスが上手い人ってどんな人ですか?

「自分が気持ちよくなることを最優先にしてない人。そして、している時にも攻守交替、役割がありますよね(笑)。今こっちのターン、みたいなのがうまくできる人」
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── あ~、流れがスムーズな感じの!

「あとは、下手にムードなんか作らない方がいい。ふたりきりで部屋にいる時に、さっきまで普通だったのに急に切り替えられても困る(笑)」

── アハハ、いそう。

「豹変されると、脳に急激なエネルギーを割かれるので集中できないんですよ」

── そっか、セックスに集中するには同じテンションでやっていかないと。

「そうそう、突然ムードつくられたらこちらも応じてあげないといけない気になっちゃうから、なんか役割を与えられてる感じ?」

── 自然な流れが大事なんだ。

「そうですね。男性は女性のリアクションが気になるのかもしれないけど、女性もどんなリアクションをするか考えながらやってますよ」

── 考えてやってるんですか(笑)。

「そう、いいリアクションしてやろうってこっちも思ってるわけですよ。女性は最中でさえ『いまこの角度の顔がかわいい』っていうのを持っている。そういうこちらの演出が追い付かないくらい、っていうのがいいんですよね(笑)。やろうと思ってた女優ができてるうちはまだ乗ってない」

── そうか、それが追い付かないくらいにかき乱してほしいと。それってテクニックの問題ですか?

「そうでもないですね。遊んでる男がみんなうまいわけじゃないし」

── やっぱりテクニックより愛情の方が影響ありますか。

「そうじゃないですか? やはり一人の人と長くした経験は大事だと思います。好きな人と愛情たっぷりなセックスをするのと、適当な男とするのとでは気持ち良さの種類が違いますから」

── 思いやりながらすれば、誰でも上手になれそうですね。いいこと聞いちゃった! ありがとうございます。

「どういたしまして(笑)」
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【林さんから〆のひと言】

大検とって、イギリスの美大に留学するようなヒカルさんは、やっぱり自分がブレない恋愛をするんですね。
ヒカルさんのお眼鏡にかなう、良い男と出会えると良いですね!

★この連載では登場していただける女性を募集しています

林さんに自分の恋愛観・恋愛体験をぜひ語ってみたいというアナタ。簡単な自己紹介文と写真、どんなことを話したいかを添えて下記までメールでご応募くださいませ。お願いするかたには担当よりご連絡させていただきます。
メール宛先/s1209@mb.shufu.co.jp
件名は「美人はスーパーカーである募集」でお願いいたします。

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BAR BOSSA(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185

林伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。初の小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)も話題。

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