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2022.04.25

いまどきの「いい女」が求めるものって、意外にも……?【前編】

仕事と家庭を両立する女性が増えている現在、女性たちにとっての「いい女」観はどのように変わってきているのでしょうか。女性誌『ar』の読者モデルをしながら多方面で活躍する3人の女性に、現在の女性のリアルを伺いました。

CREDIT :

写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/浜野雪江

女性の社会進出が進み、仕事と家庭を両立する女性たちも増えている現在。自分らしい生き方を模索する女性たちが、憧れる「いい女」とはどんな女性なのでしょうか。さらに、仕事や子育てをがんばる女性たちにとって、仕事とは? 恋とは? 結婚とは?

女性誌『ar』の読者モデル(通称 ar girl)として活躍する小濱庸子さん(PR&キャリアコンサルタント)、知愛さん(モデル)、酒匂彩名さん(ジュエリーデザイナー)、の3人に聞きました。
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10代の頃と比べて、憧れの女性像は変わっています

── 10代の頃から今までに、お手本にしたいような憧れの女性はいましたか?

小濱庸子さん(以下、小濱) 10代の頃は、単純に一番近くにいた母に対する憧れが強かったです。母は専業主婦で、“ザ・昭和の女性”。大和撫子みたいな感じで、一歩引いて父を立て、父の悪口も一度も言ったことがないです。だから娘たちも全員、父をリスペクトしていて。大人になったら母のように家庭を持ちたいな、という意味でも憧れていました。

知愛さん(以下、知愛) 私は、同居していた祖母です。母はけっこう破天荒で、どちらかというと反面教師タイプ(笑)。私は7人兄弟で大家族でしたが、芯の強い祖母が家族を支え、守ってくれたんです。それと、生活を丁寧に送る姿勢も尊敬していました。私も今、5歳の息子がいるので、なるべく祖母を見習いたいと思っています。

酒匂彩名さん(以下、酒匂) 私は、目標にしていた女性ってあまり思い浮かばなかったんですけど、今、二人の話を聞いていて、やっぱり10代の頃は母だったのかなと思いました。母はフルタイムで働いていて、自分も働きながら子育てをするんだろうなと当たり前に思ってきて。実際、その通りになっています。

── その後、20代、30代になるにつれて、カッコいいと思う女性像は変わってきましたか?
小濱庸子さん(化粧品PR&キャリアコンサルタント)
▲ 小濱庸子さん(化粧品PR&キャリアコンサルタント)
小濱 変わってきていますね。自分中心に考えていた20代とは違って、30歳を過ぎてからは周りの話を聞く余裕が出てきました。今は、同世代から刺激を受けることが多いです。

私の周りは独身の女性も多く、それぞれ生活を楽しんでいたり、起業して活躍している話を聞いたりすると、すごいなぁって思う。でもみんな、プライベートも諦めてないし (笑)。だから最近は、仕事もプライベートもパワフルな同世代女性に魅かれます。

知愛 私は今、自分の置かれた環境の中で、迷惑をかけずにできる範囲の最大化を目指していて。自分のスキルアップのために簿記の勉強もしていますが、最優先は、子どもを立派に育てることです。自分の利益はそのスキマになって、どうしてもスピード感は無くなるので、今は周りの人の生き方をあまり気にしてないです。自分のやりたいことがやれていれば、どの生き方も素敵だと思います。

酒匂 私は、特に目標とする女性について考えてこなかったけど、母がモデルケースだったとしたら、仕事と家庭を両立させるという軸は、小さい頃からあまり変わっていません。
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美しさは「いい女」の条件なの?

酒匂彩名さん(ジュエリーデザイナー)
▲ 酒匂彩名さん(ジュエリーデザイナー)
酒匂 でも今回、この座談会のお話をいただいて、そもそも、いい女の定義ってなんだろう?ってすごく考えさせられたんですよね。

知愛 ホントにそう! たとえば、いい下着をつけたり、外見も手を抜かないとか、そういうことも大事なのかな?とか(笑)。

小濱 私は、何かに打ち込んでいて、それを自分自身で楽しんでいる人は、男女を問わずカッコいいし、いい女・いい男だと思う。だから、知愛ちゃんの子育ての話もすごく素敵。

酒匂 私も、何かに夢中で生き生きしている人が素敵に見えるかな。それは、子育てでも、仕事でも、極端に言えば推し活でもいいと思う(笑)。
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「結婚と子育ては幸せだけど、それが全てではない」

── 結婚や子どもを持つことも、幸せには必要だと感じますか?

酒匂 私は子どもがいて、自分の好きな仕事をしている今が幸せなのでそう思いますけど、結婚して子どもを産むことが、万人にとって幸せかと聞かれたら、そうではないなと思います。考え方は人それぞれですし、子育てはとても大変なので……。

最近は、男性も育児に協力的になりつつありますが、やっぱり日本ではまだまだ育児は女性の仕事という認識が一般的ですよね。専業主婦でも子育てを助けてくれる身内が近くにいない場合、すごく孤独を感じると思うんです。それを背負う過程で、女性がその状況を幸せと思えるかどうかは、本当に人それぞれだと思います。
鳥谷部知愛さん(モデル)
▲ 知愛さん(モデル)
知愛 私は、学ぶことや経験することがすごく好きなので、20代の頃は、結婚も絶対に経験したいし、するのがテンプレートみたいに思っていて。誰とするんだろう!?って探し続けていた気がします。

実際に結婚・出産を経験してみたら、自分の柔軟性が増したかな。仮に、自分だけで生活していれば、出かけるのも何をするのも簡単ですよね。でも、子どもがいると、自分本位では進められない不都合なことが増えて、イライラするのは避けられない。今まではそれに耐えられなかったけど、耐えなきゃいけない状況があるから乗り越えられる。それを経験できたのは良かったなと思います。

それに、子育てはホントに気が狂うんじゃないか!?と思うほど大変ですけど、やっぱり子どもはすごく可愛いです。毎日、毎日、可愛いと思う。

小濱 そうか~。私も10代の頃は、20代で結婚して、30代では子どもも2人ぐらいいるんだろうなと思っていたし、それが当たり前の幸せだと感じていました。今でも結婚したい気持ちは変わらないけど、最近は、そのために相手を選ぶんじゃなく、好きな人ができて添い遂げたいと思えば結婚すればいいかなという考えになってきました。

つまり、結婚が幸せにおけるマストではないし、恋愛にかける費用を趣味や推し活にまわしてもいいかなぁって思うぐらい(笑)。今の生活が充実している分、そんなふうに考え方は変わってきています。

子どもに関しては、できれば35歳ぐらいまでにはほしいです。でもその一方で、今は卵子凍結など、医療で解決できる可能性もあるし、できなかったらできなかったで、それも自分の人生かなと思っていますね。なので、子どももマストではないのかな。
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「私にとって仕事は、自分の在り方を確認するもの」

── 小濱さんは、外資系航空会社でキャビンアテンダントを8年半務めたのち、美容業界やキャリアコンサルタントに転職されていますね。ご自身にとって、仕事とはなんですか? また、仕事の成功をどこまで求めますか?
小濱 私は、自分の人生における仕事の比重は高めです。上に行けるならどこまでも、ポジションをのぼりつめたいですし、新規事業についても貪欲に勉強しています。今は、組織に属さなくても、個人でいくらでも働ける時代なので、より自分の利点を生かした事業展開を模索しています。

知愛 私は簿記を勉強し始めたのは、自分のスキルアップという面ももちろんありますが、将来、もし息子が起業したいなどの夢を持った時に、その応援をしてあげたいって気持ちもあります。私が経理を見られれば、少なからず協力できる部分があるかなって。人件費削減にもなりますしね(笑)。

酒匂 私にとって仕事は、自分を肯定するために必要なものです。仕事をすると、結果がわかりやすい形で出るし、それによって対価や感謝を得られることで、自分の在り方を認識できるので。

それと、働くことによってお金を得て、自分で生活できるベースがあるという安心感もあります。夫も会社をやっていますが、この先、何があるかはわからない。そういう意味でも、自分が働いていることが、今後生きていくうえで家族にとっても安心材料になると思うんです。
── 酒匂さんは、ジュエリーデザイナーとして独立されたばかりだそうですが、それも高みを目指してのステップアップですか?

酒匂 私がいた部署はクリエイティブ部門でしたが、会社には会社の意向があるため、自分が思うようにやれる範囲はそう広くないんですね。なので、高みを目指してというよりは、自分がやりたいことをやるためには独立した方がいいだろうと判断しました。
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「恋愛は人生を楽しむための大切な要素だと思う」

── 仕事や恋愛、自己実現というのは、それぞれ大事なテーマかと思いますが、みなさんは、結婚しても、一生恋愛をしたいと思いますか?

小濱 思います。

知愛 完全に思います。

小濱 恋愛すると単純に楽しいですし、もっと頑張りたいとか、もっと綺麗になりたいと思うので。やっぱり、好きな人に異性として見られ、大切に接してもらえるのは、うれしいだけでなく、良い刺激になるというか。だから、ずっと恋愛していたいですし、恋愛中は基本、ずっとテンション高めです(笑)。

知愛 わかる(笑)。
小濱 恋愛が順調だと、友達や会社の人に「なんか可愛くなった?」って言われて、またうれしい、みたいな(笑)。永遠に、モチベーションが上がるスパイラルに入れるんです。

知愛 私は、どんな人でも、人生において「楽しい」と思えることが一番大事だと思っているので、恋愛はその大きな要素じゃないのかなって。私は、今は息子が主な恋愛相手になってますけど、虫とかから5歳なりに守ってくれて(笑)。男の子って子どもの時から守ろうとしてくれるんだ……とドキッとしたりします。気持ちも温かく和んで、優しい物言いをできるようになったり。

酒匂 私は、同性に対しても、異性に対しても「好き」という感情は必要かなと思います。男女を問わず、人に対して好意は持ちたいし、持ってもらいたいなと思うので。でもそれが恋愛まで発展する必要は、今の私の中ではあまりないですね。

私は結婚してから恋愛市場から遠ざかっているので、恋愛の記憶も20代の頃になっちゃうんですけど、仮に今、20代の頃みたいに男性から熱心に口説かれても、それが「うれしい」とか、明日の活力になるか?と聞かれると、若干めんどくさいなって思っちゃいます(笑)。それよりも、人として好きとか、尊敬してるという感情を向けてもらえた方がありがたいかな。

知愛 それもわかる。そうだよね。その熱量がありすぎると、圧力に感じちゃう。
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「結婚してもきちんと女性として扱ってほしい」

── では、夫との恋愛は、結婚後も続くのでしょうか。

酒匂 夫には、もちろん女性扱いしてほしいです (笑)。例えば、誕生日に花を買ってくれるとか、結婚記念日にお祝いするとか、要所要所で何かしてほしい!! 絶対!!

知愛 女性扱いって、具体的にはどういうこと? 重い荷物を持ってくれるとか、高い場所の電球を替えるとか?

酒匂 そうそう。ドアを開けて、私が入るのを待っていてくれるとか。

知愛 本当に(笑)!?

酒匂 もちろん、プレゼントやお花は特別な時だけで、普段はごく普通の生活ですけどね。あ、でも家の掃除はしてくれてるかな。

知愛 私の夫は逆で、どちらかというと昔の男性っぽいので、恋愛関係において女性扱いはあまりされないですね。でも、それでいいかなと思うようになりました。人生は⻑いし、夫の人生でもあるので。私の価値観を伝えて矯正してもらっても、それは夫の幸せに繋がらないかもしれないなって。

小濱&酒匂 へぇ~!

── でも、知愛さんも恋愛は「絶対必要」ということは、ご自身がほかの男性にときめく可能性もあるということでしょうか。

知愛 そんなそんな、大それたことではないです(笑)。どこかしらで接する人の行動や仕草、言葉にステキな考えだなと感じたり、救われることってありませんか? そういう意味のときめきですね。

私は、何ごとも“今”が完結ではないと思っていて。夫婦間で2022年の愛の決算をして、その年度に負債があったとしても、来年はプラスに転じるかもしれない。そうやって長期的に良い関係を築いていけたら良いと思っています。

小濱 持ち続けがいのある株みたいだね(笑)。

── 後編では、3人が考える「いい男」について伺います。

● 小濱庸子(こはま・ようこ)
PR&キャリアコンサルタント。新卒よりCAとして大手日系・外資系のエアラインを経験後、化粧品業界のPRを経て、WEB業界へ転職。モデル・キャリアコンサルタントなどマルチに活躍し、美のプロとしても同世代の女性を中心に支持を集める。

● 酒匂彩名(さこう・あやな)
ジュエリーデザイナー。東京藝術大学工芸科在学中よりモデル活動を開始。卒業後は企業でジュエリーデザイナーとして勤務。現在は、デザイナーとして独立。一児の母として、子育てをしながらモデルとしても活躍中。

● 知愛(ともみ)
サロンモデルや読者モデルで経験を積み、現在、mina、ar、ViVi、美的などの雑誌をはじめ、広告やカタログなど幅広いメディアで、ジャンル問わず活躍中。

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