2019.07.12

【第1回】

コリドー街でナンパされる側の論理

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

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構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

シーズン2のテーマは、ズバリ、今どき美女たちの“悩める”恋愛事情。美人だってときには恋に傷つくこともあるよねという推論のもと、美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第1回目のゲストは、不動産関係の会社で働いている29歳のありささんです。

私、10股かけられてたことあります

── こんにちは、林です。今日は僕の店まで来ていただいてありがとうございます。よろしくお願いします。

「よろしくお願いします。緊張しますね」

── そうですよね~。僕もです(笑)。このインタビューでは僕が独断で似ていると思った芸能人の名前をニックネームにさせてもらっているんですが、目がぱっちりして若いころの観月ありささんに似ているので、ここでは、ありささんと呼ばせて頂きますね」

「ありがとうございます」

── 今回は主にありささんの恋愛体験や恋愛観をお聞きしたいんですが、スタイルもいいし、笑顔がチャーミングだし、正直、モテますよね?

「というか、男女問わずいろんな人と仲良くなれる方だとは思います」

── じゃあ、恋愛経験も豊富?

「どうなんですかね (笑)。でも、あんまり男を見る目がないとは友人に言われます」

── え、どういうことですか? そういう話が聞きたいんですけど(笑)。最低の男とかいましたか?

「ハハハ。私、10股かけられてたことあります」
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── 10股はすごいですね(笑)!

「周りの友達はみんなわかってて、『アレは他にもいると思うよ』って言われてました」

── なのに本人はわからない?

「私はそんなことないって思ってたんですけど、結果10人くらいと同時進行で。たぶん浮気された云々というより、みんな同じ土俵だったんだなって思いますけど」

── それはどうやって発覚したんですか。

「彼の部屋でバスタオルを使ったらめっちゃ長い髪がついてたとか、彼の部屋の掃除をしている時、他の女性の誕生祝いをしたらしきレシートや形跡を発見したとか」

── それはベタな展開(笑)。

「はい。今思えば、デートの途中に『約束ブッキングしたから、ちょっと行ってくるんで家で待ってて』って4時間待たされたのも、他の女性のところに行ってたんだと思います」

── 4時間!ひどいなあ。でも待つんだ。そういうのって怒ったり責めたりしないんですか?

「私ケンカとか苦手なんです。その頃は嫌われたくなくて向こうに合わせて折り合いをつけてしまって。結局、ちゃんと話し合わずにそのまま別れちゃいました」

── そりゃそうですよね。

「でも、実はその後もSNSでつながってて、彼の様子がわかるし、連絡がくると会っちゃう(笑)。その人の顔が本当に好きだから」

── あらまぁ。そういうのってあるんですかね?

「自分でもよくわからないんですけど。一般的なイケメンというわけではないんですが、でもすごく好きなんです……」
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── その人がいいのは顔だけ?

「いえ。私、その時、千葉の田舎に住んでたんですけど、東京に住んでる男性への憧れがすごくあって。彼は都心に住んでいて、いい会社に勤めてて、デートも美術館だとか、お洒落なところばかりで。私、舞い上がってましたね(笑)」

── でも、10人くらい相手がいたと(笑)。

「多分、ルーティンで回してたんでしょう」

── あ~、女子がどんなデートをしたら喜ぶとか熟知してる系だ(笑)。

「そうですね。エスカレータに乗る時は後ろに付いてくれたりとか。そういうエスコートをされたことがなかったから」

── そうか。まんまと手玉に取られてますね。

「それで彼と終わっちゃってからは、反動で遊びまくってしまいました。チクショウ~って(笑)」

── ヤケクソ状態ですね。

「その人が何人も同時進行したんだから、それなら私もしてやる!って思って」

── あ、浮気返しみたいな。

「そうですね」
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ふられた腹いせに浮気返しでコリドー街へ

── それは、具体的には、どんな風に遊んでたんですか?

「ナンパされに行くとか」

── ひとりで?

「いえ。友達とふたりで。人数はふたりがいいんです。男性もほとんどふたりで来ているし。私も、お互いわかりあってる友達がいて(笑)」

── 主戦場はどのあたりで?

「恵比寿、上野、コリドー街……。色々と立ち飲みのナンパスポットみたいなところがあるんですよ」

── そこにいると、男性が声をかけてくるんですか?

「何、飲んでるんですか?とか。お酒が入っていい感じになってくると、一緒に飲もうよって言ってくる」

── そういう輩に冷たくすることはないんですか?

「ありますよ。私たちふたりで話してますんでって」

── でも、好みの男性だったらついて行く、と。

「そうですね。最初からみんなそういう目的で相手を観察してますから」

── そっか~。みんな獲物を探すように見てるんですね~。飲み屋やってるのに、そんなこと気付かなかった(笑)。

「で、トイレに行く時はひとりだから、声を掛けられやすいんです。『あそこに座ってた子だよね。かわいいね。俺ら次に行こうと思ってるんだけど一緒に行かない?』みたいな感じで』

── で、相手がカッコ良かったら……。

「友達に相談します、とか言って(笑)」

── なるほどね~。でも、それで好きでもないのに寝ちゃうって抵抗はないのかしら?

「そうですね。その時はちやほやされることがすごく快感で。男性が頑張って私のことを口説いて、好きだって言ってくれると、それがすごくうれしかったんですよね」

── 失恋した後だし。

「はい。それに、私はセックスをイヤだとは思わないし、その時間って相手は私のことだけを見てくれて、その人の中では私が一番なんだなと思えるので。一時期はそれをつないで生きていたみたいなところがあって……」
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── そっか~。なるほど。きれいだよとか言われるより、セックスの最中は紛れもなく彼の一番の存在なんだと。お姫様だもんね。

「はい。そう思ってた時期があったんです」

── セックスって、ありささんにとっては何なのかな?

「私にとっては愛。セックスは愛情表現そのものですね。性格やお金と同じように大切なものだと思ってます」

── でも、そういう男性が彼氏になるわけじゃないですよね?

「そうですね。私自身は正直、そういう関係をもつと相手に情がわいちゃうんですよ。私に好意を向けてくれる人を好きになっちゃう。世話したくなっちゃう。でも、そうすると相手は引いていく」

── ま、しょせんナンパですからね。

「今度どこか行こうねって話をしていて、後から連絡すると『ゴメン忙しい』とか」

── 1回やれたらいいと思ってる男性って結構多いんですよね。

「それに私が一喜一憂して疲れてたという」
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あまり簡単にできる子は、最初から彼女枠じゃない

── こっちは好きになってるのに、相手は1回でいいんですね。2回、3回したいと思い
そうですけど(笑)。

「たぶん私のことを重い女だと思われたんでしょうね」

── LINEたくさん送っちゃうような?

「それはないんですけど(笑)。多分、あの人たちは本当にワンナイトしたいだけなんでしょうね。きっと本気で付き合う彼女は他で探してるんですよ」

── ありささんはそのステージには行けなかったってことかな。

「そうですね。そもそも、いきなりやっちゃうってことは、彼らにとってはナシってことなんですよ。だって本当に彼女になってもらいたかったら、すぐにセックスなんてしないじゃないですか」

── そこ、今はわかってるんだ。

「はい」

── 男はチャンスがあればやっちゃうけど、やっぱり、あまり簡単にできちゃったら彼女にしたくないのかも。

「私は最初に飲み屋で会って、次に会うとなった時は、そういう(ヤリ)枠なんだなと思うようにしていたかも」

── ん~。男って、いつまでも追いかけたいところがあるから、手に入ったと思ったらもう飽きちゃうのは知ってますよね?

「はい。でも、私は普通に恋愛してても、尽くし過ぎちゃうんです。自分の愛情表現が尽くすことだって思ってるところがあるかもしれない」

── あ~、そういうのは重いとか面倒くさいっていう男性は多いかもしれない。

「うまくいかないもんですね。逆に私も付き合うとなると、自分が相手を好きじゃなきゃ、相手が私のことを好きでも、何かしてあげたい感情は生まれないし、私が飽きちゃうし」

── 自分が好きになる男と、自分を好きになる男が一致しないんですね。

「はい。一致しない」

── どうしたら、一致すると思いますか?

「う~ん。自分が変わるしかないのかなとは思います」
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── いままでいろんな美人さんをインタビューしてきて、腕があるなと思う人は、好きになっても相手にそのそぶりを見せず、ずっと追いかけさせるって言ってましたが、それはできますか?

「難しい(笑)。心の余裕をもてれば違うんでしょうけど。例えば趣味をもって、その人だけに神経を集中させないようにするとか。気を紛らわせる何かをもって、夢中にならないようにしないと。そうすればうまくいきますかね」

── 結婚はしたいと思ってますか?

「いつかは。子供が欲しいし。子供を育てられる環境をちゃんと整えられる人を探したいとは思いますね。」

── だとすると、男選びも変えていかないとね……。

「そうですね。真剣にお付き合いできる人をみつけたかったら、自分をシフトチェンジしていかないといけないですよね」

── 男性って時計でもクルマでも、コストをかければかけるほど、大切にするもんなんです。それは女性に対しても同じで。お金がかかる女性ほど大切にしようとするんです。だから、好きになった男性にはコストをかけさせたほうがいいですよ。

「勉強になります」

【林さんから〆のひと言】

女性は男性と寝てしまうと、その男性のことを「好きになってしまう」という習性があるというのは、科学的にも証明されているようですよね。ありささんの場合はそんな典型的なパターンで、ついつい尽くしてしまうそうです。でも多くの場合、男性が女性を追いかけて、女性はギリギリ手が届きそうで届かないところで逃げ続けるというのが、恋愛って上手くいくようなんです。ありささん、そんな恋愛をいつかしてみてください。

BAR BOSSA(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185

林伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。初の小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)も話題。

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