• TOP
  • LIFESTYLE
  • 香りでモテるって本当? 意外に知らない香りのチカラ

2022.03.14

香りでモテるって本当? 意外に知らない香りのチカラ

香りは目に見えないものですが、実は身に付ける人の印象を大きく左右するって知っていました? 「ちょっと恥ずかしい?」と気後れしていたらもったいない! 香りの専門家に、香水をつけるメリットやつけ方のコツを教えてもらいました。

CREDIT :

文/木村千鶴

香りの専門家に、香水をつけるメリットを聞きました

「クサいよりイイ香りの方がモテるに決まっているよね……」とは思いつつも、これまで香水に消極的だった皆様、この春からは“攻め”に転じてみませんか。

今回、香水をつけるメリットや選び方を伺ったのは、『一流ビジネスマンはなぜ、くさくないのか?』(実業之日本社)の著者である調香師村井千尋さん。ビジネスシーンから恋愛まで、香水はやはり、とても重要なアイテムなのだそう。

さぁアナタも、「あの人、いい香り♡」と言われるオトコになりませんか。
PAGE 2

香水で印象を変えられるってホント?

── ズバリ伺いますが、香りを気にすることにメリットはありますか?

村井 はい。ビジネスにもプライベートにも、メリットはあります。第一に、香りで心が満たされ、気分が上がります。そして、第二に印象管理のツールとしても使えます。

印象を左右する要素には、服装や姿勢、コミュニケーションの取り方などが含まれますが、成果にコミットしているビジネスマンは例外なく、香りも含めて常に心がけているように感じますね。

ただ基本的には、好きな香りを纏って楽しんでいただければ良いです。やっぱり、本人が好きな香りでなければ、使い続けるのが凄く難しいですよね。その上で、香りにはそれぞれ印象があるので、その人の個性や長所を活かす香り選びを私はカウンセリングしています。
── 村井さんの香りのカウンセリングのお客様は、女性が多いですか? それとも男性?

村井 9割が男性です。私のカウンセリングや本が男性に響くのは、“なぜ香りが生活の中に必要なのか”を出発点として、理論的に話しているからかもしれません。

── なるほど、理論的に香りを取り入れることのメリットがわかったら、香水へのハードルが下がりそうです。

村井 香りを選ぼうとするから難しく感じるのかも。そうではなく、ご自身の強みや個性は何か、今後の課題は何かなど、ビジネスのことを切り口にするとイメージしやすいかもしれません。例えば、ネクタイやスーツを買う時には、自分の顔写りのいい色を選びますよね。香りもそれと同じことです。
PAGE 3

スーツやネクタイを選ぶように、香水も選んでほしい

── 香りのカウンセリングでは、どういうことを聞くのでしょうか。

村井 初めてお会いする方が多いので、見た目の印象に合わせて、その方の見えていない部分を聞いていきます。例えば、仕事用の香りを探している場合は、性格や仕事の信条、そして、ご自身の課題などです。

それを踏まえて、課題をカバーするような香りを提案したり、逆に、今ある長所を伸ばすものを選んだりします。

── これまでカウンセリングされた中で記憶に残っているケースはありますか。

村井 成績を上げたいという営業の方がいました。とても気遣いのできる優しい方だったのですが、その分押しが足りず、成績につながっていなかったようです。

そこで私は、温かく優しげなバニラをベースにしながら、力強さのあるレザーの香りが組み合わさった香水をオススメしました。ご自身とかけ離れすぎず、かつ、強さをプラスする香りです。
村井 香りを選ぶ時には、ご自身のことをよく見直してみてください。自分のことが分かって初めて、ご自身の良さや個性を活かす香りを選ぶことができますから。香水を購入する時には、店員さんになりたい印象や使うシーンを伝えると見つけやすいと思います。
PAGE 4

嗅覚は本能に直接働きかける

── 香りによる印象管理の意味が、なんだかわかってきました。

村井 嗅覚は五感の中で唯一、本能や情動を司る大脳辺縁系に直接働きかけると言われています。同時に、大脳辺縁系は記憶も司っていて、同じ香りを嗅ぐと、無意識にその頃の記憶が呼び起こされたりするんですね。

── 街中で、昔の恋人がつけていた香水を嗅いだ時に、その頃の記憶を思い出したことがあります。

村井 香りで記憶を呼び起こすとは、そういうことです。先述した、香りで気分が上がるというメリットも、良い体験をした時の香りを脳が覚えていて、意識下でその体験を呼び起こしている場合がある、と説明できます。

── 香りってとても奥深いんですね。
PAGE 5

意中の女性の好みに響く香りを探るなら

── では、ちょっと質問をガラッと変えて、意中の女性に振り向いてもらいたい場合は、どんな香りにしたらいいでしょうか(笑)?

村井 まずは相手の女性のことをよく観察してほしいです。服装、髪型、アクセサリーの色や形など、見るところはたくさんあります。人は、自分が選んだもので出来ているんですよ。

── 確かに、髪型がショートかロングの巻髪か、いつもパンツかスカートか、それだけでも大体の好みはわかってきそうです。

村井 そういうことです(笑)。相手の好みに響く香りに、ご自身のイメージや好みを合致させた香りを揃えていく。万人ウケの香りというのはありませんから、よく相手のことを見て、アプローチの仕方を考えたらいいのではないでしょうか。

── そうか、万人ウケする香りはないんですね。すると、とにかくモテたい時にはどうしたら?

村井 不特定多数にモテたい.……となると、自分の魅力を最大限にするしかないかな(笑)。本人の良さを助長しつつも、あまり個性的すぎない香りの方がいいとは思います。
PAGE 6

香水を買う時に注意すべきことって?

── では、実際に購入する時に、気をつけることはありますか。

村井 香水売り場でいきなり購入することは、オススメできません。試用品を肌につけさせてもらったら一旦その場を離れ、香りの変化を見る時間をとってほしいです。自分の好みではない、肌に合わない変化をする場合があるので。
ほとんどの香水は、つけてから時間の経過とともに香りがうつり変わります。香水は何十・何百という香料を混ぜ合わせて作られていて、それぞれ香りが立ち始める時間が違うため、このようなことが起こるのです。

香水をつけてから15分ぐらいまでの香りをトップノート、15分以降~2・3時間くらいまでをミドルノート、2・3時間以降~香りが消えるまでをベースノート(ラストノート)と呼んでいます。

また、香りが飛びやすい柑橘類の香りはトップノート、花の香りはミドルノート、ウッディやムスク、バニラなどの比較的持続性の高い香りはベースノート、のように分類されます。ご自身で判断する時は、ミドルノートまで確かめれば、好みを大きく外すことはないと思います

── 突発的に買ってしまい、使ってみたら合わなかったことはあります。

村井 香水はある程度の価格もするので、せっかく香水に興味を持ってくださった方に、失敗してほしくないです。時間に余裕があればその日に買うのではなく、天気や季節の違う日に何度も自分の肌で試してみて、納得してから買うことをオススメします。
PAGE 7

体臭は肌そのものの匂いのこと。不潔にしていて香るものとは違います

── 香水のオススメのつけ方ってありますか?

村井 腕なら、手首の内側ではなく、肘の少し手前(手首に近い方)に10〜15cm離してワンプッシュしてください。肘の曲がる部分は汗をかきやすく香りに影響するので、避けた方がいいです。

香水をつけてから擦り合わせる方がいますが、香りが変化してしまうのでそのまま乾燥させてくださいね。それと、上から洋服を重ねるのも大事です。

── それはなぜですか。

村井 人と話す時に手振りをすると必要以上に香ってしまうことがあるからです。手首を避けた方がいいのも同様の理由です。手首は長袖を着ていても出る場合が多いので。

香水の中には強い香りのものもありますが、つける場所で香り立ちのコントロールもできます。香りが強いと感じたら、ウエストの両サイド、太ももの内側、両くるぶし、と、つける場所を鼻から遠ざけるといいです。

NGな場所は、鼻からバストトップを結んだ三角形の場所。ここは香りをダイレクトに感じてしまい、嗅覚疲労を起こすことがあります。
PAGE 8
── 香りを纏う前に必要なケアってありますか?

村井 体臭のケアですね。“香水は体臭と混ざって自分だけの香りになる”といった表現がありますが、この場合の体臭は、肌そのものの香りであって、不潔な臭いではないんです。

── 体臭のケアというと、汗を拭くとか?

村井 はい、汗を拭く、毎日入浴するといった外側のケアに加え、内側のケアも大切です。主には嗜好品(お酒やタバコ)と食べるものが体臭に影響するということを、理解しておくことです。特にタバコを吸われる方は、香水の香り立ちが変わる場合があります。禁煙する必要はないですが、試す際にはそのことを踏まえて、香りの変化を確かめる必要があります。食べ物の中では、お肉とスパイスが体臭に影響を与えやすいです。

── 生活習慣や食事が体臭をつくっているんですね。それを踏まえて、合う香水を選ぶ、と。

村井 はい。食生活自体も個性ですから劇的に変える必要はありませんが、理解しておくことは大切だと思います。

私が伝えたいことは、香りは自分を伝えるものであるということ。そして、心を満たし、自分自身にも働きかけるもの。香りは正しく学ぶと強〜い味方になってくれるので、ぜひ香りへの一歩を踏み出していただければいいなと思っています。

● 村井千尋(むらい・ちひろ)

調香師。香りの原料と調香技術の専門教育を受けた後、企業で調香師として勤務。その後、更なる香りの知識と文化の普及に貢献すべく独立。大手企業や経営者・ビジネスパーソンにブランディング戦略としての香りを提供してきた経歴を持つ。著書『一流ビジネスマンはなぜ、くさくないのか?』(実業之日本社)

登録無料! 最新情報や人気記事がいち早く届く! 公式ニュースレター

人気記事のランキングや、Club LEONの最新情報などお得な情報を毎週お届けします!

登録無料! 最新情報や人気記事がいち早く届く! 公式ニュースレター

人気記事のランキングや、Club LEONの最新情報などお得な情報を毎週お届けします!

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        香りでモテるって本当? 意外に知らない香りのチカラ | ライフスタイル | LEON レオン オフィシャルWebサイト