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2019.03.29

「パパ活」を考える。あなたは恋愛をお金で買う? 買わない?

女性が男性から報酬を受け取ってデートや食事をする「パパ活」。もはや聴き慣れた言葉になりつつありますが、最近は「ママ活」と称して、女性からお金を巻き上げる輩まで登場する始末。お金で買える恋愛で人は本当に満足できるのか? LEON的視点でお金と恋愛について考えてみました。

CREDIT :

文/田奈まりこ

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恋愛はセンスじゃなくてお金です!?

「必要なのは“お金じゃなくてセンス”です!」
それが創刊以来のLEONのキャッチコピー。真に豊かな暮らしに必要なのはお金ではなく、センスであると、我々はずっと言い続けてきました。これ、恋愛についてももちろん同じこと。金に飽かせて贅沢三昧で彼女をなびかせたところで、それはアナタの魅力じゃない。お財布の魅力ですよと。お金より何より、まずはアナタの情熱と創意工夫、そのセンスこそが問われるのだと申し上げてきたわけです。

しかるに、そんなLEONのポリシーに真っ向から対立するかのような「パパ活」と呼ばれる“援助恋愛”がブームになって久しく、ついには「ママ活」まで現れる始末。

今更ではありますが、ご興味のなかった方に説明させていただきますと、「パパ活」とは、若い女性が財力のある中年男性と食事やデートをして報酬を受け取るというもの。基本的には肉体関係なしを前提にした援助交際。その先を男性が期待していないはずはないのですが、表向きはまさに「恋愛をお金で買う」という関係なのですね。

「援助交際」が流行語大賞でランクインしてすぐに警察は「援助交際は売春です」という標語を作成して取締を強化してきました。その成果はともかく、この「パパ活」には“体の関係がないのだから何が悪いの?”という当事者たちの声にもかかわらず、どうにもグレーな展開が予想されるからこそ、警察も目を光らせているという次第。
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パパと女子はどこでどのように出会うのか?

では、なぜ女性の「心」をお金で売り買いするようなビジネスが成立してしまうのか。すべての経済活動は需要と供給のバランスで成立するものである以上、この「パパ活」も需要があるから、供給があるのだとは思います。ではその需要の実態とは?

まずは、パパ活女子と中高年男性(パパ)はどのようにして出会っているのを探るべく、その主な方法を、週刊誌記者やパパ活経験者の声をもとにまとめてみました。

(1)出会い系サイト
「パパ活」を目的とした出会いには、いわゆるガラケー時代の2000年代頃から続くような、老舗出会いサイトが使われることが多いようです。近年登場した婚活・恋活用のマッチングアプリよりも男性ユーザーの割合が多く、男性の年齢層が高いのが特徴です。また、最近のアプリはユーザーの安心・安全を確保するためにFacebookとの連携が必要なものが多いのですが、前者は匿名性が高いのも、パパ探しに選ばれる理由のひとつのようです。

(2)会員制交際クラブ
会員男性と会員女性をマッチングさせ、本人たちに代わってデートをセッティングしてくれるというサービス。例えば大手交際クラブ「U」は女性は登録の際、A~Dまである「交際タイプ」を選ぶことができ、男性はそれを見てデート相手を選ぶことができます。交際タイプは「基本的に食事・デートだけ」や、「初日から気が合えば交際に発展するかも」など(ここでいう交際には肉体関係も含まれるわけですが……)。男性側にはデート代とは別に、5000円~1万円を車代として相手女性に支払うルールがあるので、問答無用で「パパ活」が成立してしまうシステムです。

(3)ギャラ飲み
その名のとおり、女性参加者にギャラが発生する飲み会のこと。男性からは女性に車代として1~数万円程度が支払われます。ビジネスシーンでの会食や接待として利用する男性も多いようです。大勢の女性を束ねて飲み会に女性を派遣する、女衒?のような20代女性が存在するというから驚きです。

他にも、高級クラブやラウンジなど“夜のお店”で働きながらパパを探す女性もいますがあまり効率が良くないため、最近は上記のように、より直接的に探せる手段を選ぶ女性が多いようです。いずれにしろ、もはや「パパ活」がしっかりとシステム化され、世間に根付いている様子がうかがえます。
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「パパ活」にハマる男性の特徴とは?

では次に、どんな男性が「パパ活」にハマっているのか。その具体的な利用者像に迫ってみましょう。こちらは合コン・パパ活事情に詳しい、エバンジェリストのマドカ・ジャスミンさんに実態を聞いてみました。 

「男性のタイプは大きく分けてふたつあります。ひとつは女性を『勝者の証』であるトロフィーのように考えて、周囲に自分の地位を誇示するために、若くて美しい女性を横に置いておきたい人」

「もうひとつは『恋愛』を求める人。若い頃あまり恋愛をせずに必死で働いて婚期を逃してしまった男性や、若くして結婚し、家族を養ってきたような中年男性に多いです。家族がいても、奥さまの興味関心が子供に移ってしまったりして寂しさを感じている男性は多いですからね。自由に使えるお金ができた時に、その“満たされない思い”を『パパ活』で解消しようとするようです」

まず、女性をモノ扱いする輩は論外として、ここで注目したいのは寂しさをお金で紛らすようにして「パパ活」にハマっていく男性たち。

確かに最近は「恋愛なんて面倒くさい」という草食系や、一生結婚しない系が増えているのも事実。女性にモテることを人生の至上命題と考えるLEONの方がむしろ少数派なんて意見もありましょうが、そんななかで、恋愛もゲームと同じように、時間限定でリスクなくできるとなれば、それなりの需要があるのかもしれません。
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合コン・パパ活事情に詳しいマドカ・ジャスミンさん。

「パパ活」に走る女子の気持ちとは?

続いては逆の立場から。つまり、どんな女性が「パパ活」に励んでいるのか。ズバリ女性側の目的はなんでしょう。

「モデルやタレントの卵であったり、“夢はあるけどお金はない”というような女性がお金や人脈を求めて始めたのが『パパ活』のルーツだと思いますが、最近は『パパ活専用アプリ』なども人気が高く、普通の女子大生やOLが、“ラクに稼げるバイト感覚”でやっているケースが多いですね」マドカ・ジャスミンさん(以下同)

「ハイブランド品や高級レストランなど、SNSがキラキラしたもので溢れる『港区女子(※)』に憧れて始める人もいます。男性に比べ、女性はバイトやエンタメの延長で、かなりドライな感覚でやっている子が多いです」
※東京都港区界隈に生息し、「若さ」や「美しさ」を武器に経営者や業界人、医者や弁護士といったハイスペックな男性と夜な夜な遊んでいる女性のこと。
女性の側はあくまで楽に稼げるバイト感覚。この両者の思惑が一致して「パパ活」市場はますます活況を呈していくという次第。しかしそれで男性側は本当の恋愛と同じような高揚感と癒しが得られるのでしょうか? マドカさんによれば

「パパ活女子は、プレゼントやデートなど、自分がしてもらったことに対しては全力でうれしさを表現してくれるので、そこに新鮮な喜びを感じるのではないでしょうか。ただ、『これだけお金を使ったんだから、君も◯◯してよ』のようにギブアンドテイクにこだわりすぎる人は向いていないと思います。そういう男性は、女性の対応が冷たいと逆上してしまったり……」

女子からすれば、お金をいただいてのビジネス。その分はしっかり演じましょうという彼女たちなりのサービス精神はあるようです。
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金銭が発生しない=美しい恋愛、とは言えない?

しかし、所詮はビジネス。割が悪いとなれば女性はさっと引いていくのです。お金で買った恋愛が、本物の恋愛に変わるような夢物語は存在しないというのが、大人としての冷静な判断かと。しかし、そのうえでマドカさんは、こうも言います。

「そもそも私は『金銭が発生しない=美しい』という方程式は成り立たないと思います。恋愛において、例えば好きな女性を美味しいディナーに連れて行きたい、素敵なバッグを買ってあげたいっていう気持ちも立派な『純愛』のカタチだからです」

マドカさんは続けます。
「それに関係のスタートが金銭を伴う契約だったとしても、生活が苦しい時に援助してくれたり、就活の力になってくれたり、辛い時に助けてくれたりすれば、やっぱり女性からも情は沸きますよね。相性が良ければ、恋愛云々を超えて人生の先輩のひとりとして長く付き合っていくことは可能だと思います」

思わず「なるほど」とうなずいてしまいそうです(笑)。しかし、そこに一縷の望みを抱いてしまう男性こそが、蟻地獄のように「パパ活」にはまってお金を使い、逃れられなくなっていくのかと思うと、「どっちもどっち」とは言うものの、なんともやりきれない思いは残ります。

パパ活にロマンはあるのか?

お金が先か、愛が先か。これは永遠の問題かもしれません。愛が先というのが男のロマン。けれども対する女性は男性ほどロマンの世界には生きていません。それが実際の恋愛であれ、結婚生活であれ、現実的な損得を計算して冷静に対処しなければ、生き抜いていくことはできないという面もあるでしょう。そう考えると女性たちの割り切りのよさにも多少納得がいくのです。

「基本的に、パパ活での男女関係には必ず“終わり”があります。お互いに想いすぎず、生活のなかのちょっとしたスパイス程度に思っておくことが、良い関係を保つ秘訣だと思います」とマドカさん。

それをゲームのように楽しめるなら「パパ活」はありという意見があることはわかります。

それでもやはりLEONとしてはうなずけません。少なくとも付き合う女性から「いいお客さん」と思われるような関係を、恋愛と錯覚して人生を送ることはしたくない。せめてLEON読者の皆さまには、リスクを取った恋愛に励んでいただきたく。結果としてそれがよりお金がかかり、大きく傷つくこととなっても、それも含めての幸せこそが恋愛の本懐かと。

パパ活にロマンなし、とLEONは考えるのですが、あなたはどう思いますか?

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