2018.12.15
【プロが解説】絶対に損しない、超高級スポーツウォッチ5選。
雲上ブランドから数々の"ラグスポ時計"がリリースされる昨今。実際どのモデルが“買い”なのか? そこで、世界で圧倒的な支持を得る人気モデルの見どころを、3人のスペシャリストにうかがいました。
- CREDIT :
文/長谷川 剛(Zeroyon)、広田雅将(クロノス日本版編集長)、柴田 充(時計ライター)、前田陽一郎(LEON.JP編集長)
デザインや機構、それにファッションの観点から人気時計を斬る
ただし、どのモデルもそれぞれに卓越した魅力や機能を持つため、データを見るだけ、一見するだけ、では決めかねるもの。そこで時計に造詣の深いスペシャリストたちに、話題作の見ドコロを直接うかがいました。
クロノス日本版編集長・広田雅将氏、敏腕時計ライター・柴田 充氏、LEON.JP編集長・前田陽一郎の3人の目の付け所とは? 少なくとも、時計選びの参考となる“福音”であることは間違いなし。読めば納得、あとはもうお店に駆け込むだけ!
● Watch 01 『オーデマ ピゲ』
ロイヤル オーク・"ジャンボ"エクストラ シン
「名作キャリバー2121を積んだジャンボとくれば、時計殿堂入りクラス。旬の青金スタイルを取り入れても、時代におもねらないところに元祖ラグスポの風格を感じる」(柴田)
「スーツからスポーツウエアまであらゆるファッションに似合う、究極の一本だと思う。特にこの39mmの"ジャンボ"エクストラ シンは、いまに続くロイヤルオークの原点に限りなく近いモデルながらも、ここ数年の“小ぶり”時計の中心にもいるモデル。ということは「今買って、これからも古びない」という間違いない一本ではないだろうか」(前田)
ラグスポ時計の元祖として殿堂入りを果している「オーデマ ピゲ」の「ロイヤル オーク」。なかでもエクストラ シンは、同モデルの40周年記念としてリリースされた、ケース厚8.1㎜のスタイリッシュな薄型モデルです。
1972年にデビューを飾った初代モデル“ジャンボ”の復刻版でもあるこちらは、ビス留めの八角ベゼルや文字盤のタペストリー装飾、それにインデックスや針の形状まで忠実に復刻しているのがポイント。オン・オフともに腕元を格上げしてくれる金無垢製ゆえ、“上がり”の時計として申し分のない一本です。
● Watch 02 『ウブロ』
ビッグ・バン ウニコ チタニウム セラミック
「異素材ケースやラバーストラップ、スケルトン文字盤など、ラグスポにおけるウブロの貢献度はなんと高いことか。クオリティも格段に進化し、人気の理由が伝わる1本」(柴田)
「チタン&セラミックのルックスが最高にモダン。ファッションで言えばナイロン系アイテムとの相性は鉄板でしょうね。僕ならシャカシャカの真っ黒スーツに、真っ白スニーカー、そしてオレンジやグリーンのビビッドカラーのコートでコーディネートしたい。新素材ブームの火付け役ってところでも“わかってる感”があっていい」(前田)
2005年の発表以来、破竹の勢いでファンを増やしているラグスポ界の超新星「ビッグ・バン」。ここまで支持が広がったのは、「ウブロ」のバラエティに富んだ開発力にほかなりません。また“フュージョン”を標榜する同ブランドは、セラミックを始めチタニウムにマジックゴールドなど、ユニークな素材使いもポイントです。
さらに見逃せないのが自社ムーブであるウニコのさらなる進化。新型では自動巻き上げの方式変更やデタッチャブル脱進機の固定化により、フレームの小径化を実現。内部も飛躍的にアップデートされ、より信頼感を高めているのです。
● Watch 03 『ヴァシュロン・コンスタンタン』
オーヴァーシーズ・デュアルタイム
「由緒正しき名門の伝統と、より現代的なスタイル・実用性とが絶妙にバランス。それこそ旅のレザーバッグのように、何十年も使って味出ししたいです」(柴田)
「オーヴァーシーズの魅力って“大人の色気”を感じさせるところだと思う。ファッションも大事だけどスタイルの方を重視する生き方というか。このブルー文字盤の一本なら、あえてストイックなネイビースーツに、白いシャツ、ソリッドなネイビータイで決めたい。もちろん適度に日焼けもしていて。いつの時代も格好いい男像にバッチリということかな」(前田)
スイス最古の時計メーカーとして知られる「ヴァシュロン・コンスタンタン」。名品揃いのコレクションのなかでも、特にモダンな輝きを放つのが「オーヴァーシーズ」です。世界を駆け巡るトラベラーのために作られたこのモデルの初出は、1996年のシンプルな3針型。マルタ十字をモチーフとする大きな切り欠きを持つベゼルと強固なスチールブレスレットがアイコニックです。
さらに2018年のニューモデルでは、旅行に便利な先進の機能をプラス。2つのタイムゾーンが確実に読み取ることができるデュアルタイム機構を搭載させました。その他、ブレスレットやベルトへの付け替えが可能なインターチェンジャブルシステムなど、便利な機能が新たに加わっています。
● Watch 04 『フランク ミュラー』
ヴァンガード グラビティ スケルトン
「同ブランドの本領は、人を驚かすような洒落っ気にあり。こちらのモデルも大径トゥールビヨンの動きを可視化しつつ、存在を感じさせない重力のようなスケルトン化を両立しています」(柴田)
「ヴァンガードはこれらスケルトンモデルの方がデザインのバランスがよくて好き。押しは強いのにスッキリしていて、今っぽいのに安定感を感じるから。それは密度感と抜け感、クラシックとモダンの“バランス”が上手いんだと思う。僕なら時計が目立つように全身グレー系のワントーンで。でないとバランスが崩れるような気がして」(前田)
流麗なトノーケースをラグジュアリーウォッチシーンの第一線に押し上げた功労者として、世界的に認知されている「フランク ミュラー」。「ヴァンガード」は、そんな同ブランドの前衛的な美観と新たな時計の楽しみ方を体現した意欲作。ラグを排した一体構造や立体的な文字盤など、斬新なデザインこそこのモデルの真骨頂です。
さらに新作では圧倒的な技術力による芸術的なトゥールビヨンをリリースし、時計ファンの度肝を抜きました。キャリッジ外側に配置したテンプが衛星のごとく周回するこちらのトゥールビヨンは、まさに重力(グラビティ)を改めて意識させる卓越した趣向。限界まで肉抜きを施したフレームと相まって、漂うような円運動の美しさに、ついつい見惚れてしまう一本です。
● Watch 05 『ハリー・ウィンストン』
プロジェクト Z12
「普通の時分表示と見せかけ、じつは上下分割のレトログラード。秘めたる技術がユニークな運針を支える点は、ダイヤモンドの高度なカッティングに通じるかも」(柴田)
「スーツを着ないでもビッグサクセスを獲得できる、現代を象徴する一本だろう。新素材とデニム、モダンデザインに複雑機構なんて、まさに現代と過去の橋渡しのよう! どんなファッションで付けたいか、と聞かれたら間違いなく洗いざらし風の薄いブルーのジーンズで。これからの季節ならそれにグレーのカシミアニット、みたいな」(前田)
1932年、ニューヨークに創立した「ハリー・ウインストン」は、「キング・オブ・ダイヤモンド」と称されるスーパートップジュエラー。きらびやかな宝飾品と同時に、精巧な複雑時計を手掛けるブランドとしても知られる老舗です。そんな宝飾達人のセンスと技術力をいかんなく注ぎ込んだのが「プロジェクトZ」シリーズ。2004年からリリースが始まった特別なタイムピースは、ユニークを極めた時間表示に加え、同ブランドの独自素材である“ザリウム”をケースに用いているのが特徴です。
新作である「プロジェクト Z12」は、同心円状にレトログラード式の時分針を配置した“時間と空間の慣習を打ち破る”モダンを極めたデザイン。ブルーデニムを思わせるストラップとの融合により、装い全体を品良く爽やかに引き立てるパッケージもポイントです。
■ お問い合わせ
ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755
ウブロ 03-5635-7055
オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000
ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション 0120-346-376
フランク ミュラー ウォッチランド東京 03-3549-1949
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