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2021.09.11

腸活にハマった男「自分の便を観察すべし」

「うんちは便。便は“便り”とも読むので、自分からの便りと思って、日々観察してほしいんです」と語るのは、元サッカー日本代表の鈴木啓太氏。引退後にアスリートの便を研究をする企業AuB(オーブ)を設立した彼の腸活の極意とは?

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文/高橋ホイコ(ライター)

記事提供/東洋経済ONLINE
この連載『御社のオタクを紹介してください』では、社業を極める「オタク」たちに焦点を当てている。そこに仕事を楽しむためのヒントがあると思うからだ。

今回インタビューしたのは、元サッカー日本代表の鈴木啓太氏。彼は“腸活”すなわち“うんち”に詳しい。幼い頃から、毎日観察してコンディション作りに生かしてきた。そして、引退後にはアスリートの便を研究をする企業AuB(オーブ)を設立した。まさに筋金入りである。鈴木氏に腸活の極意を聞いた。
▲ アスリートの便を研究をする企業AuB(オーブ)を設立した元サッカー日本代表の鈴木啓太氏(写真:AuB提供)。

日々の”観察”が大事

── 観察が健康に役立つと言われても、何を見たらいいのかがよくわかりません。詳しく教えてもらえますか。

うんちは便とも言います。便は“便り”とも読みますよね。ですので、自分からの便りだと思ってください。私は、幼少の頃から母に「自分が出しているものがどういう状態なのか見なさい。バナナのようなうんちを出しなさい」と言われて育ちました。

とはいえ、子どもの時分にはどうしたらできるのかわかりませんでした。そこで、自分に合うものを感覚でおぼえていきました。どういった食事のときに、どういう便が出るのかは人それぞれ違います。だからこそ観察してほしいですし、人それぞれの便りを大事にしてほしいです。

── 便には、理想的な状態があるのでしょうか?

ブリストルスケールと呼ばれる便を7段階に分ける指標があります。便秘でコロコロしているものが1で、水のような状態が7です。その指標で3~5に入るのがいいと言われています。3は少し硬いけれどもしっかりと長さがある便、4がバナナのようにするっとした便、5は少し切れるけれどもしっかりと形はある便といった具合です。
▲ ブリストルスケールの7分類。
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── 鈴木さんの場合は、どういった傾向がありますか?

私の場合は、お肉を多く食べると黒っぽく赤茶のような色になります。魚や野菜中心の食事になると黄土色に近くなります。タンパク質が多いと臭いが強くなることがあります。一方でタンパク質が多くても食物繊維やビタミンがバランスよく取れているときには臭いが軽減するというか、違った臭いがします。

── 色、水っぽさ、臭いを観察しつつ、自分の体調も観察して、どんな相関があるのか積み上げていけばいいのでしょうか。

それが大事だと思います。ですので、どんな便が出たのかで終わりにしないで、前日、前々日の食事を振り返ることが大事です。下痢をしたときなど、極端なときは多くの人が気にしますが、普段から振り返ってほしいです。

── 腸活というと“腸内環境を整える”ことかなと思うのですが、そもそも“腸内環境がいい”とはどういった状態なのでしょう?

腸内環境は検査をすればわかります。ですが、検査をしないで手軽にわかるのが便なんです。まず大事なのが、回数です。

アスリートでも2日に1回が普通だと思っている人もいれば、4日に1回が正常だと思っている人もいます。僕の場合は毎日ということを大事にしています。それがバナナみたいなものかどうか。少し硬いとか少し割れがあるぐらいはいいです。でも、コロコロの便や水っぽい便の場合は、腸が悪い状態だと考えます。

── 鈴木さんは、毎日バナナぐらいの量が出ているんですか?

もちろんです。例えば私の場合30センチぐらいのものが出ます。調子がいいときは50センチぐらいのものが出ます。うんちが何でできていると思いますか。こう聞くと多くの人は食べ物のカスだと答えますが、5%ほどしかありません。いちばん多いのは水分で60%。残りの35%が大事で、これが腸内細菌の死骸です。腸壁がはがれたものと言われています。

── そんなにたくさん死んでいるんですか?

腸内細菌は100兆個以上、もしかしたら1000兆個ぐらいいるかもしれないと言われています。重さにすると1~1.5キロです。それだけの生物がおなかの中にいて、絶えず栄養素を消化して、代謝して死んでいます。だから、毎日それくらいの量が出てきてもおかしくないんです。
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オススメの腸活は、おなかを温めること

── 鈴木さんは、おなかの調子が悪くならないように何をしていますか?

量が少ないと思ったら食物繊維を摂るなどいろいろあるとは思いますが、私自身はもともとバランスよく食べるほうなので、特別に食材を変えることはありません。

ただ、冷たいものを食べると調子が悪くなるので、必ず食後に温かい緑茶を飲んでいます。そこに梅干を入れたりします。あと、いちばんお手軽なのは腹巻きです。かっこ悪いとか、冬につけるものと思われがちですが、皆さんにもぜひやっていただきたいです。

── 腹巻きは、高齢の方が主に冬に使うものかと思っていました。

若い人も使ったほうがいいですし、夏にもつけたほうがいいです。直腸に直接体温計を入れて深部体温を一日中測るという実験を弊社の研究員がやっています。これによると体温は1日の中で2度ほど変化しています。夕方ころに最も高くなるのですが、腹巻きの有無で0.5度ほど変わってきます。

菌が活性化するのがだいたい37度と言われています。おなかの菌も活性化させたほうがいいので、温度を上げることは腸内細菌にとって非常にいいんです。アスリートにも腹巻きを勧めています。実践している選手に聞くと、コンディションはいいと言っています。

── 思ったよりも簡単なことで、腸は整えられるんですね。

本当に簡単ですね。ただその意識があるかどうかがすごく大事です。“腸活”といっても、何をしたらいいのかまではなかなか理解されていません。皆さんに聞くと「ビフィズス菌ですか」とか「ヨーグルト食べることですよね」などの返事が来ます。これは一部正解です。やれることはもっといろいろあります。また、ビフィズス菌の何がいいのかまでは理解されていないことが多いです。そういった啓発活動をわれわれがしていかなければいけないと感じています。

皆さんのおなかの中に住んでいる腸内細菌が活性化することが大事です。いろんな働きをしてくれています。ビタミンを作ってくれたり、免疫機能に関係していたりします。腸が不健康だと体の問題をいろいろ抱える可能性があります。でも、腸活は意識したら簡単にできることなんですよと伝えていきたいです。
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在宅ワークによる運動不足で腸内環境が悪化

── AuBの研究で、在宅ワークによる運動不足が腸内環境に影響しているとの結果が出たそうですが、運動もやはり大事なのでしょうか。

運動をすると代謝が上がり、体温も上がります。そうすると菌が活性化します。激しい運動である必要はありません。エレベーターを使わないで階段の昇り降りをする、ヨガ、ストレッチなどそういったレベルでいいです。まずは簡単なものを少しずつ取り入れ、もう少し体を動かしたいと思ったら、次のステップへ進んでもらえばいいと思います。

── その程度の運動でも、お便りに差が出てきますか?

出てきます。おなかに住んでいる菌たちにいい環境を与えてあげれば、しっかり働いてくれます。会社に置き換えると、いろんな仕事ができる人材がいたほうがいい。つまり多様性があったほうがいいことになります。そのためには、いろんな食材を食べることが大事です。

人数が多いほうが生産性は高まります。そのためには水溶性食物繊維や発酵食などの腸にいいものを入れてあげてほしい。また、寒い環境では働きたくなくなります。ですので、ちょうどいい温度にしてあげる。そんなふうに考えてもらえればいいと思います。

── 60歳をすぎたサポーターの方が「スタジアムに行くのはもうしんどい」と話しているのを聞いて、人々の健康作りに貢献したいと考えたと聞いています。健康維持のためにみんなにしてほしいことはありますか?

僕はいつまでも楽しく人生を過ごしたいと思っています。でも、楽しいって何だろうともよく考えます。結局、できることはあまり楽しくなくて、できないことができるようになることが、めちゃくちゃ楽しいことだと思うんです。

でも、できないことにチャレンジするには気力が必要です。土台となるもののすべてが健康だと思います。そのために一番簡単にできることが腸活だと思うんです。血液検査や健康診断は病院に行かないとできません。でも、便を見るのは毎日できます。ですので、それを実践していってもらいたいんです。

それで、サポーターの方はいつまでもスタジアムに通ってくれるかもしれませんし、そうではない方々も自分の好きなことにチャレンジして楽しいと感じる、そういう世の中になったらいいなと思っています。

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「実践してほしい」との言葉におもわずうなってしまった。実際にやるとなると腰が重くなるものだ。そこで、鈴木氏は手軽にできる方法として「AuB BASEっていうサプリメントがあるので、それを飲んでいただければ」とさらっと自社商品を勧めてきた。さすがに社長さんである。研究を進めるには費用が必要なので商売も大事なのである。今後もアスリートの研究を進め、腸活だけではなく広い範囲で、健康に役立つ成果を見いだしたいと話していた。
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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