2026.02.27
イケオジの腸活Q&A【5】 大腸がんはがん死亡数1位と言われますが、腸活で予防できる?
健康マニアならずとも、一度は耳にしたことがあるキーワード「腸活」。腸内環境を整えることは、イケオジ界隈の常識になりつつあります。知っているようで知らない「腸活」を深掘りすべく、福岡天神内視鏡クリニックの秋山祖久院長にお話をうかがいました。
- CREDIT :
イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
コンディション管理の新常識として、イケオジ界隈でも注目の「腸活」。下痢や便秘だけでなく、肌荒れや風邪、気分の落ち込みといった、さまざまな“不調”の背景に、実は腸内環境の乱れが潜んでいるとか。そこでYouTube「胃と腸の健康解説 内視鏡チャンネル」も好評を博している、福岡天神内視鏡クリニックの秋山祖久院長を取材。「腸活」にまつわる疑問を解消してもらいました。
A.規則正しい生活とコマメな運動。牛肉や豚肉を食べすぎない、朝起きたら歯磨きして口内の雑菌を腸内に入れないetc.

── 日本人のがん死亡数は、大腸がんが男性2位、女性1位と言われますが、「腸活」で予防できますか?
秋山祖久先生(以下、先生) もちろん予防できます。まずは食事ですが、牛や豚など4本足の動物の肉を大量摂取すると大腸がんのリスクが高くなるという報告があるので、摂りすぎないこと。
また近年「フソバクテリウム・ヌクレアタム」という歯周病菌が、大腸がんの原因にもなっているという報告があります。本来口腔内だけに存在するはずの菌が大腸に住み着き、これが悪さをしているようなのです。そこで、起きたら朝食を食べる前にまず歯磨きをして、寝ている間に口の中で増えた雑菌が腸内に入るのを防ぐことが大事です。
── 明日の朝からすぐにできますね。
先生 ぜひやってみてください。生活習慣でできることもありますが、一番の予防は大腸内視鏡検査ですね。人間ドックの採便検査で拾い上げられるのは、すでに進行した大腸がんであるケースがほとんど。ポリープや初期の大腸がんは、採便検査では陰性になる確率が高いので、早期の段階で見つけるには大腸の内視鏡検査が有効です。
大腸がんの発生率は40代から急上昇するので、40歳を過ぎたら1度は検査を受けることをオススメします。異常がなかったら次は3年後、ポリープなどが見つかって切除した場合は1〜2年後に受けましょう。アメリカでは大腸内視鏡検査が無料で受けられるようになり(年齢と回数に制限あり)、ポリープも切除してくれるので、人口は日本の約3倍ですが大腸がんの死亡数は日本よりも少ないんですよ。
── 大腸内視鏡検査、受けないと! ですね。オヤジ世代が気になる高血圧や高血糖も「腸活」で予防できますか?
先生 できるんです。腸内の善玉菌は水溶性食物繊維をエサにして「短鎖脂肪酸」という物質を生成するのですが、これがいい働きをします。例えば血管の細胞と短鎖脂肪酸が結合すると、硬くなった血管が柔らかくなって動脈硬化が改善されたり、血圧が下がったりといった効果があるんです。
また膵臓と短鎖脂肪酸が結合するとインスリンが分泌されるので、血糖値の上昇が抑えられ糖尿病の予防になります。コレステロールは肝臓で作られますが、肝臓と短鎖脂肪酸が結合すると、コレステロールの生成を抑えてくれます。
── すごいですね。ほかにも生活習慣でできる「腸活」はありますか?
先生 日々の生活をルーティン化するのがオススメです。まず起きる時間と寝る時間を決める。腸内環境にとってベストな睡眠時間は7〜8時間。特に22〜24時にしっかり寝て腸を休ませると腸内環境がよくなると言われているので、僕は22時就寝、5時半起床です。
あとはコマメな運動ですね。週に1〜2回などまとめて運動するより、毎日の移動時間を利用するほうが効果的。近場の移動なら乗り物は使わず歩く、駅では階段を利用する、通勤の際にひと駅分歩くなど、数分でもいいので1日のうちに何回も動く時間を作るほうが、腸への刺激になります。
── 先生は食事の時間も決めているんですか?
先生 そうですね。夕食は寝る3時間前の19時までに済ませて、それ以降は食べないようにしています。「腸活」とは少し離れますが、19〜21時は脳のゴールデンタイムでもあるので、その時間に論文を読んだり、YouTubeの台本を書いたりしています。
── 素晴らしいですね! 脳のゴールデンタイムにテレビを観ながらご飯を食べている自分が情けないです……。
先生 いやいや、それもストレス解消になっているのでいいと思いますよ。

● 秋山祖久(あきやま・もとひさ)
1975年、佐賀県生まれ。医学博士、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。中学生の頃、急性虫垂炎で入院した時の主治医のやさしさに感動して医師を志す。長崎大学医学部卒業後、長崎大学医学部附属病院での研修医を経て、さまざまな総合病院、大学病院で研鑽を積んだのちに、福岡天神内視鏡クリニック院長に就任。年間4000例以上の内視鏡検査を行っている。登録者数77万人のYouTube は、『胃と腸の健康解説 内視鏡チャンネル』。

■ 福岡天神内視鏡クリニック
腸活が気になったらコチラも













