2026.02.25
イケオジの腸活Q&A【3】 ダイエットで断食するオヤジも多いのですが、腸にとっていいこと?
健康マニアならずとも、一度は耳にしたことがあるキーワード「腸活」。腸内環境を整えることは、イケオジ界隈の常識になりつつあります。知っているようで知らない「腸活」を深掘りすべく、福岡天神内視鏡クリニックの秋山祖久院長にお話をうかがいました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
コンディション管理の新常識として、イケオジ界隈でも注目の「腸活」。下痢や便秘だけでなく、肌荒れや風邪、気分の落ち込みといった、さまざまな“不調”の背景に、実は腸内環境の乱れが潜んでいるとか。そこでYouTube「胃と腸の健康解説 内視鏡チャンネル」も好評を博している、福岡天神内視鏡クリニックの秋山祖久院長を取材。「腸活」にまつわる疑問を解消してもらいました。
A.断食のいい面は腸を休ませられること。悪い面は腸内細菌のエサがなくなるので腸内環境が悪化することです

── 暴飲暴食した翌日に断食で調整するLEONユーザーも多いのですが、腸にとっていいことなんですか?
秋山祖久先生(以下、先生) いい面もあれば、悪い面もあります。まずいい面としては一時的に腸を休ませられること。空腹状態が続くと「オートファジー」という自浄作用が発動して、腸内の細胞の生まれ変わりが促され、細胞が活性化するんです。また一時的に消化吸収活動を休息することで、腸のバリア機能も強化されます。
一方悪い面としては、食物繊維などの腸内細菌のエサがなくなるので、腸内環境が悪くなります。また、たとえ慣れていたとしても、断食は体にとって相当なストレスです。特に腸はストレスホルモンのコルチゾールが分泌されるので、腸の運動機能が悪くなったり、下痢や便秘などの便通異常が出てきたりすることもあります。
── なるほど。朝食は毎日食べたほうがいいですか?
先生 そうですね。朝食を摂ると腸内環境は確実によくなります。とはいえ菓子パン1個とかスムージーだけだと全然よくない。朝は特にタンパク質と食物繊維をしっかり摂るといいですね。実際にうちのクリニックの腸内フローラ検査でA判定の方は、もれなく全員朝食をしっかり食べています。
夕食から朝食までは食事の間隔が一番長く、腸内細菌も起きた時には充分休養ができているので、タンパク質の吸収率もいいし便秘の改善効果も期待できるという報告があります。
また腸内細菌が生成する「短鎖脂肪酸」という体にとって非常に大切な物質があるのですが、これも食物繊維を朝に摂るとたくさん生成されます。
── 先生は朝食に何を食べていますか?
先生 だいたい決まっているんですけれど、主食はレンジで温めた冷凍の玄米ご飯。おかずは目玉焼きと納豆1パック。それに海藻サラダと野菜や豆腐入りの具だくさん味噌汁です。時々豚汁も作りますね。
食事量の理想的なバランスは、朝食:昼食:夕食=3:4:3。4:3:3でもいいんですけれど、日本人は朝食の比率が低くて1.5〜2という方がほとんどなんです。できれば夕食と同じぐらいの量を朝食、昼食でも摂ってほしいですね。
── 朝食は食べず、夕食で7割みたいな人も多そうです。
先生 そうですね。でも夕食のあとは寝るだけなので、そんなにエネルギーは必要ないですよね。また朝は時間がないですが、玄米をあらかじめ炊いて冷凍しておいて、レンジで温めるだけなら簡単です。玄米は冷凍することで、レジスタントスターチという発酵性食物繊維が増えるので、実は炊き立てよりも善玉菌のエサになりやすいんです。冷凍ご飯を温めて食べるだけでも立派な「腸活」なんですよ。
──面白いですね。タンパク質はプロテイン飲料で摂ってもいいですか?
先生 いいと思います。僕も朝食前にプロテインを飲んでいますが、砂糖や人工甘味料を使っているものは避けたほうがいい。ダイエットコークなどにも入っている人工甘味料は悪玉菌のエサになってしまうので、腸内環境をよくする羅漢果やステビアを甘味料として使っているプロテインを選びたいですね。
飲むタイミングは朝食の前。先に腸内にプロテインを入れておくことで、血糖値が上がりにくくなります。ただしあまり摂りすぎると、タンパク質自体が悪玉菌のエサになるので注意が必要です。
── えっじゃあ筋トレ大好きオヤジはプロテインの飲みすぎかも……。
先生 すごく鍛えている人たちは、とにかくプロテインを飲んでますよね。「プロテインを飲み始めたら、急におならが臭くなった」と言う声も聞くんですが、それは悪玉菌が増えている証拠なんですよ。タンパク質は食べ溜めができないので、1回の食事で摂る量は20〜30gがベスト。それ以上摂ってもエネルギーに変わるだけです。
── 積極的に摂ったほうがいい食べ物はありますか?
先生 腸内細菌のエサになる発酵性食物繊維ですね。玄米やもち麦、お蕎麦、納豆や大豆などの豆類にも多く含まれています。玉ねぎや人参、ごぼう、海藻類、果物などもいいですね。
献立としてはやはり和食がベストです。僕自身、和食好きなので基本は3食和食、外食も和食を選んでいます。納豆や味噌、漬物などの発酵食品も多いし、日本人の体質に合っていると思います。
── 逆に控えたほうがいい食べ物は?
先生 糖質や脂質など人間が美味しいと感じるものは悪玉菌も大好きなんですよね。小麦や乳製品、白砂糖、添加物をいっぱい使用した食品は確実に腸内環境が悪くなるので、食べすぎないほうがいいですね。
── 水分量の目安も教えてください。
先生 食事に含まれる水分量を除いて、1日にだいたい1.5〜2ℓ飲むのがベストです。一気に飲むと尿として出ていくだけなので、喉が渇く前にちびちび飲むのがポイントです。
体の水分量が足りないと、脱水状態にならないように大腸は水分を吸収してしまうので、便が硬くなり便秘にも繋がります。腸内に便が留まっていると、腸内環境もどんどん悪くなってしまうので、水分補給は大切です。

● 秋山祖久(あきやま・もとひさ)
1975年、佐賀県生まれ。医学博士、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。中学生の頃、急性虫垂炎で入院した時の主治医のやさしさに感動して医師を志す。長崎大学医学部卒業後、長崎大学医学部附属病院での研修医を経て、さまざまな総合病院、大学病院で研鑽を積んだのちに、福岡天神内視鏡クリニック院長に就任。年間4000例以上の内視鏡検査を行っている。登録者数77万人のYouTube は、『胃と腸の健康解説 内視鏡チャンネル』。

■ 福岡天神内視鏡クリニック
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