2026.02.23
イケオジの腸活Q&A【1】 腸活を始めたいのですが、そもそも腸の働きとは?
健康マニアならずとも、一度は耳にしたことがあるキーワード「腸活」。腸内環境を整えることは、イケオジ界隈の常識になりつつあります。知っているようで知らない「腸活」を深掘りすべく、福岡天神内視鏡クリニックの秋山祖久院長にお話をうかがいました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
コンディション管理の新常識として、イケオジ界隈でも注目の「腸活」。下痢や便秘だけでなく、肌荒れや風邪、気分の落ち込みといった、さまざまな“不調”の背景に、実は腸内環境の乱れが潜んでいるとか。そこでYouTube「胃と腸の健康解説 内視鏡チャンネル」も好評を博している、福岡天神内視鏡クリニックの秋山祖久院長を取材。「腸活」にまつわる疑問を解消してもらいました。
A.腸内環境が乱れると病原菌やウィルスが侵入しやすくなり、風邪やインフルエンザなどの感染症も引き起こします

── 「腸活」は、生活習慣を整えて腸内環境を改善する活動のことだと思いますが、そもそも小腸・大腸はどんな働きをしているのですか?
秋山祖久先生(以下、先生) まず食べ物は口から入って食道を通り、胃で消化・撹拌(かくはん)され、十二指腸を通って小腸にたどり着きます。小腸で腸液や膵液などによってさらに分解され、栄養分が吸収されます。大腸は小腸で消化吸収された残りカスから水分やミネラルなどを吸収し、便を作って肛門から排泄します。
── 「腸活」=免疫力が上がるイメージですが、腸と免疫の関係を教えてください。
先生 人間の体は好中球やマクロファージなど免疫を司る細胞をいくつかもっていますが、その約70%が腸内に棲みついているんです。内訳は50%が小腸、20%が大腸です。腸は“内なる外”とも言われるように、口を通して外部と繋がっている臓器。そのため病原菌やウィルスが侵入しやすいので、たくさんの免疫細胞が腸内に棲みついて体の中で悪さをしないように見張っているんです。
── なるほど。腸内環境が乱れると、どんな不調に繋がりますか?
先生 腸内環境についての研究は急速に進んでいて、ほとんどの体の不調の原因に腸内環境の悪化がある、とまで言われるようになっています。下痢や便秘などのお腹の症状はもちろん、風邪やインフルエンザなどの感染症や、頭痛、肌荒れ、うつ病などのメンタルの不調、花粉症を始めとするアレルギー反応。さらに高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病、がんなども、腸内環境の悪化が原因の1つと言われているんです。
── メンタルの不調が腸と関係があるなんて驚きです。
先生 ほとんどの臓器が脊髄を通じて脳と繋がっていますが、脳と腸は「脳腸相関」と言って、迷走神経という神経で直接繋がっています。わかりやすく例えると、脳と腸を結ぶ高速道路が通っているイメージですね。
例えば脚を怪我したら末梢神経から脊髄を通って脳に信号が送られ痛みを認識しますが、脳と腸は迷走神経でも繋がっているので伝達が速いんです。
緊張やストレスを感じると、お腹が痛くなってしまうことありますよね。あれこそ「脳腸相関」なんです。
── 腸と脳は直結しているんですね。腸内環境の悪化がうつ病の原因になるのはなぜですか?
先生 うつ病の発症にはさまざまな原因がありますが、腸から「腸内環境が悪くなっているよ」という信号が脳へ直接送られると、脳がネガティブな情報として受けとり、気分の落ち込みを引き起こす可能性があると言われています。
また「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、その90%が腸で作られていますが、腸内環境が悪化すると生成されにくくなり、気持ちが沈みがちになり、不安やうつなどの神経症状を間接的に引き起こす原因になるとも言われているんです。

● 秋山祖久(あきやま・もとひさ)
1975年、佐賀県生まれ。医学博士、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。中学生の頃、急性虫垂炎で入院した時の主治医のやさしさに感動して医師を志す。長崎大学医学部卒業後、長崎大学医学部附属病院での研修医を経て、さまざまな総合病院、大学病院で研鑽を積んだのちに、福岡天神内視鏡クリニック院長に就任。年間4000例以上の内視鏡検査を行っている。登録者数77万人のYouTube は、『胃と腸の健康解説 内視鏡チャンネル』。

■ 福岡天神内視鏡クリニック
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