【イケオジのヒゲ3選】伸ばしっぱなしの9ミリと揃えた9ミリは違う。毎日整えることが清潔感につながります

男にとってヒゲは、個性と品格を決める大切な要素。わずかなニュアンスで印象が大きく変わるので、男を上げる武器にもなるのです。そこで、人気サロン「カキモトアームズ」のメンズサロン専門店「メンズ グルーミング サロン」のトップスタイリストの最新ヒゲスタイルをリサーチ。ヒゲへのこだわりや似合うスタイルの見つけ方など、参考になるお話にも注目ください。

両サロンとも美容室なので「ヒゲ剃り」メニューはありませんが、お客さんのヒゲの悩みにアドバイスしたり、ヒゲスタイル提案をしたりなど、「顔周りのことならなんでもご相談ください」と頼もしいお言葉もいただきました。

エグゼクティブスタイリストとして「メンズグルーミングサロン＆ストア by kakimoto arms 六本木ヒルズ店」で腕を奮う前田さんは、あごヒゲだけを伸ばした「ゴーティ」スタイル。ヒゲを伸ばし始めたのは、30歳を過ぎた頃だそう。「丸顔なのであごのラインをシャープに見せるために、ヒゲで縦のラインを強調して輪郭を補正しています」

サイドは短めに整え、あご先だけ長さを出すことで、輪郭がぐっと締まって見えます。実年齢よりも若く見られがちなので、ヒゲによって貫禄を出す狙いもあるのだとか。華やかなジャケットスタイルも、さり気なく大人の余裕を醸し出しています。

普段のお手入れは、ヒゲのない部分を毎朝シェーバーで剃り、無精ヒゲに見えないように週に1度はハサミやバリカンを使って長さを調整。「ヒゲがある分、ヘアスタイルはもみあげや耳周り、襟足をスッキリとさせて清潔感をキープするように心がけています。部分的に生え揃わなかったり、ムラがある部分は細めのアイブロウペンシルでヒゲを描くのも手です」

元々ヒゲは濃いほう。今後も「ゴーティ」スタイルを継続するつもりなので、口周りやほお、もみあげは現在医療脱毛中。徐々に毎日のシェービングが楽になり、肌への負担も軽減して、脱毛の効果を実感しているのだとか。

憧れのヒゲスタイルはチバユウスケさん。「晩年の白髪まじりであごヒゲだけ伸ばしたゴーティスタイルがカッコいいんですよね。今はヒゲの白髪はまばらなので毛抜きで抜いたり、ハサミでカットしていますが、もっと増えてきたら白いヒゲも楽しみたいですね」

ゆるやかにパーマをかけたミディアムヘアに、シャープな「アンカー（イカリ型に整えた）」スタイルのヒゲがマッチした、「メンズグルーミングサロン by kakimoto arms 麻布台ヒルズ店」のスタイリストチーフ池田さん。ヒゲ歴は15年、顔のパーツとのバランスやヒゲの生えるクセを考え、トライ＆エラーを経て現在の「アンカー」スタイルに落ち着いたそう。「顔が濃いので、ヒゲまで濃くするとちょっとうるさいんですよね。強面になっちゃうというか（笑）。ヒゲともみあげの長さは、肌がやや透ける6mmで揃えて引き算するようにしています」

職業柄ヘアスタイルを変えることも多く、その際は同じ「アンカー」スタイルでもヒゲの長さを微調整。ベリーショートにしていた時には、メガネをポイントにしてバランスをとっていたそう。

今でこそヒゲがトレードマークの池田さんですが、ジョニー・デップやブラッド・ピットのヒゲに憧れた10代の頃はほとんどヒゲが生えず、ドラッグストアなどで購入できるヒゲや眉毛、体毛に使用できる育毛剤を使って、ここまで育て上げたのだとか。「もみあげとあごヒゲをつなげたいので、『生えたらいいな』くらいの気持ちで、今もたまに塗っています（笑）」

職種によってはまだまだヒゲが御法度な業界もあるなか、大人のヒゲは今ちょうど過渡期にあると言う池田さん。「ヒゲや髪の毛のハイライトが、もっと企業のトップの方たちに普及していけば、その会社で働いている人たちもヒゲや髪色を自由に楽しめるはず。

だから、LEON世代の大人の男性こそ、ヒゲをもっと楽しんでもらいたいですね。年齢を重ねた大人の魅力を引き出しつつ、周囲の人にマイナスな印象を与えない、清潔感のあるヒゲスタイルをこれからももっと発信していきたいです」

スッキリとした坊主スタイルと貫禄のあるヒゲが似合う高橋さんは、映画『LEON』が大ヒットした高校時代、クラスメイトからジャン・レノに似ていると言われたことも。当時のジャン・レノに年齢が追いついた今、その言葉にも納得の雰囲気があります。

ヒゲのデザインは、口周りとあごヒゲをつなげて短めに整えた「ショートボックス」。30歳の頃に坊主スタイルにしたことを機に、バランスをとるためにヒゲを伸ばし始め、以来「ショートボックス」ひと筋なのだそう。

今回、「カキモトアームズ銀座二丁目店」で店長を務める高橋さんのヒゲをデザインしたのは、併設の「メンズグルーミングサロン by kakimoto arms 銀座二丁目店」の美容師と理容師のWライセンスを持つスタイリストチーフ草地永倫さん。

「彼は坊主なのでトップにボリュームがなく、あごに向けてシュッと締まった顔型。ヒゲまで短くすると、無精ヒゲっぽく見えてしまうんですよね。そこで、一度しっかり伸ばしてもらってから、厚みをもたせるようにデザインしました。あごのラインに厚みが出ると、輪郭がはっきりしてカッコいいんです」（草地さん）

あご下は9mmで整え、もみあげにつながる外側に向かって6mmになるようにグラデーションに。横から見た時に自然につながるよう、髪も6mmで揃えています。

薄いブラウンがかったレンズのクリアフレームのメガネで、優しい目元を演出している高橋さん。「目の印象が強いので、メガネをかけていないと怖く見られがち。視力が悪いこともあり、普段からラウンドタイプのメガネをかけて中和しています。ただ坊主頭にこのメガネだと丸いフォルムが多くて締まらないので、『ショートボックス』でシャープさを足しています」

普段のお手入れはというと、「仕事でもプライベートでも清潔感が第一。今回整えてもらったような繊細なグラデーションは、さすがに毎日自分ではできませんが、伸びすぎないようにこまめに整えています。同じ9mmでも、切って揃えた9mmと伸ばしっぱなしの9mmでは印象が全然違います。カットすると面が揃ってキレイに見えるので、1週間に1回は必ずトリマーを使ってカットしています」

店長という責任ある立場の高橋さんには、ヒゲを生やすようになってから、渋さが増して落ち着いた雰囲気に見られるというメリットも。逆にデメリットは？と聞くと「ほっぺたですりすりできないことですね（笑）。妻にも子供にも嫌がられます」とのこと。

「今ヒゲは白髪が多めですが、髪はぼちぼち出始めたくらい。もっと白髪が増えてきたら、ヒゲも髪も少し伸ばしてみたいので、白髪になるのが楽しみです」

最後にヒゲへの造詣が深い草地さんに、似合うヒゲの見つけ方をうかがいました。

「顔の形や雰囲気、ヒゲの生え方なども人それぞれなので、似合うヒゲのスタイルも違います。童顔だと今回の高橋店長のような『ショートボックス』は難しいので、まずは普段通っているサロンの美容師など、プロに客観的に判断してもらうのが一番ですね。

そのうえでファッションやヘアスタイルも含めて、ヒゲが似合う自分を作り上げることも大切。大人っぽく見せたいからと、服装は変えずにヒゲだけを伸ばしても、ちょっとミスマッチに。ヒゲから入るのではなく、自分のスタイルを見つけることが先決です。

また伸ばしている過程でも整えて毛先が揃うと、ヒゲがより濃くきれいに見えるので、生やしっぱなしにはせず、こまめに整えましょう。ヒゲを生やしたことがないと、１カ月もしないうちに形になると思いがちですが、実際は理想の形になるまでは、時間がかかるので、根気がいります。ヒゲに対する正しい知識をもつことも大切ですね」

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