2025.06.30
【Q1】若い頃に日焼けしまくり。日焼けが10年後のシミになるって本当ですか?
照りつける太陽の下、紫外線対策もそこそこに日焼けを謳歌してきたオヤジ世代。最近気になっているその頬のシミは、そんな長年のツケかもしれませんよ。そこで、日焼けとシミに関する疑問を掲げ、ウォブクリニック中目黒の髙瀬聡子先生を訪ねました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
A.シミになる期間は個人差がありますが、歳をとればとるほど早くシミになります

髙瀬聡子先生(以下先生) まずひと口にシミと言っても原因や種類はさまざまです。皆さんが一般的にイメージするシミは「老人性色素斑」。紫外線が原因ででき、茶褐色で境界がはっきりしています。またニキビや傷などによるかぶれが治ったあとに生じる「炎症後色素沈着」もシミの一種です。
3歳頃から発症して思春期に顕著になるのが「雀卵斑」。いわゆる「ソバカス」ですね。米粒大のシミが鼻まわりや頬などに散らばります。紫外線によって色が濃くなることはありますが、基本的に遺伝的な要因が大きいです。
── シミができるメカニズムを教えてください。
先生 皮膚は表皮と真皮の2層で構成されています。紫外線を浴びると表皮の一番下にある表皮基底層のメラノサイトという細胞に指令が伝わり、メラニン色素が生成されます。
メラニンは、表皮細胞のケラチノサイトに留まって、紫外線から肌を守る働きをします。ケラチノサイトは分裂しながら、約28日かけて徐々に肌表面に押し出されていき、最後は角質になってはがれ落ちます。これがいわゆるターンオーバーです。
それがシミになります。40代、50代になるとターンオーバーの周期が遅くなるので、メラニン色素が溜まりやすくシミが目立ってくるようになります。
── 日焼けは10年後にシミになると聞きますが、本当ですか?
先生 これまで浴びた紫外線の量や生活習慣、ターンオーバーの周期によって違うので個人差がありますね。ただし紫外線を浴びてからシミが出るまでのサイクルは、歳をとればとるほど早くなります。
またメラニン色素を作る“工場”であるメラノサイトは、一度シミができると活性化されてしまうので、たとえシミをクリニックで取ってもまた同じ場所にできやすい。やはりシミはできる前に予防するのが大切です。
先生 イボは病名ではなく、皮膚の断面から膨らんでいる形状のこと。さまざまな症状があるので、イボ=シミとは言えません。
老化症状として顔に出てくるシミは、「老人性色素斑」。最初は平らですが、ターンオーバーの周期が遅くなったりシミのまま放置して何年も経つと、角質が厚くなって膨らみ、「脂漏性角化症」という別の病名になります。この状態になるとイボの一種になります。
また、首にできやすいイボの「軟性繊維腫」や「アクロコルドン」は、シミではありませんが、顔のシミと同じく老化による症状ですね。

● 髙瀬聡子(たかせ・あきこ)
1995年東京慈恵会医科大学を卒業。同大学付属病院で皮膚科勤務を経て、2007年美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」を開院し、総院長を務める。日本美容皮膚科学会会員、日本皮膚科学会正会員。著書に「いちばんわかるスキンケアの教科書」(講談社)、「ゆる美容事典」(講談社)、「気になるパーツのスキンケア2週間速効メソッド」(宝島社)、近著に「お肌は最強の『バリア』です!美容皮膚科医が伝える、<病気>と<老化>を防ぐ肌を育てる方法」(晶文社)。

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