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2019.10.10

オヤジも1日5分の『筋肉体操』でカッコ良くなれるのか? 谷本道哉先生に聞いてみた

空前の筋トレブームを巻き起こした、NHKの5分間番組『みんなで筋肉体操』。この番組の仕掛け人で、“筋肉指導”を行った谷本道哉先生に、「筋肉体操」の極意とオヤジ世代に向けた体づくりのコツを伝授いただきました。

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写真/椙本裕子 文/井上真規子

▲谷本先生(右)と、筋肉アシスタントの村雨辰剛さん(左)
仕事に追われ、飲み会に追われ、ジムに行く時間も作れない!と嘆く多忙なオヤジさん。もう「忙しいから、お腹ポッコリは仕方ない」なんて言い訳はできませんよ!

いま、1日たったの5分で確実にマッチョになれるという、最強の筋トレが大ブームを巻き起こしているのです。その名も「筋肉体操」。2018年から3度にわたって放送されたNHKの5分間番組『みんなで筋肉体操』で、武田真治さん、村雨辰剛さんをはじめとした3人のマッチョなイケメンが筋肉アシスタントとして実演し、大きな注目を集めている最新の筋トレです。

考案したのは、近畿大学准教授の谷本道哉先生。効率的な筋トレを追い求めるべく、トレーニング科学を駆使し、研究を重ねてきたのだとか。今回はその「筋肉体操」がDVDブック化され(『みんなで筋肉体操』/ポプラ社刊)、いつでも実践できるようになったということで、谷本先生に多忙なオヤジさんに向けた体づくりの秘訣を伺いました。

筋トレは、どんなに忙しくても1日5分あればできる

「筋肉体操は、生理学、力学に基づいて効果を追求した効率重視の筋トレです。しかも、自重負荷(自分の体重)でできるので、5分あればいつでもどこでも鍛えられます。忙しいオヤジさんに最適ですよ!」

本当に1日5分でムキムキになれるの?と驚く人も多いはず。余分な脂肪を落とすには食事管理が必要ですが、筋肉を鍛えるだけなら短時間でも十分可能なのだとか。

「筋肉を最短距離で鍛える事を目的として5分で筋肉を限界まで追い込むため、内容はハードです。筋肉を疲労困憊の状態(オールアウト)にさせ、強い刺激を与える事で効率を上げています」

筋肉を肥大させるためには、筋肉に大きな力を加える「力学的刺激」と、乳酸などの蓄積により筋肉内の化学的環境を過酷にする「化学的刺激」というダブルの刺激が必要。筋肉体操のメニューは、そこをしっかり押さえています。

「体を深く下ろし切るフルレンジ、効率よく筋肉をパンプアップさせるノンロックスローなど、動作にいくつものテクニックを盛り込んでいるため、1日5分でも、2〜3カ月も続ければしっかりした筋肉がつきます。5分でも相当にきついですよ! 大切なのは自重筋トレで崩れがちなフォームを、しっかり守って最後まで手を抜かずにやりきること」
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「ハイボールは太らない」は都合の良い幻想。飲む量を半分に!

ちなみに筋トレだけでやせるというのは、ちょっと困難。全身をしっかりと鍛えれば100kcal程度は基礎代謝が上がるので、痩せやすくはなりますが、脂肪をガツンと落とすにはやっぱり食事管理が必要なのだとか。

「LEON世代がやせる栄養管理としては飲酒量を減らすのが手っ取り早いでしょう。飲む量を半分にすれば、体はすぐに変わります。アルコールしか含まないハイボールは太らない、なんてそんな都合のいい話はありませんよ。アルコールのカロリーは優先的に使われるからと言いますが、その間、本来使われるべき糖質脂肪は使われず余剰になります。熱になって放出されるとも言いますが、熱になるのは2割程度。また、アルコールは中性脂肪に変わりやすく内臓脂肪を増やします」

お酒を侮ってはダメなんです。でも、お酒はストレス解消や人付き合いにも欠かせない……と嘆くオヤジさんも多いはず。

「例えば、日々惰性でお酒を飲んでしまうという人は、特別な日の楽しみに飲む、というように飲み方の意識を変えてみてほしいんです。毎日飲みたいという人も、味わってゆっくり飲めば量も減らしやすくなります」

食事はそのままで、お酒を飲む量を減らすだけでしっかりやせられるのはうれしいですよね。お酒を飲む人はそれだけ痩せる伸びしろがあるとも言えそう。何より筋トレを習慣にすると、筋トレ自体がストレス解消になる、と谷本先生。

「それに体がカッコ良くなってくると意識も変わってきて、体に悪いことや太ることはしたくなくなってきます。いまここでケーキ3つ食べろと言われたら、僕にとっては拷問ですね(笑)」
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筋肉をつけることは、健康寿命に必須!

筋トレのモチベーションといえば、中年世代までは「カッコいい体になりたい!」という一心でしょうが、その努力は老後に大きな恩恵をもたらしてくれる、と谷本先生。

「人生100年時代に突入し、健康年齢を延ばすことが日本社会の命題になっています。高齢になった時、筋肉量で生活の質は大きく変わります。筋力が弱いと活動量が減って動脈血管系機能が下がり、死亡率や疾患の割合にも差がつきます」

筋肉の萎縮は中年世代から起こってくるので、オヤジさんに筋トレは必須なんだとか。

「30歳をすぎると、筋肉細胞は死滅を始めます。つまり、筋肉の数が減り続けていくんです。だから40〜50歳から筋トレを始めて、筋肉貯金をしておくべき。もちろん60歳、70歳からでも筋肉は増やせますが、できれば早くからのほうが良い。筋肉の貯金がどれだけあるかで、老後の筋肉量にも差が出てきます」

筋トレは自己満足ではなく、健康寿命を延ばすためにも大切なことなんですね。ちなみに健康を考えるなら、有酸素運動も同時にやるべきと谷本先生。

「筋肉が大切だからといって、筋トレで健康問題のすべてが解決するわけではありません。筋トレには筋トレのメリット、有酸素運動には有酸素運動のメリットがあります。筋肉を強く、大きくするには筋トレが最適ですが、中年世代にとって最も怖いメタボ系リスクを解消するのは、有酸素運動のような持久的な運動です。まずは日常の活動量を増やし、可能ならジョギングやサイクリングも行ってほしいですね」
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食事は、タンパク質と糖質をきちんと摂ること

では、筋トレの効果を最大限に生かす食事術とはなんなのでしょうか。

「筋肉の材料はタンパク質です。筋肉合成を促すためにも、筋トレをしたらタンパク質をしっかりとることが大切。特にタンパク質は朝食で不足しがちなので、朝からおかずを食べてください。難しければ、卵や流行りのギリシャヨーグルトがオススメ」

水切りされてタンパク質濃度が高くなっているギリシャヨーグルトは、筋トレ食に最適。昼食と夕食の感覚は長くなりがちなので、できれば間食でもタンパク質を摂るとよいそう。

そして、もう一つ重要なのが糖質です。糖質制限ブームで糖質が悪者として扱われがちですが、糖質は主要なエネルギー。極端にカットすると筋肉が分解される原因にもなるのだそう。

「もちろん糖質はとりすぎれば太ります。最近コンビニで売っている麦やこんにゃくを混ぜたおにぎりやごはんは、とっても優秀。糖質の吸収を緩やかにするため、脂肪になりにくいんです。血糖値を安定して保てるので、筋肉の分解も起こりにくくなります」

コンビニは、体づくりに最強のアイテムが揃っているので、ぜひ活用してみてください。

パンプアップはセックスよりも気持ちいい!?

「アーノルドシュワルツネッカーの『パンプアップはセックスよりも気持ちいい』という有名なセリフがあります。パンプアップとは、筋トレを限界まで行って筋肉に乳酸が溜まって水ぶくれを起こした状態のこと。

筋肉が限界だと知らせるために、ヒスタミンやプロスタグランジンなどの発痛物質を出し、痛みを感じさせるんです。それでも筋トレを続けると、今度は脳内で快楽物質のエンドルフィンが出て気持ちよくなってくるとされます。いわゆる、ランナーズハイのようなものです」

筋トレにハマる人は、その快楽状態に短時間で達することができルため、クセになるのだとか。ストレス解消どころか、気持ちよさまで味わえるなんて、一度は体感してみたくなりますよね……。

「それにパンプアップすると、筋肉が水ぶくれで10〜15%膨らみます。つまり一時的にですが、2〜3カ月筋トレを真剣にやった後のような筋肉になるんです。続けたらこんな体になれるんだ!と到達点を見ることができる。すると、また幸せ物質が分泌されてクセになる(笑)筋トレって、中毒性があるんです」

続けられない、ハードな運動は苦手、と嘆く前に、まずは1日5分、2カ月だけでいいから、全力で筋肉体操に取り組んでみいただきたい! モテる体になって、気持ちよくて、健康寿命も伸ばせる筋肉体操。気づいたらやめられなくなっているかもしれませんよ?
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◆ 筋肉アシスタント、村雨辰剛さんにも筋トレブームについて聞いてみた

今回は『みんなで筋肉体操』で筋肉アシスタントを務めるイケメン庭師の村雨辰剛さんにもお話を伺いました。村雨さんご自身はこの筋トレブームをどう捉えているのでしょう?

「今、日本でこれだけ筋トレが注目されているのは、海外の影響も大きくあると思います。インスタグラムなどのSNSによって海外の鍛えられた体の美しさが広く拡散されたり、努力した結果を重視する筋トレが成果主義を求める世間の流れの中で受け入れられやすくなってきたのじゃないでしょうか。

もちろん昔から、男性の鍛えられた体はカッコいいという意識はありましたが、最近は特に一般人もよりマッチョな男性体型を目指す人が増え、女性たちもただ痩せるのではなく、筋トレで引き締まった体になりたいと願いようになったように感じます。体の美しさの基準やカッコいいとされる男性像が変わりつつあるのではないですか。

ちなみに僕自身は、子供の頃痩せ型でコンプレックスがあり、もっと自信をつけたい!という想いから筋トレを始めました。周りから大きくなったねと言われるようになって、どんどんハマっていきましたね。

今は、大会にも出場していてそれに応じて体重を増やしたり、減らしたりしていますが、食生活はあまり厳しく管理しすぎず、糖質の量を調整するだけにしています。ただし、タンパク質と野菜は減らさず、きちんと摂るようにしています。

この『筋肉体操』を通じて、筋トレの正しい理解がより広まって、日本人が皆、もっとカッコ良くなるといいなと思います」

● 谷本道哉 (たにもとみちや)

1972年、静岡県出身。大阪大学工学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程終了。卒業後は国立栄養研究所や順天堂大で博士研究員を務め、平成25年から近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科准教授。公私ともに筋トレを愛し、極めてきた経験を生かし、筋トレ研究の第一人者となる。NHK『みんなで筋肉体操』筋肉指導担当。著書に『みんなで筋肉体操語録〜あと5秒しかできません!〜』(日経BP)など多数。

● 村雨辰剛 (むらさめたつまさ)

1988年、スウェーデン生まれ。高校時代に日本にホームステイをした後、19歳で日本に移住。23歳で日本古来の文化に携わる仕事をしたいという想いから、造園業に飛び込み、見習い庭師となる。26歳で日本国籍を取得し、村雨辰剛に改名。趣味は、筋トレ、肉体改造、盆栽。テレビ番組の「ZIP!」や「スッキリ!!」に出演し、注目を浴びる。著書に『僕は庭師になった』(kraken)。

「筋肉は裏切らない」でおなじみの「みんなで筋肉体操」が、シーズン1と2の16種目すべてを収録したDVD付きブックになりました。番組では伝えきれていない「筋肉体操」のスゴさや、トレーニングメニューの作り方、筋肉指導の谷本道哉先生による筋肉Q&Aや、筋力に自信のない方でも取り組めるように、全種目にレベルダウンのトレーニング方法も掲載。100分超の撮り下ろしお手本動画を収録したDVDを見ながら一緒に筋肉体操をし、本を読むことで細かい動きを確認し、より充実した筋トレライフが送れます。本体:1700円+税/ポプラ社刊

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