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2018.04.01

vol.46「Femme de bateau(バトー アオキ)」(鎌倉市)

自ら漁に出る女将の、シーフードが最高に美味しい小料理店

春の陽気に誘われてちょっぴり足を延ばすなら、湘南デートがオススメです。シリーズ第3回目にご紹介するのは、粋な女将が切り盛りする小料理店「バトーアオキ」。「シラスのピザ」をはじめ、春のシーフードメニューが目白押し!

CREDIT :

写真/中川 司

デートのお店選び、みなさんはいつもどうしていますか? ガイドブックや雑誌はもちろん、さまざまなグルメサイトまであって、今やニッポンはレストランの検索天国ですよね。とはいえ、「デートを成功させるためのお店」をきちんと探し出せる人ってきっと少ないはず。だって、複雑な女性の好みや心理状態を理解できないと恋を成就させるってムズカシイもの。

そこで、本誌LEONでYULI*YULIとして14年間にわたり、あらゆるジャンルのレストラン&バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南いたしましょう。

春は湘南でフレッシュな魚介に舌鼓! [Part 3]

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小さな小坪漁港にも春が訪れました。
桜シーズンも終盤に入り、いよいよ本格的な春が到来。暖かい陽気に誘われて、デートもちょっと足を延ばしたくなっちゃいますよね。そんなときは、都心からドライブで1時間ちょっとの湘南がオススメです。

ウィークデーは東京、週末は湘南と、7年前からデュアルライフを満喫している私だからこそ分かる、地元の人たちに愛される湘南レストランを3回にわたりご紹介します。

3軒のレストランの共通項は、逗子の“小坪漁港”で獲れる新鮮魚介を扱っているという点。東京では味わえない海の幸と、湘南特有のゆるりと流れる空気を、存分に楽しんでね!
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夜の帳が降りると、ディープな鎌倉が始まる

週末はいつも激混みの鎌倉。なかでも駅から八幡さまに向かう段葛と平行する小町通りの混みようと言ったら、都会の通勤ラッシュ並みです。でも、鎌倉でいちばん知名度が高い小町通りには、いわゆる観光客向けのお土産屋さんが立ち並んででいるから、それは仕方のないこと。

ところが夜の帳が降りると、そこからいきなりヒトが消えてしまうの。そして入れ替わるように、地元民たちがやってきます。そして、ポツポツと飲み屋さんが開店すると、鎌倉の深い夜の始まり、始まり!

ハイ、私も週末になると出没します。
バトー青木
「バトー アオキ」も、そんな地元民が集う小料理屋さん。鎌倉駅から小町通りに入って1本目の、クルマも入れない小道を曲がったところにあります。友人のご住職に連れて行ってもらったお店は、カウンターとテーブル1卓の小さなところですが、海好きのオーナー園子さんならではの海を感じさせるアートや小物がさりげなく飾られています。
バトー青木
テーブルには波模様のクロスが掛けられ、天井付近には魚のモビールが揺れています。なんだか和めるでしょ。ちなみに、このテーブルの上に置かれているワインは、その名も「キュヴェ ギョタク(魚拓)」。フランスのアルザス地方でお寿司に合うように作られているビオワインです。エチケットも魚拓入りで、園子さんらしいセレクトなの。
バトー青木
幼少期から湘南で育ったというオーナーの青木園子さん。9年間、由比ケ浜でお店を経営したあと、いまの場所に移られて既に3年が経ちました。実はお店を始められたころから、小坪漁港から漁に出ているパワフルな女将です。マダム然とした外見からはとても想像ができませんが。
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新鮮な海の幸をたっぷりと楽しめます!

お店の定休日、水曜と木曜は漁に出るという園子さん。ということは、コチラのお魚の鮮度と目利きの信頼度はマックスね! そして、女性ならではのキメ細やかなお料理も、常連客の胃袋をつかんで離さないのも納得です。美味しいうえにカラダにやさしい素材ばかりだから、安心して爆食いできちゃう(笑)!
バトー青木
お通しのメカブは春ならではの一品。白髪ネギ、生姜、胡麻がのっていて、自家製ポン酢でいただきます。ガラス器が涼やか。
バトー青木
「カルパッチョ」(2300円)
ヤリイカと生うにのカルパッチョは、鎌倉野菜やエディブル・フラワーがあしらわれていて、とっても彩り豊か。目にも鮮やかな一皿です。
バトー青木
「天ぷら」(1200円)
ハナダイとウドの天ぷら。ウドは葉先とつぼみの違いを楽しんでね。天つゆではなく沖縄の珊瑚ソルトでお召し上がりください。珊瑚の栄養素が含まれている塩は甘味があり、ウドの苦みと好相性なの。
バトー青木
「シラスのピザ」(1300円)
アンチョビとシラス、3種のチーズが濃厚な味わいのピザ。湘南らしいシラスのピザは、東京ではあまりお目にかからないはず。チーズは、モッツァレラ、グリュイエール、グラナ・パダーノです。薄くてサクサクの食感が病みつきに!
バトー青木
「イカスミのリゾット」(1800円)
コチラのリゾットの新鮮なイカスミを、ぜひ味わってみて。玄米で作っているという配慮が園子さんらしい一品です。トマトとワケギのスライスが黒に映えて食欲が増します。シーフードのピザやリゾットがあるのも嬉しいポイントね。
お酒はビオ系のワインを中心に、ウイスキー、ビール、日本酒、焼酎、梅酒等。お酒がついつい進むメニューばかりだから、その日の気分に合わせてどうぞ。
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自ら漁に出る女将の店だからこそ、地元ファンも多し

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園子さんが乗っている小坪漁港の船が、コチラの“かず丸”。小さな小坪漁港ですが、現在、約30の漁師小屋があるそうよ。
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園子さん直筆のメニューには、仕入れている船の名称も明記されています。自ら漁に出ているからこその配慮です。

地元民に愛される「バトー アオキ」は、予約は必須。いつも満席なので、侮ることなかれです。鎌倉のこの近辺のお店は、オーナー同士もお客さま同士もみんな仲良し。なので、食事のときにご一緒した方と、二軒目のバーでもバッタリ会う、なんてことも。狭い世界ゆえの密な鎌倉の夜を楽しめます。
 
せっかく鎌倉まで来たのに夕方には東京へ帰ってしまうなんて、もったいない! もうちょっと遅くまで、夜の鎌倉(略して“ヨルカマ”)を、ぜひ楽しんでね。どこかでお会いしたら、声をかけてください(笑)。
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■ Femme de bateau Aoki(バトー アオキ)

住所/神奈川県鎌倉市小町 1-5-9
営業時間/17:30〜22:00(L.O.)
定休/水・木曜

URL/https://www.facebook.com/Femme-de-bateau-Aoki

予約・お問い合わせ/☎︎0467-53-8339

●渡辺ゆり子

食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「オヤジのトキメキダイニング」でも長期連載中。2017年7月7日に、自身のバー「Champagne Bar LILI-LA-YULI」が10周年を迎えた。

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