2017.06.01
「え?」と言わせる意外なドライブ【1】ー八王子美食編ー
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文/秋山 都 撮影/菅野 祐二
ドライブの記事でなぜストックホルム症候群?と思われるでしょうが、長時間に及ぶクルマでの同乗は、もちろん無理じいじゃないにしても、どこかヒトを無抵抗にさせるという点で、類似点がありそう。
キャビアから蕎麦まで、幅広な持ちネタを披露
とはいえ、長時間拘禁、いや、同乗すればその分なびいてくれるのかといえばさにあらず。ものには適温、適量、適宜とすべて「ほどほど」な加減というものがあるわけで、ドライブにもいい塩梅の時間と、それに応じた行き先というものがあります。
というわけで八王子。ここは東京からおよそ50キロ、ユーミンの歌でも名高い中央フリーウエイに乗りまして40分程度でしょうか。さほど関係の深まっていない男女でも話題に事欠かない距離であります。
目指すは「八王子うかい亭」。八王子ICから降りてほど近くの、豪壮なお屋敷レストランです。エントランスに乗り付けるとドアマンがさっそうとドアを開けてくれ、キーを預かってくれるバレーパーキングはまるで海外の高級レストランのよう。
「じゃあ今から鉄板焼きなのね?」
そろそろ彼女が期待に輝かせた目でそうたずねてくるタイミングですが、「それはまたのお楽しみにね」とあなた。まだドライブは序の口ですが、早くも次回のデートコンテンツを具体的に提示できました。
ちなみにオシェトラ種のキャビアはベルーガに次ぐ粒の大きさで、コクのある塩味が特徴。20gで小さな缶ひとつ分ですから、ふたりならば20gオーバーをおすすめします。
さて、キャビアを堪能したら、そろそろ…
「え、もう行くの?」と彼女は名残惜しそう。
それはそうでしょうね。ここまで来てこのステーキを食べられないんですから。
さて、まだお腹は満たされていません。というより、キャビアの濃厚な旨味で空腹に火がついた? ということで向かうはこちら。
八王子ローカルにも大人気の蕎麦店「坐忘」です。平日の昼間でも行列必至の人気店ですが、予約できるので安心。
一般にツナギに小麦を2割ほど入れた蕎麦を二八そばといいますが、こちらは蕎麦粉1キロに対し1割のツナギを加えたトイチ(またの名を外一)蕎麦。蕎麦本来の香りや喉ごしを存分に味わえるのが魅力です。
そもそも宿場町として栄えてきた八王子にはおいしい蕎麦店が多いことでも有名。古くは高尾山で自然薯が採れたことからとろろ蕎麦が名物だったんだそうな。
ふと見ると、彼女もズルズル…夢中になって食べています。キャビアから手打ち蕎麦まで、あなた自身の人間の幅をおおいに見せつけた1日となったのではないでしょうか。初夏のドライブデート、首尾が上々であることを祈念して筆を置かせていただきます。
■八王子うかい亭
住所/東京都八王子市暁町2-14-6
営業時間/11:30~22:30(21:00 L)、ランチコースは15:00LO
定休日/火曜、水曜不定休、年末年始休
予約・お問い合わせ/☎042-626-1166
●ランチコース7,020円~、ランプステーキコース10,800円など
※キャビアはコースの前菜用に設けられたメニューであり、基本は鉄板料理のコースとなります。
※駐車場あり
■坐忘
住所/東京都八王子市千人町3-14-11
営業時間/11:30~15:00(売り切れ閉店)、17:00(土日祝17:30)~21:00 入店20時まで予約可能
定休日/水曜、木曜(月に一度) 駐車場あり
予約・お問い合わせ/☎042-661-2945
●平日のみ昼のコース2,600円、夜のコース4,000円