2017.08.17
いま、どうしても行きたい人が続出! 会員制“焼かない焼肉”店「29ON」の秘密
撮影/松川 真介

“低温調理”はいま肉業界で熱いキーワードのひとつ。これまでファインダイニング等でよく用いられる調理法でしたが、近年、肉業界で低温調理を導入している店が増えています。その筆頭と言えるのが「29ON」。なにせ肉メニューのすべてが低温調理により仕上げた料理なのです。昨年10月のオープンから会員申込が殺到し、この8月には本店が移転。さらなる話題を集めています。
ひと口めで惚れてしまう、ふんわ〜りした食感の肉が罪深い
「29ON」では、例えばサーロインは60度で6時間半、内蔵やタンの場合は63度で12時間じっくり加熱。部位ごとに温度を緻密に計算し、その様子はお肉屋さんでありラボのよう。気になるその味わいは……ひと言で表すとセクシー。だからときどき欲しくなってしまうのです。

そしてなんと言っても肉の舌触りが違う。低温調理されたサーロインは極めてしっとりし、口に入れると舌と一体化するような甘美さ。日本酒を追いかけて注ぎ込めば、けしからん体験が完成します。
日本酒がお肉をよりエッチに…、もとい美味しくします


「多種あるアミノ酸群のなかで肉と日本酒は同じ属性となるため、口に入れた時に相性がいいのです。噛みながら飲む口内調理を楽しんでほしいですね」と日本酒のセレクトを担当している高井さん。
「29ON」独自の調理法“ぎゅっとして”にも注目!
それらの肉を真空状態でパックに入れ、Anovaを設置した湯に投入。湯の中にただ放置というわけではなく、ときどき触診をして愛情込めて仕上げていきます。そしてヒレ肉など塊肉の火入れ後に行うのが、カットした断面を優しく指で押す、その名も“ぎゅっとして”という作業です。
「“ぎゅっとして”をすることで余計な脂が出て、肉の旨味を閉じこめることができます。軽いハグ状態ですね」と教えてくれたのは陽気なシェフの須賀大喜さん。
人も肉もハグが大事というわけですね。人もハグをされると毒素が出たりしますしね。この最後のひと手間が効いて、生に近い食感でかつ奥ゆきのある味わいの肉が完成。その肉は食べることにおいての舌触りの重要さも教えてくれ、食べている途中は少しドキドキする。火が通っているけれど赤みの強いピンク色で、視覚的にも惹かれることでしょう。
気になる「29ON」への行き方とは?

では、どうやったら「29ON」に行くことができるのか? もうこれは「29ONに行きたい!」と言い続けるしかない。筆者も先日とあるバーにて「29ON」の話をしていたら、たまたまバーの常連さんが会員でありました。その方は会員になったもののまだ店舗には行ったことがないらしく、「では、今度みんなで行こう!」という話に進展。そういう密かな肉ファンが潜伏していますので、外に出て遊ぶべし。
または、Facebook等のSNSで「29ON」に行ったことのある自分の友達を探してみましょう。Facebookの場合、まずは「29ON」を検索し、そこからチェックインしたことのある友達を探します。本人が会員でないにしろ何かのヒントはきっとある。旨い肉への道も一步から、です。
そうして、想い焦がれてついに口にする“焼かない焼肉”は、憧れのスターとの対面のごとき魅惑のひとときとなるはず。華を添えるのは厳選の銘酒の数々。じらされた分だけ、美味しいはずですよ。

◆ 29ON本店
住所/新宿エリア(詳細は非公開)
電話番号/非公開
営業/18:00〜23:00 日曜休
料金/コース 7000円〜
URL/http://29on.jp
●完全予約制