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2017.08.15

年間1頭しか食べられない!? 東京・希少な牛ランキング

天然記念物の見島牛、尾崎牛、土佐あかうし・・・人はなぜレアな牛を求めるのか。

文/秋山 都
写真/菅野 祐二
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人はそのチャンスをものにできないかもしれない、と思ったとき、そのチャンスをより貴重で価値の高いものだとみなす――これが希少性の原理です。たとえば、「こちら世界に300点しかない限定モデルなんですよ」「在庫は残り1点」「今日12時までのタイムセール中!」などなど、このチャンスを逃せばもう買えないのでは、と思ったら急に焦りだすのがそれ。その現象は牛肉の世界でも同様のようで、全世界どこにでもいる乳牛より、年間生産X頭の希少牛のほうが貴重で高価、また手間をかけて育てられているため肉質も優れているのは事実です。
そこで、希少な牛にこだわる店を生産頭数の少ない(*編集部調べ)順にランキング。「こんな希少なお肉食べたことない♡」と言われたら、「ぼくにとってキミがイチバンの希少価値だよ」と返してあげてくださいね。

年間生産なんと12頭!天然記念物の見島牛

◆ 小熊(銀座)

小熊(銀座)見島牛
希少な和牛を炭火でじっくりと焼き上げた品はコース中の一品。胡椒の塩漬けをのせてシンプルに味わう。
銀座・並木通りの小体なビル。「てんぷら近藤」「レディタン ザ・トトキ」など有名な高級店と軒を上下にする「小熊」は、北海道出身の料理長、小岩浩高さんによる懐石料理店。老舗和食店「京味」で修業しただけあって、吟味された素材を活かすお皿の数々は美しく、このお肉の焼き加減なんて…、アレ? 懐石なのにお肉ですか?

「場所柄、お肉がお好きな方も多く、強肴として出す和牛の炭火焼きがスペシャリテになりました。ただ高級店で多く使われる和牛のA5だとサシが多すぎて重いので、赤身のうまい牛を探していたら、どんどんレアな牛を扱うようになってきて…」と語る小岩料理長。
小熊(銀座)
銀座という場所柄、同伴やアフターなどの美女連れ、または個室での接待などに使われることが多い。
そのレアな牛とは、まず国の天然記念物である見島牛(年間生産12頭前後)、そして無角和牛(年間3~40頭)。どちらも筋繊維が細かいのでなめらかな脂肪が乗る和牛です。
「赤身がおいしいので和食としても相性がいいですね。生産頭数が少ないので交配、育成、肥育まで丁寧に愛情を持って育てられている。そこも食材としての魅力です」

天然記念物である見島牛を食べられるだけでラッキーですが、さらに運がよければ年間生産わずか1頭(!)という蔓牛(つるうし)に出会うことも。外来種との交配がなく、現在のブランド和牛の基礎ともいえる貴重な蔓牛はまさに和牛オブ和牛。食べる宝石をお楽しみください。
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◆ 小熊

住所/東京都中央区銀座5-5-13 坂口ビル3F
営業時間/12:00~14:30(L.O.13:00)、17:30~23:00(L.O.21:00)
予約・お問い合わせ/☎03-5537-7444

●夜のコース:無角和牛22,000円~、見島牛30,000円~

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年間生産300頭! 生産者の顔が見える尾崎牛

◆ SHIBUYA BED(渋谷)

お次は生産者の名前を冠した尾崎牛。その名の通り、宮崎市で肉用牛を生産する尾崎宗春氏が、抗生物質や保存料などが一切入ってない自家配合の餌を与え、30ヵ月以上長期肥育している牛です。やはり深い旨味のある赤身と、上質な脂のバランスがすばらしいと評されるこのお肉のおいしさを低温ローストでじっくりと引き出しているのが「SHIBUYA BED」であります。
尾崎牛の低温ロースト
尾崎牛の低温ロースト 200グラム 3,450円~
渋谷というヤングな街にありながら、カウンター14席のみのオトナ向けレストラン「SHIBUYA BED」。とくに決まったメニューはなく、その日のおすすめの食材をお客の好みで調理してくれるという、なんともジャジーな雰囲気が魅力。尾崎牛の低温ローストはスペシャリテとして登場するというからぜひリクエストしてみては。
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◆ SHIBUYA BED

住所/東京都渋谷区道玄坂2-23-13 渋谷デリタワー2F
営業時間/18:00~翌2:00(L.O.1:00)
定休日/日曜日
予約・お問い合わせ/☎03-3476-6120

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年間生産500頭の土佐あかうしをビステッカで

◆ VACCA ROSSA(赤坂)

〆を飾りますのは赤坂で極上ビステッカを供するイタリアンとして食通の間で話題を呼んでいるVACCA ROSSA。イタリア語でヴァッカは牝牛、ロッソは赤。ということでもうおわかりでしょう。ここでいただけるのは赤い牛、それも高知県産の土佐あかうしであります。土佐あかうしとは、日本の肉用牛である和牛4品種(黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種)のうち、高知県内でしか改良されていない褐毛和種・高知系の牛。年間生産およそ500頭と、今までの牛たちよりは多く生産されていますが、それでも全国の和牛生産量のわずか0.1%にしかすぎません。

またこの店名は赤身(ロッサ)の肉(ヴァッカ)という意味もかけているのだとか。とくれば、ここでいただけるもの、もうおわかりですよね。土佐あかうしの赤身のお肉です。
VACCA ROSSA(赤坂)土佐あかうし
あかうしと言っても、まさか赤い毛色というわけではありません。褐色の毛と短い角が特徴のかわいらしい牛です。
この土佐あかうしに惚れ込み、2013年のオープン当時からビステッカ(イタリアのビーフステーキ)として供しているのがVACCA ROSSAの渡邉雅之シェフ。
「主にナラの薪で火をおこし、肉をこまめに返して焼き色を重ねながら、約20分かけて焼き上げます。土佐あかうしは食感は軽く旨味が濃いのが特徴。また筋繊維が細く緻密なため、非常にジューシーです」
土佐あかうしのビステッカコース
土佐あかうしのビステッカコース(骨付き350グラム)¥16,000~
薪は強火ながら熱がやわらかく肉へ伝わり、肉の表面は乾かないので焼き上がりはふんわり。厚みのあるビステッカは口にいれると肉汁がほとばしるおいしさです。レア気味なのに中までしっかり火の通った焼き加減は、渡邉シェフがレアからウエルダンまでを20段階ほどに分け、その肉がもっともポテンシャルを発揮する焼き加減へ導いているのだそう。土佐あかうしへの愛情あふれたビステッカは、噛めば噛むほどおいしさの増す一枚です。
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◆ VACCA ROSSA

住所/東京都港区赤坂6-4-11 ドミエメロード 1F
営業時間/火〜金11:30〜14:00(L.O.13:00) 、 土12:00〜14:30(L.O.13:30) 、火~土18:00〜22:30(L.O.21:30)
定休日/日曜・祝日、月曜のランチ
予約・お問い合わせ/☎03-6435-5670

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