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2017.08.05

夏に燗? 暑いときこそ燗酒で健康に酔う?!

日本酒を温めて呑む、そう燗酒です。それをこの暑い季節にもオススメしているプロがいました。その理由とは?

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文/金関 亜紀
写真/金田 亮
汗ばむ夏はキンキンに冷やしたお酒が美味しい季節。
ですが、そんなときにこそ燗酒を!と提案するお店があるそう、はてさてその理由はいかに?!
そのお店というのがこちら、東高円寺の日本酒居酒屋、天★(てんせい)さんです。
ここではなんと、1年中燗酒をオススメしているそう。しかも夏酒すら燗にするという徹底ぶり。
店主、早坂登志男さんに詳しくお話を伺ってみましょう。

夏バテも治る!?燗酒の実力って?

「日本酒は奥深いもの。どんなタブーもない」という理念を掲げて店に立つ、早坂登志男さんが、一年を通して推奨しているのがそう、日本酒の燗。

「昔から暑いときには温かいものを食せといわれています。自分はそれがお燗の基本だと思っています。夏に燗酒ってどうなのですか?とよく質問されるのですが、夏の体調不良の一番の原因は冷えによる夏バテ。冷房や冷たいものの取り過ぎで内臓の動きが鈍くなり、身体が怠くなったりしている方が多いんです。一度冷えた身体はすぐには元に戻りません。だから自分は日本酒のお燗をお客さまに薦めているんです」。
燗が自分好みの程よい温度になるまでの待つ、あの焦らされっぷりはなんともいえない楽しみ(笑)一度経験するとハマるはず?
早坂さんは修行時代、寝る間もなく働き不健康な生活サイクルを送っていたそう。毎日疲労感が抜けず、身体も限界になったあるとき、目の前で温めていた日本酒を飲んだところ……。

「どんな薬や栄養ドリンクを飲んでも胃が重く調子が悪かったのに、燗酒を飲んだとたんに胃や内臓が急に活動し始めたんです。これはもしかすると健康にいいんじゃないか? と思い、それから毎日、燗酒を飲むようにしたんです。するとあれほど蓄積していた疲労がいつの間にか解消し、疲れ知らずになっていた。そうして、燗酒の可能性を強く感じるようになったんです」

江戸時代に発行された『養生訓*』にも「酒は夏月も温るなるべし。冷飲は脾胃を破る」という記述があり、昔から冷たいものの取りすぎには注意せよ、といわれてきました。早坂さんも実践を通して、温かいもの、それも体温に近いほど身体への負担が減り体力が消耗されにくいということを知ったそうです。
*養生訓 正徳2年、福岡藩の儒学者、貝原益軒によって書かれた健康について書かれた指南書。
「燗酒が苦手な人は温かくした時に香るアルコール感がダメだという人が多い。そういう時は、飲む器を平杯など、口が大きな酒器に変えるだけで、ツンツンしたアルコール感が抜けるので、かなり燗酒の印象が変わるはず」

二日酔い防止にもいい。デキる大人は燗を嗜むべし?

体温に近い温度というのはメリットがいくつかあります。

「体内でのアルコール分解は、実は体温と同じくらいにならないと始まりません。冷たいものを摂取すると身体の中ではそれが体温と同じ温度に上がるまで停留していることになります。冷酒は後から酔いが来るというのはこのタイムラグが原因。飲んでいる最中は酔いに気づかず、ついつい飲みすぎてしまうということに。でも燗酒はほぼ体温と同じ温度のため、飲んですぐにアルコール分解が始まります。そのため、飲んでいるうちから酔いが回りますが、実は酒が抜けるのも早い。すでに酔っている状態なので、飲みすぎないように自然と心がけますしね。燗酒が身体にいいといわれるのには、こうした理由があるからなんです」

二日酔いで次の日の仕事に支障をきたすのは社会人としてあってはならぬこと。仕事も遊びもスマートにこなしたい人にとって、燗酒はとってもありがたいものなんです。
度数の低い夏酒こそ実は燗酒向き。夏の暑さで体力を消耗して食欲がないときなどは、13、14度と度数が低いだけで身体への負担も少なくなりますからぜひチャレンジを。

日本酒にタブーも失敗もない、自分好みの温度を探すだけ。

そんな燗酒、自宅で燗をするときのコツも聞いてみました。

「日本酒は懐の深いもの。難しいセオリーやタブーはありません。燗つけは好きな温度にあげたらいいだけ。あえていうなら面倒くさがらずに、きちんと湯煎するひと手間をかけるくらいです。専用の酒燗器がないから無理ということもなく、お湯を張った大きな丼に、お酒を入れた徳利をつけるだけでいいんですよ」

確かにこれなら手持ちの器で簡単に燗酒を作ることができそうですね。

「燗酒はその人の好みの温度で楽しむ飲み方です。カンカンに熱くし、冷ましながら飲む“燗冷まし”や、自分の体温くらいで飲む“人肌燗”など様々。こうしなきゃいけないというルールはありません。自分の好きな温度を見つける楽しみ。それが燗酒の醍醐味です」

お店の常連客の中には早坂さんの燗酒LOVEの世界にぞっこんという人も多いとか。「これからもおいしい燗酒をつけていきたい。健康的においしく酔える。それが一番」と語る早坂さんは、今日も最高の燗酒をつけてお店に立っています。

◆ 天★(てんせい)

場所/東京都杉並区梅里1-21-17
営業時間/18:00~24:00(L.O.23:00)
定休日/不定休
お問い合わせ/☎03-3311-0548

●要予約

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