2017.10.20
雨の日にはオトコの手料理でフルコース!【2】野菜たっぷりパスタ
- CREDIT :
文/小林 保(都恋堂) 撮影/中田陽子(MAETTICO) 調理/芝原健太
イマドキの女性たちは高級レストランの食事ぐらいでは驚きません。男性を失望させないように「おいしい〜」と喜びの声をあげるかもしれませんが、意外性やサプライズを感じることは、そうないはず。
しかし、あなたが自宅でイタリアンのフルコースを作って見せたなら…。こんなサプライズはないでしょう。そこで、東京・神宮前のイタリア料理店『iCas storia(イカス ストーリア)』の若きシェフ・芝原健太氏に、調理の難易度はやや低めだけれど、それを感じさせない豪華さとサプライズのあるフルコースメニューを提案いただきました。
第1回のアンティパストに続く第2回目は、イタリアンの定番であるパスタ。自宅でパスタ作りに勤しむ男性は少なくないと思いますが、今回紹介するのは、かなりの変わり種。調理中の室内がレモンの香りで満たされるほど芳醇なレモンオイルパスタです。しかも野菜をたっぷり摂れるヘルシーな逸品。パスタ好きの女性も、これにはサプライズ!
続く第3回目では、セコンド・ピアットとデザートをご紹介するので、そちらもお見逃しなく。
「野菜まみれのレモンオイルパスタ」
【材料/2人前】
乾燥スパゲティ(1.7mm)100g、ニンニク 1カケ、カリフラワー 1個、レモン皮 1個分、バジル葉 10枚、塩、黒胡椒、他の料理で残った野菜
プリモ・ピアットは、定番のパスタ。ただし、ポイントは冷蔵庫にある野菜、あるいは他の料理を作る際に余った野菜を使う点。特別に用意した感じを与えないことで、デキる男を演出したい。
このパスタは、料理名にあるようにレモンオイルが決め手となります。野菜とパスタ麺にレモンとニンニクの香りをなじませることで、お店ではお目にかかれないような爽やかな柑橘系の香りが立ち、野菜のソースで炊き上げるパスタが出来上がります。野菜とパスタが絡むように片手でフライパンを振る姿は調理中の男前ポイントです。
【調理方法】
①パスタを茹でるため寸胴鍋に、大さじ3杯の塩を入れてお湯を沸かす。この鍋でカリフラワーを軽く茹でる。
②ニンニクを包丁の腹で潰す。パプリカはタテに半分カットしてタネを取り、さらに1㎝幅でカットする。カリフラワーは女性が食べやすいサイズにカット。レモンの皮を2㎝幅でタテに3枚カットする。
③フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、弱火で炒める。そこに②のレモンの皮を入れ、レモンの香りが立ったら火を止める。
④火を止めている状態のフライパンにカリフラワー、パプリカを入れて火をつけ、塩を振る。パプリカが少ししなっとなるまで炒め、途中でパスタの茹で汁(180cc程度)と砂糖(三温糖かきび砂糖ならなお良い)をひとつまみ入れ、さらに炒める。
⑤茹でたパスタ麺を④のフライパンに入れる。ここも重要なポイントとなるが、パスタ麺を茹でる時間は規定の60%程度で。規定の茹で時間が9分なら5分半程度。パスタ麺の角が立っている状態でOK。残りの茹で時間はフライパンの上でソースと一緒に炊き上げ(茹でて)、補うイメージ。もし水分が足りなくなったなら、茹で汁を加える。1分ほど茹でたところでフライパンからレモンの皮を取り出し、ときどきフライパンを振りながらかき混ぜる。
⑥パスタの角がとれたら、残っている野菜を足して味を確認。味が整っていたなら最後の仕上げとして、フライパンを振りながらオリーブオイルをかけ、かき混ぜて乳化させる。これによってパスタと野菜がオリーブオイルでコーティングされます。
⑦皿に盛り付けたなら、飾りにバジルを載せ、上からすりおろしたレモンの皮とオリーブオイルをかけて完成です。
《モテ❤ポイント》
調理の見せどころ満載の料理ですが、皿への盛りつけ方もポイント。おたまの上でフォークをくるくるっと回してパスタ麺を丸く集め、プロっぽさを演出します。また、パスタ麺を丸めることで盛りつけも美しくなります。フライパンを振るときの大胆さ、盛りつけ時に見せる繊細さといったギャップが、女性のハートをくすぐる……❤︎と信じたいものです。
完成❤︎
■iCas storia
■ iCas storia
URL/https://www.icas.jp.net
お問い合わせ/☎03-5785-1248
● 芝原健太(しばはら・けんた)/『iCas storia(イカス ストーリア)』シェフ
1987年、京都府生まれ。京都の老舗リストランテやホテル、イタリアの星付きリストランテで修行後、京都と大阪のリストランテの料理長を経て、『iCas storia』のシェフに就任。