赤い照明とアンティーク家具が艶っぽい❤ 大人の老舗バー

デートのお店選び、みなさんはいつもどうしていますか？ガイドブックや雑誌はもちろん、さまざまなグルメサイトまであって、今やニッポンはレストランの検索天国ですよね。とはいえ、「デートを成功させるためのお店」をきちんと探し出せる人ってきっと少ないはず。だって、複雑な女性の好みや心理状態を理解できないと恋を成就させるってムズカシイもの。そこで、本誌LEONでYULI*YULIとして14年間にわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南いたしましょう。

撮影／福本和洋（マエティコ）

一回目のデートでは決して行ってはいけません❤　Part 3

今週も“真っ暗バー”をご紹介します。22年目に突入する老舗の「ル・バー」は、まさにその元祖！このお店にお世話になった方も多いのではないかしら？私も、食後の二軒目に「ル・バー行かない？」なんて誘われると、ドキドキしたものです❤ 大好きな人以外は、下心を疑っちゃったけど（笑）。

“Le Bar”という青いネオンサインが目印のコチラ、表通りから中をまったくうかがい知ることができませんが、レトロなガラス戸を開けば、昔と変わらない薄暗く妖しげな空間が広がります。

段々目が慣れてくると、カウンター奥の窓越しに広がるグリーンブルーにライトアップされた樹々が見えてきて、まるで闇夜の森の中に迷い込んだかのよう。この樹々は桜で、春になると「ル・バー」のカウンター席は夜桜鑑賞を楽しむお客さんでいっぱいになるんです。

暗闇とアール・ヌーヴォーの家具がつくり出す異次元の世界へ

エミール・ガレのアンティーク家具と赤い光を放つランプがなんとも妖しい世界観をつくり出すの。

絵が飾られたコーナーも。５つのソファ席は趣が異なるから、来るたびにどこにしようか迷っちゃう。

実はコチラ、かつてのオーナーがアール・ヌーヴォーのアンティークギャラリーとして所有していたので、店内には高名なエミール・ガレの希少なランプや家具があちらこちらに惜しげもなく飾られています。そういった芸術品がわずかな照明のなかで浮かび上がり、ムードを盛り上げてくれるの❤︎

席は何種類もあって、来るたびに違う場所を選んでみるのもいいわね。初めてなら、ライトアップが楽しめるカウンターがオススメ。カーテンで仕切られた窓側のいちばん怪しいV.I.P.席は、決めのデートで使ってみて。

そして、アール・ヌーヴォーでコーディネイトされたソファ席が５つあって、衝立や背の高い植木で半個室のように仕切られているから、まったりとプライベートな時間を過ごせます。B.G.M.のフレンチ・ミュージックがさらに異国情緒を盛り上げ、時間が経つのを忘れてしまいそう。

もちろんシャンパーニュの乾杯がぴったりな雰囲気だけれど、モヒートや季節のフローズン・マルガリータも人気です。リゾットやピザなど軽食もオーダーできるので、お腹を満たしながら飲むこともOK。

ついついお酒が進んで長い夜はどこまでも続くような錯覚に陥るかもしれません。朝の5時閉店ですが、できれば明るくなる前に帰りましょうね。

だって、真っ暗な別世界からいきなり現実に引き戻されて、せっかくロマンティックな時間が台無しですから。

■　Le Bar(ル・バー)

Le Bar(ル・バー)

住所／東京都港区南麻布 4-13-9
営業時間／19:00〜翌5:00
席種／カウンター８席、ソファコーナー・V.I.P.用個室は２〜10人収容可
URL／www.lebartokyo.com
予約・お問い合わせ／☎03-3446-8838

●席料：カウンター2000円、ソファ2500円、V.I.P.用個室5000円、シャンパン(ヴーヴ・クリコイエロー・ラベル／グラス)2300円、シャンパンモヒート2500円、フローズンダイキリ1800円ほか

●渡辺ゆり子

食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「オヤジのトキメキダイニング」でも長期連載中。2017年7月７日に、自身のバー「Champagne Bar LILI-LA-YULI」が10周年を迎えた。