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2021.01.06

バーボンとスコッチの違い、言えますか?

知ってるようで知らない酒、バーボン。そもそも、スコッチとどう違う? バーボン専門バー「Bar Liquid Ruby」オーナーバーテンダー向山直孝さんに教えを乞いました。

CREDIT :

文/秋山 都 写真/吉澤健太

▲Bar Liquid Ruby(新宿)にて向山直孝さん。
映画『キングスマン・ゴールデン・サークル』(2018年)では、英国のスパイたちキングスマンがスコッチウイスキーしか飲まないのに対し、同盟を結んだ米国のステイツマンはもっぱらバーボンを飲む姿が印象的でした。
イギリス人はスコッチ、アメリカ人はバーボン。そのイメージはあるものの、そもそも両者の違いが何か、明確に語れる人がどのくらいいるでしょうか? 都内でも珍しいバーボン専門のバー「Bar Liquid Ruby」オーナーバーテンダーの向山直孝さんに、直球の質問をぶつけました。

向山さん、バーボンってなんだっけ?

「では、基本的なことから。まず産地と原料が違います。つまり、バーボンは、世界5大ウイスキーのひとつであるアメリカンウイスキーの一種で、主な産地はケンタッキー州。原料の51%以上をトウモロコシが占めている必要があります。スコッチは、ご存知、スコットランドのウイスキーですよね。

次に製法も違います。スコッチ、とくに大麦麦芽を使用するモルトウイスキーの場合には単式蒸留を2回繰り返す決まりですが、バーボンは不純物を除去して効率よくアルコール度数を高める連続式蒸留。

その後の熟成についても、スコッチがワインやシェリー、バーボンを熟成させた使用済みの樽を使って寝かせるのに対し、バーボンはアメリカンオークの新樽の中をバーナーで焙って焦がしてから使用します。

全然違うでしょ? このような製法のおかげで、バーボンは樽の焦がした風味をまとい、ほのかに甘い味わいが特長的なんです。シガーの香りとも似ているので、シガーとバーボンを両方愛好する方も多いですよね。

ちょっと男くさい雰囲気もあるのか、日本では松田優作さんが愛飲したことでも知られています」

では、向山さんおすすめのバーボン、飲み方とともにご紹介いただきましょう。
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◆WILD TURKEY MASTER'S KEEP BOTTLED IN BOND

▲「ワイルドターキー マスターズ・キープ ボトルド・イン・ボンド」2600円
「バーボンの代表的な銘柄ともいえるワイルドターキー。七面鳥のイラストが描かれていることでもおなじみですよね。

この七面鳥がレリーフ(浮き彫り)になっているボトルは、2015年にマスターディスティラーへ就任したエディー・ラッセルと、父のジミー・ラッセルが厳選してブレンドした『マスターズ・キープ』の証。なかでもこのボトルは、伝統的なボトルド・イン・ボンド法にのっとってつくられ、バーボンとしては長く17年も熟成されています。

1年に6000本ほどしか生産されない、非常にレアで貴重なバーボンですし、この熟成によるまろやかな味わいを堪能するなら、やはりストレートがおすすめ。手元で花開く、ゆったりとした時間を楽しんでください」

「次は水割りで楽しんでいただきましょうか」という向山さん。おもむろにブランデーグラスにバーボンを注ぎ、クルクルとスワリングしはじめました。

「バーボンはアルコール感も高く、いきなり水を加えてもスムーズな飲み心地にならないような気がして。こうして、よくスワリングして空気を含ませ、開かせたバーボンにゆっくり水を加えることで、なめらかな味わいを楽しめるんです」

そんな丁寧につくられたバーボンの水割り、飲んでみたい!

◆WILD TURKEY RUSSEL'S RESERVE

「おすすめしますのは、やはりワイルドターキーの『ラッセルズ・リザーブ』。さきほどお話ししたマスター・ディスティラーのエディ・ラッセルが、『バーボンは10年熟成した時がひとつのピークである』と10年物のリリースを父のジミーに提案して生まれた、いわばラッセル親子渾身の一本。えぐみが少ないので、水割りのほかソーダ割でもおすすめです」
▲「ワイル・ターキー ラッセルズ・リザーブ」1100円
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▲アシンメトリーなヘアスタイルがトレードマークの向山直孝さん
さて、向山さんがオーナーバーテンダーを務める「Bar Liquid Ruby」。1920年代のアメリカ、禁酒法下のSpeak Easy(隠れて営業していた酒場)をコンセプトにしているだけあって、バーボンのコレクションはおよそ300種! 初心者から、バーボンの愛好家まで、どんな質問にも答えてもらえる、頼れるエキスパートです。

さて、ほかにも向山さんおすすめのバーボンとその飲み方、どんどん行きましょう!

◆JIM BEAM SIGNATURE CRAFT

▲ジムビーム シグネチャー・クラフト1100円
「世界市場の約4割を担っているジムビームもまた、人気のある銘柄です。スパニッシュブランデーの樽でフィニッシュしているこの『シグネチャー・クラフト』は1:2の割合で濃いめのソーダ割りに。シナモンやバニラを思わせる樽の香りが、ソーダで引き立てられておいしいでしょ? 食前にもおすすめの一杯です」

◆WOODFORD RESERVE DOUBLE OAKED

▲ウッドフォードリザーブをベースに使用したカクテル「マンハッタン」
「ケンタッキー州といえば、有名なのがケンタッキー・ダービー(競馬)です。『ウッドフォードリザーブ』はケンタッキーダービーのオフィシャルドリンクとしても有名なプレミアムバーボン。バーボンでは唯一となる単式蒸留器を使用し、蒸留を3回繰り返してつくられています。

コクがありながら非常にフルーティーなので、カクテルベースとしても美味。なかでもこの『ウッドフォードリザーブ ダブルオークド』は、いったん熟成を終えた『ウッドフォードリザーブ』をオリジナルのホワイトオーク樽でもう一度熟成させています。濃い琥珀色にキャラメルやフルーツの豊かな香り、まろやかな口当たりとバニラやヘーゼルナッツ・・・・・・深みのある味わいが楽しめるマンハッタン、冬の夜にぴったりですよ」

Bar Liquid Ruby

住所/ 東京都新宿区西新宿7-1-4 ゼンコウビル 3F
電話/ 03-6908-6664
営業時間/18:00~翌3:00(1月11日までは~22:00)
     *営業時間は変わる可能性があります。
定休/日曜
チャージ/500円

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