2026.07.14
ホテルは、土地の物語を味わう場所へ。「ザ・リッツ・カールトン」が日本の食文化を巡る美食イベントを開催
全国6つのザ・リッツ・カールトンで開催されるガストロノミーイベント「FLAVORS IN TRANSIT 旅する味 2026」を通して、日光、東京、京都、大阪、福岡、沖縄、それぞれの土地ならではの食文化と、美食の新たな旅の楽しみ方をご紹介します。
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文・編集/秋山 都(WebLEON)
かつてホテルの魅力といえば、快適な客室、行き届いたサービス、非日常を演出する食事などが挙げられました。もちろん、それは今も変わりません。でも最近は、それだけではなく、その土地でしか出会えない文化や人、風景や食を体験できることが、新たな価値になりつつあるようです。なかでも、その土地をもっとも深く知ることができる「食」にフォーカスをあてた、ガストロノミーツーリズムが脚光を浴びています。
全国6つの「ザ・リッツ・カールトン」で開催中
「FLAVORS IN TRANSIT 旅する味 2026」

▲ 日本国内の6軒の「ザ・リッツ・カールトン」による美食体験「FLAVORS IN TRANSIT 旅する味2026」は8月31日(金)までの期間限定で開催中。
そんな新しい旅のあり方を体現するイベント「FLAVORS IN TRANSIT 旅する味 2026」が、7月1日から8月31日まで、全国6つの「ザ・リッツ・カールトン」で開催されています(ホテルにより開催期間は異なる)。テーマは「生産者からシェフへ。想いを受け継ぐ一皿と出会う旅」。日光、東京、京都、大阪、福岡、沖縄、それぞれのホテルが地域の農家や漁師、醸造家、職人たちと連携し、その土地ならではの食材を使った特別メニューを提供します。
南北に長い日本は、土地が変われば気候も風土も、育まれる食材や食文化も大きく異なります。今回のイベントでは、全国に広がる6つのホテルを舞台に、それぞれの地域の個性が料理で表現されます。では6つの「ザ・リッツ・カールトン」を北から順にご紹介してまいりましょう。
「ザ・リッツ・カールトン日光」
テーマは、「奥日光の夏」。ガストロノミーレストラン「レークハウス」では、和歌山の名店「villa aida」のオーナーシェフ・小林寛司氏が監修を務め、奥日光の自然が育んだ食材を主役にした特別コース「Season」を提供します。
コースには、栃木県のブランド魚・頂鱒(いただきます)やサステナブルフィッシュ、とちぎ霧降高原牛をはじめ、地元で採れたピーマンやズッキーニ、ナスなどの夏野菜を使用。さらにオマール海老やハモンイベリコなどを組み合わせることで、土地の恵みをラグジュアリーな一ひと皿へと昇華させています。アラカルトでは、日光あおぞら農園の野菜やNANTAIファームの卵を使ったリゾットも登場。奥日光の豊かな風土をより身近に味わうことができます。
「Season」(ザ・リッツ・カールトン日光)
開催期間/2026年7月1日(水)~8月31日(月)
時間/17:00~22:00(L.O.20:30)
会場/ガストロノミーレストラン「レークハウス」
料金/7品のディナーコース2万4000円(税・サ込) 、ワインペアリング+1万7000円(税・サ込)
予約・問い合わせ/0288-25-5776(レストラン予約直通)
「ザ・リッツ・カールトン東京」
「ザ・リッツ・カールトン東京」が提案するのは、日本各地の食材を一度に味わう"美食の旅"です。45階のレストラン「タワーズ」で提供される特別コース「Treasures of Japan」は、副総料理長・中野琢治氏が全国を巡って出会った生産者たちの想いを、ひと皿ひと皿に映し出した全5品のディナーコース。北海道から熊本まで、その土地の風土が育んだ"宝物"を、フレンチの技法で洗練された料理へと仕上げます。
食材は、函館・村上商店の無添加雲丹や昆布漁師ジュンヤ・オカヤマ氏の昆布、マルヒラ川村水産の甘海老、つるの農園のグリーンアスパラガス、龍神丸のアイナメ、高知県のつのちく土佐和牛が育てる土佐あかうしや銀象塩、健米農園の米、さらに熊本・杉養蜂園の蜂蜜……日本各地の名産地から厳選。料理に寄り添うワインには、栃木県のココ・ファーム・ワイナリーを合わせ、日本各地のテロワールを一つのコースで巡るような体験を演出します。
このコースを手掛けるのは、「タワーズ」副総料理長の中野琢治さん。単に名産品を集めるのではなく、自ら生産地へ足を運び、作り手の哲学や土地の物語に触れたうえでメニューを構成しています。東京という日本の玄関口だからこそ実現した、日本各地の生産者と料理人をつなぐガストロノミー。その名の通り、日本の"宝物"を再発見する美食体験といえるでしょう。
「Treasures of Japan」(ザ・リッツ・カールトン東京)
開催期間/2026年7月2日(木)~7月31日(金)
時間/17:30~21:00(ラストオーダー)
会場/ビストロノミー「タワーズ」(45階)
内容/5品のディナーコース「Treasures of Japan」
料金/3万3000円(ワインペアリング付き/税・サ込)
予約・問い合わせ/03-6434-8711
「ザ・リッツ・カールトン京都」
京都のテーマは、夏の風物詩である鱧と、京の大地が育む伝統野菜。日本料理「会席 水暉」では、「雅路(みやびのみち)」と題した期間限定の特別会席を提供します。京都のヤマダファームで育てられた夏野菜と、旬を迎えた鱧を主役に、京都の夏の豊かな味覚が一皿一皿に映し出されています。
タッグを組むヤマダファームは、1830年創業。京都在来種の保存や自家採種に取り組みながら、何十年にもわたり化学農薬や化学肥料を使わない循環型農業を実践してきた農園です。「会席 水暉」の副料理長・岡本亮さんは実際に農園へ足を運び、生産者の思いに触れたうえで、とうもろこしやヤングコーン、ズッキーニ、万願寺唐辛子といった旬の野菜を厳選。それらを京都の夏に欠かせない鱧と組み合わせ、季節感あふれる会席へと仕立てています。
華やかな技巧を競うのではなく、生産者が丹精込めて育てた野菜本来の生命力を引き出すことに重きを置いた料理の数々。京都ならではの伝統食材と、生産者の哲学、料理人の技が重なり合うことで、古都の夏を五感で味わう食体験が完成します。
「雅路」(ザ・リッツ・カールトン京都)
「ザ・リッツ・カールトン大阪」
大阪が掲げたテーマは、「自然と発酵」。中国料理「香桃」では、料理長・皆上敬司さんが、関西の生産者が育んだ食材と日本の発酵文化を融合させた特別コースを提供します。中国料理の技法をベースにしながら、自然農や酒、麹といった日本ならではの食文化を取り入れた、今回のイベントならではの意欲作です。
タッグを組むのは、「耕さない」「農薬や肥料を持ち込まない」「草や虫を敵としない」という自然農を実践する神戸市のさんぽん農園、1751年創業の酒蔵である神戸酒心館、そして360年以上の歴史を誇る京都の種麹店の菱六もやし。自然農で育てられた小麦や米、日本酒「福寿」、酒粕、米麹といった素材を用い、「さんぽん農園」の小麦粉と「菱六もやし」の米麹で作る点心や、「福寿」の酒粕に漬けた大阪河内鴨のロースト、「福寿」純米吟醸と酒粕のソースなど、発酵の旨味を生かした料理へと昇華しています。
「Nature and Fermentation ~自然と発酵~」(ザ・リッツ・カールトン大阪)
開催期間/7月1日(水)~8月31日(月)
会場/中国料理「香桃」
時間/ランチ11:30〜15:00 、ディナー17:30〜21:30、金・土17:30〜22:00
料金/3万3000円(税・サ込)
予約・問い合わせ/前日20:00までの要予約。06-6343-7020(レストラン予約)
「ザ・リッツ・カールトン福岡」
福岡が描くのは、九州というひとつの食文化圏を巡るガストロノミーの旅です。モダンウェスタンレストラン「Viridis(ヴィリディス)」では、「Flavors of Kyushu」と題した7皿のディナーコースを提供。料理長・山中賢二さんが、九州各県を巡って出会った生産者たちの食材をもとに、土地の風土や文化、そして発酵の知恵を7皿のコースへとまとめ上げています。
コースは、福岡県八女産の茶葉を使ったアミューズからスタート。九州産の牡蠣、酒粕でマリネした魚料理へと続き、メインには鹿児島県が誇るブランド和牛「野崎牛」が登場します。さらに、宮崎キャビアや長崎県産バニラなど、九州各地を代表する食材を織り交ぜながら、各地域に受け継がれてきた発酵文化も巧みに取り入れ、土地の個性を映し出します。ひと皿ごとに九州を旅するように、異なる風景や物語と出会える美食体験です。
「Flavors of Kyushu」(ザ・リッツ・カールトン福岡)
開催期間/7月1日(水)~8月31日(月)
時間/ディナー 17:00~22:00(L.O.21:00)
会場/モダンウェスタンレストラン「Viridis(ヴィリディス)」
料金/2万5000円(税・サ込)
予約・問い合わせ/092-401-8882(レストラン予約)
「ザ・リッツ・カールトン沖縄」
6つのホテルの締めくくりを飾る沖縄は、豊かな島の食文化を鉄板焼で表現します。7月17日にリニューアルオープンする鉄板焼「喜瀬」では、沖縄県産食材への探求をさらに深めた特別コースを提供。ゴーヤやジーマミー、ラフテー、県産黒毛和牛など、沖縄を代表する食材や郷土料理を、ラグジュアリーな鉄板焼へと昇華させています。
コースは、ゴーヤのガスパチョに長命草オイルと県産ヨーグルトを合わせた爽やかな前菜からスタート。続いて、沖縄名物・ジーマミー豆腐を目の前で仕上げ、泡盛と島胡椒「ピパーチ」を効かせたラフテーを割包(グアバオ)で味わいます。さらに県産魚の旨味を凝縮したスープとともに楽しむ伊勢海老、メインには沖縄県産黒毛和牛を用意。挽きたてスパイスの香りをまとわせながら味わう演出も、このコースならでは。締めにはガーリックライスまたは沖縄の炊き込みご飯「じゅーしー」、マンゴーのデザートで、最後まで沖縄らしさを堪能できます。
「喜瀬」(ザ・リッツ・カールトン沖縄)
開催期間/7月17日(金)~8月31日(日)
時間/ディナー 17:00~21:30
会場/鉄板焼「喜瀬(KISE)」
料金/3万5000円(税・サ込)
予約・問い合わせ/0980-43-5555(レストラン予約)
こうして6つのホテルを見比べてみると、同じブランドのイベントでありながら、そのアプローチは実に多彩です。あるホテルはその土地を深く掘り下げ、またあるホテルは地域を横断しながら食文化をひと皿へと映し出しています。
共通しているのは、料理だけを提供するのではなく、その背景にある生産者の思いや土地の風土、受け継がれてきた文化までもゲストへ届けようとしていること。ラグジュアリーホテルは今、快適な滞在を約束するだけの場所ではありません。その土地の魅力を編集し、新たな価値として発信するメディアのような存在へと進化しています。
食を通して、日本各地を旅する——「FLAVORS IN TRANSIT 旅する味 2026」は、そんな新しい旅の楽しみ方を教えてくれる、美味しくも豊かなガストロノミーイベントです。















































