この濃縮感はタダモノじゃありません!
本誌10月号の料理連載「モテるオヤジの簡単クッキング」で登場しているシンガポール料理専門店「新東記クラーク・キー」で打ち合わせをしていたときのこと ―― 中里 卓料理長が作ってくれた彼の地の名物“ペーパーチキン”(タレに漬け込んだ鶏肉を油紙に包んで揚げたもの)が簡単な手順にして衝撃的な美味しさだったので、この「“紙包み揚げ”という調理法でもう一品!」と相談したところ、「カレー」という提案が。油で揚げてカレーを作る? そんなことが可能なのか!? 一瞬、イメージが掴めませんでしたが、やってみると初めてでも特に難しいことはなく、時間が短縮できる。何より出来上がりがハンパなく旨い。肉汁が紙の内側にぎゅうっと封じ込められるがゆえに濃縮感が桁違いなのです。ひとつだけをスパイシーにして、ロシアンルーレット的に楽しむのもアリ。ホームパーティで活用すれば得意顔になれるでしょうね!
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中里 卓さん
大手町「新東記クラーク・キー」料理長。「ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル」、「ウェスティンホテル東京」「グランド ハイアット 東京」など錚々たるラグジュアリーホテルでキャリアを重ね、その豊かな経験をもとに本物志向のシンガポール料理を提案してくれます。
Step 01 ペーパーチキンに"カレー"を加える
1時間漬け込みしたペーパーチキン(※)、カレー粉(大さじ2)、チリパウダー(小さじ1/2)、レモングラスのみじん切り(10g)、水(150cc)、ココナッツミルク(50cc)をボウルなどで混ぜ合わせる。カレー粉+チリパウダー+レモングラスの代わりに調合済みの市販カレー粉を使ってもOK。
※ペーパーチキンの作り方は…
紹興酒(40g)、塩(小さじ1/3)、上白糖(大さじ2・1/2)、醤油(大さじ1)、胡麻油(大さじ2)、オイスターソース(大さじ2)、生姜のみじん切り(大さじ2)をボウルで混ぜ合わせ、鶏もも肉を漬け込みます。約1時間寝かせたら、8等分(ひと口大)に切り分けます。
Step 02 包む際にトッピングをプラス
正方形(20×20㎝程度)にカットしたクッキングシートの中央に01のチキンとスープをのせて、さらに玉ねぎのみじん切り、下茹でしたジャガイモをそれぞれ適量加える。
Step 03 油紙に包む
02を包む。こんなふうに皿の中にセットしてから端を絞り上げるようにして包めばきれいに仕上がり、紙の中に油が侵入するのを防止できますよ。
Step 04 フライパンで揚げる
中温よりやや低め、170度のサラダ油で7分ほど揚げましょう。油の量は、包みが半分浸かる程度。
Step 05 盛りつけたら完成!
揚がったらよく油を切り、皿に盛り付けたら出来上がり。例えばデミタスカップを活用すると見た目が垢抜けますぞ。
写真/長谷川 潤 文/甘利美緒
伝統的なシンガポール料理を匠がモダンに昇華
伝統的なシンガポール料理を匠がモダンに昇華
住所/東京都港中央区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ1F
営業/11:00〜15:00、17:30〜23:00 土曜11:00〜22:00 日祝休