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2026.03.01

【LEON本誌連動企画】

ワイルドな鴨肉の旨みが弾ける! トップシェフが話す“薪火の極意”

LEON3月号「本能で愉しむ美味しい肉」特集のスピンオフとしてお届けする当企画。京都・東山に構えるイノベーティブレストラン「LURRA°」(ルーラ)をご紹介します。

CREDIT :

写真/宮本敏明 文/小曽根広光 編集/渡辺 豪(LEON)

LEON3月号「本能で愉しむ美味しい肉」特集では、トップシェフたちが肉のポテンシャルを引き出す奥義を「達人の火技」と題してご紹介いたしました。……が、実は限られた誌面でお話しできなかったスゴい話がまだまだたくさんあるんです。というわけで、その全容をここに開陳。誌面と合わせてぜひご覧くださいませ。

“薪火のみ”を貫くイノベーティブレストラン

京都・東山に構えるイノベーティブレストラン「LURRA°」(ルーラ)は、なんと厨房にガスが通っていません。その理由は、薪を燃やした火のみで調理を行っているから。


築130年超の京町屋を改装した店内に一歩足を踏み入れると、薪火の芳香が鼻腔をくすぐります。これがなんとも気分を高揚させてくれ、のっけから期待感マシマシに。隣の彼女も目を輝かせているはずです。

店内はオープンキッチン。パチパチと薪火が燃える釜でシェフが料理する様子は、最高の食体験!

▲ 店内はオープンキッチン。パチパチと薪火が燃える釜でシェフが料理する様子は、最高の食体験!

同店のシェフを務めるのはジェイカブ・キアーさん。米国カリフォルニアで生まれ、ル・コルドン・ブルーのアメリカ校を卒業後、数々のレストランを経てデンマークの「noma」へ。“世界一予約が取れないレストラン”と称された伝説の名店です。

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その後、ニュージーランド「Cloony」のヘッドシェフを務めていた際に出会った仲間とともに開業したのが、2019年より営む「LURRA°」。オープンからほどなくしてミシュラン1つ星を獲得し、日の出の勢いで名声を獲得。2025年にミラノで発表されたThe Best Chef Awardsでも表彰されるなど、世界を代表するトップシェフとして押しも押されもしない存在となっています。

LURRA°シェフのジェイカブ・キアーさん。

▲ LURRA°シェフのジェイカブ・キアーさん。

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骨からじっくり、で鴨の旨みを引き出す

そんなLURRA°で味わえるのは、ジャンルにとらわれないイノベーティブなコース料理。なかでも京野菜を使った品々に定評がありますが、もちろん肉料理の美味しさも群を抜いています。


今回ご紹介したいのは、2月から提供を開始した鴨料理。取材のためお店を訪れると、すでに窯のなかには薪火があかあかと燃え盛っていました。

コチラが本日の主役を務める鴨。一羽まるごと薪火で料理していきます。

▲ コチラが本日の主役を務める鴨。一羽まるごと薪火で料理していきます。

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「この料理のために選んだのは『銀の鴨』。フランス原産のバルバリー種という鴨を、青森の農家さんが大切に育てたものです。皮が薄くて上品な味わいなのに、肉の断面は真っ赤。ワイルドな鴨の旨みを濃厚に感じられるところに惚れ込みました。今まで日本で食べた鴨肉のなかで、一番美味しいと思いましたね。nomaで使っていた鴨肉にもそっくりです。うま味を最大限引き出すため、3週間ドライエイジングさせました」と説明するキアーさん。

時折塩をふりながら、じっくりと火入れを行っていきます。

▲ 時折塩をふりながら、じっくりと火入れを行っていきます。

薪火での料理は一見シンプルなようですが、使う薪の種類や食材と薪火との距離などを微妙に調整することで、実に多彩な火入れを行うことが可能。すなわち、シェフの力量が如実に表れるのです。さて、キアーさんの極意とは……。

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「この料理については、骨ごと焼いていることが重要ですね。熾火で骨から温めて、肉全体にじっくりと火を通していく。そうすることで水分が抜けず、鴨のジューシーな旨みが引き立ちます。ただ、火を入れすぎるとハムのようになってしまうので、そこは注意を払っていますね。ガスよりも照りが美しく焼き上がるところも、薪火ならではの魅力でしょうか」

火加減は熾火に使う薪の量によって調節するほか、表面をパリッと焼き上げたいときなどは薪をあおいで強火に。

▲ 火加減は熾火に使う薪の量によって調節するほか、表面をパリッと焼き上げたいときなどは薪をあおいで強火に。

「そしてもちろん、薪火ならではの燻製香も特徴です。香りは重要な調味料のひとつですからね。LURRA°では深山の山桜を薪に使っています。甘い香りが特徴的ですね。そして仕上げにはジュニパーの葉をいぶし、香りのレイヤーを作ります。これによって、より複雑な風味に仕上がるというわけです」

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いよいよ火入れは大詰めに。店内に充満する香りが食欲をそそります。

▲ いよいよ火入れは大詰めに。店内に充満する香りが食欲をそそります。

「ある程度焼き上がってきたら、メキシコ料理で使われるチャモイソースを皮目に塗っていきます。カシスやブルーベリー、プルーンに3種類の唐辛子を加えたオリジナルのソースで、少し北欧料理的なアレンジも施しました。仕上げは強火で表面をカラメリゼして、パリッと焼き上げます」

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火入れはシンプル、味つけは複雑玄妙!

数多の食材を組み合わせて作ったタレやソースで、複雑玄妙な味わいに仕上げていきます。これぞイノベーティブ料理の醍醐味。

▲ 数多の食材を組み合わせて作ったタレやソースで、複雑玄妙な味わいに仕上げていきます。これぞイノベーティブ料理の醍醐味。

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ついにお皿の上へ乗った鴨肉。が、ここからさらにキアーさんの芸術的な手腕がふるわれていきます。


「肉の表面に塗るグレーズは、3種類のエッセンスを重ねています。第一に、鴨の骨からとったブイヨン。第二に、丹波篠山の黒豆味噌を使った“味噌ウォーター”。これは味噌と水を混ぜたものを冷凍し、ドリップを抽出したものです。第三に、何種類ものキノコをブレンドしたリダクション(濃縮されたタレ)。重層的な旨みで鴨肉の美味しさを引き立たせました。仕上げには、塩、ベリーのスパイス、マダガスカルペッパーを少々。お皿の中央には、ドライブルーベリーのソースとタイムオイルを添えています」

美味しさの小宇宙が広がるメインディッシュ!

▲ 美味しさの小宇宙が広がるメインディッシュ!

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自家製の黒甘柿、鴨のハツ、ジロール茸のピクルス、鴨もも肉のつくね、テイスティペースト(5種類の野菜を乳酸発酵させ、黒ニンニクを加えたペースト)を並べて供されるメインディッシュ。ワイルドな鴨を独創的なセンスでイノベーティブ料理に昇華させたひと皿は、まさに革新的な美味しさです。一流レストランに慣れた彼女からも、確実に「素敵!」のひとことを頂戴できますぞ。

■ LURRA°

住所/京都府京都市東山区石泉院町396

TEL/050-3196-1433

コース12品(ドリンクペアリング込)4万5500円〜(税込・サ別)

営業時間/17:30〜、18:30〜の一斉スタート二部制

定休/日・月曜

要予約(予約はコチラ

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