独自の哲学を貫いた先に誕生した至宝
その個性がまったく違うのです。例えば今回紹介するワインのブドウ品種はトスカーナ州のサンジョヴェーゼ。このブドウ品種をミラノ近郊のアルバ地区で育てているか、といったらそれは100%ありません。
アルバ地区にはその土地と気候に合ったブドウ品種が存在します。イタリア人気質の表れ、つまり自分たちのものは最高、なぜほかの地域のものに手を出す必要があるのか?という考え方になるのです。
その最たる、革新的生産者と言われるのが、「ビービーグラーツ」。なかでもこの「テスタマッタ2012」は本当に凄みを感じます。ビービー・ グラーツ氏が独学と感性、そして直観力で突き進めているワイン造り。
そう、自家消費ですから大量生産を目的とせず本当に自然のなかで育っているブドウ樹を選んだのです。本質を追求した味わい、というのはロジカルに考えてもこのワインのことをいうのではないでしょうか。しかもサンジョヴェーゼ100%。
トスカーナ州を代表するブドウ品種です。2012年は雨が少なく暑い夏でした。つまりブドウが持っている水分で熟成しています。ゆえに果実の濃さ、旨みがしっかり宿っている。
非常にパワフルなので品種にあったワイングラスなどでお召し上がりください。香りが開いていく過程からこなれてくる印象へと変わるでしょう。長期熟成向きのワインですのでぜひストック買いを。
イタリアンワインの面白さがよくわかりますよ!オススメですのでぜひ。
お問い合わせ
サントリーお客様センター
0120-139-380
藤崎聡子●ワインスタイリスト。
ワールドツアー2016、5月はバンコクへ参戦。興味があるのはスパイスとハーブの使い方。このジャンルはどういうワインと合うのか。シャンパンが一番、というのはわかっているけれど。