2020.08.07
バブル時代の思い出が美しく蘇る!? レストラン「クラージュ」に若き女性シェフが
数々のレストランで伝説のサービスマンとしてその名を轟かせた相澤ジーノ氏のレストラン&バー「クラージュ」。華やかな夜の遊び場の雰囲気を纏った大人の社交場に若き女性シェフが着任しました。
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文/仲山今日子

相澤氏といえば、広尾のイタリアン「イル・テアトリーノ・ダ・サローネ」、劇場型レストラン「81」、小山薫堂氏率いる和食「下鴨茶寮」などで、マネージャーを務めた、伝説のサービスマン。「レストランは、笑顔になって帰っていただく場所」という氏の美意識を集約させたこの「クラージュ」、仲間と、あるいは1人でふらりと、も良いのだけれど、意中の彼女と訪れるのを強くオススメしたいところ。

だからと言って、常連さんだけで盛り上がる店ではないのでご安心を。初めて足を踏み入れても、なぜか不思議な居心地の良さを感じられます。

「娘のような」若き女性シェフが就任して料理が一新
3年前に、マンダリンオリエンタルホテル東京で行われた、アジアNo.1レストラン「ガガン」の、ガガン・アナンドシェフのポップアップの際、予約しようとしたものの抽選に漏れてしまった古屋シェフは、どうしても料理が食べたいと、ガガンシェフに直接英語でメッセージを送り、直前キャンセルの席に滑り込んだそう。その際に相澤氏が同じテーブルだったのがとのそもそもの出会いなんだとか。
そんな行動力に相澤氏が惚れ込み、いつかは一緒に仕事を、と考えていたそうですが、実際の彼女は、件のエピソードが信じられないほど、とってもほんわかとした、何かの天然水のCMに出したいような爽やかさ。

そんな経験を経ても、ふんわりとした優しさをまとった彼女は、きっと、内にしなやかな強さを秘めているのでしょう。
全体の緻密なバランスが際立つ料理。特筆すべきは軽やかな食後感


ドンペリニョンの前醸造責任者、リシャール・ジェフロワ氏が作った日本酒、IWA。話題性抜群の一本を揃えているのも、さすがです。「牡蠣を3口噛んだらこちらを一口、という飲み方がオススメです」と相澤氏。きりりとした冷酒から、バターソテーした熱々の牡蠣の温度で米の複雑味が立ち上り、豊かな旨味も感じます。シャンパン醸造者が作る日本酒ですが、酸はそこまで強くありません。



withコロナの時代は、「なんとなく人に会う」のではなくて、「どうしても会いたい人に会う」時代。「誰かと過ごす時間」の貴重さを知り、愛情を持って迎えてくれる、こんなレストランのありがたみが、一層心にしみそうです。

■クラージュ
住所/東京都港区麻布十番2-7-14 1F
営業時間/17:30~23:00(L.O.21:00)
定休日/日祝
HP/https://gg4a900.gorp.jp/
予約・お問合せ/TEL 050-3313-9628

● 仲山今日子(なかやま・きょうこ)
テレビ山梨・テレビ神奈川アナウンサーなどを経て、World Restaurant Awards審査員。現在、食と旅をテーマに日本とシンガポールの雑誌に日本語・英語で執筆中。趣味は秘境旅行、キリマンジャロ登頂など、訪れた国は50カ国以上。ワインエキスパート、日本酒唎酒師の資格取得。IG:kyokonakayamatv