2016.02.11
“モテる飯は振り幅の広さがモノを言う”モテるオヤジの1・2フィニッシュ
"1・2・フィニッシュ"とは、2軒でデートを完結させるの意。まず1軒目に、普段行かないような意外性のある、味を重視したお店でそこの定番、または裏定番メニューをいただきます。そして2軒目に、徒歩もしくはワンメーターで移動可能なキレイめBARでまったりする、というもの。お店セレクトの幅=オヤジの懐の深さと銘打って、今宵はデートコースをまるごとご提案いたしましょう!
ナビゲーション・文/YULI*YULI
2014年11月号より抜粋

デートといえば、どうしても流行のお洒落なレストランをチョイスしちゃうけどたまには“ハズし”も重要。とはいえ、おいしいことが条件よ。
BARに行くからといっても、決していつもの港区、渋谷区に戻ってはなりません。地元の人たちに愛されるBARだからこそ、魅力がいっぱいなのです。
会員制、完全予約制のお任せコースのみ
◆ ホルモン船 ホールちゃん / 東京・新宿区

もちろん韓国料理店もいっぱい。そんな通りを抜け、こんなところにまだお店があるのかな?と思ってしまう裏道に、知る人ぞ知る名店「ホルモン船 ホールちゃん」はあります。
店内には小さくて簡素なテーブルと椅子が4セットだけ。噂には聞いていたけど、今回のテーマに一番ふさわしいかも。変わった立地、カジュアルな店内、でも、出していただいたどれもが唸るほどおいしいの。そのうえ会員制というからびっくり。
聞けば、オーナーがその日手に入る最高の材料しか仕入れず、しかも冷蔵庫を置かない主義だからキャンセルが出ると無駄になってしまうのだそう。それを理解している、信頼のおける常連さんを優先するというワケ。でも今回、LEON読者は特別に予約オーケーをいただきました。でも絶対にキャンセルしないでね。お約束です。
予約を受けた分だけ仕入れて、その日に使い切ります

なんでもおいしいホールちゃんだけど、牡蠣の塩辛やキムチも抜群です。ついついお酒が進んじゃうの。韓国人は、お酒を長い時間楽しんで飲むそうな。生マッコリはサラリと飲めて、女性にもオススメです。
◆ ホルモン船 ホールちゃん
住所/東京都新宿区大久保2-13-12 クリハラビル 1F
お問い合わせ/☎03-3202-8323(完全予約制)
営業時間/17:00〜24:00
定休日/不定休
●ホールちゃんお任せコース 7500円〜
東京都新宿区大久保2-13-12 クリハラビル 1F
店主のセンスの良い趣味がいたるところに
◆ Bar Salvador[バー・サルバドール]/ 東京・新宿区
階段を上がって木製のドアを開けると、香木である栴檀の一枚板のカウンターと、そこに置かれた美しくアレンジされた季節感のある花が目を引きます。
クラシックなイギリス風の黒い木棚には、選び抜かれた300種類のウイスキーと、バカラをはじめとするアンティークグラスたち。奥には、居心地の良さそうなボックス席と、お忍びデートに最適であろう小さなコーナー席。
そして壁際の本棚には、店名にもなっているサルバドール・ダリの画集などが20冊ほど置かれ、トイレの中にも可愛らしい花のアレンジがあったりと、気配りがすみずみまで行き届いています。学生街らしく、お客に教授が多いというのにも頷ける、インテリジェンスな空間です。
つい長居したくなるBARカウンター

グラスも皿も鈴木氏のお宝コレクション

鈴木氏は製造中止になったホヤクリスタルのコレクターとしても有名なのですって。お化粧室には京都の俵屋の石けんがさり気なく置かれていました。素晴らしい気遣いね。キューバシガーも15種ありますよ。

季節も愛でながら
季節感を感じられる生花のアレンジがあることもサルバドールの魅力。良い気が溜まりますように。
◆ Bar Salvador[バー・サルバドール]
住所/東京都新宿区高田馬場1-29-6 野菊ビル 2F
お問い合わせ/☎03-3204-7222
営業時間/18:00〜翌3:00(L.O.翌2:30)
定休日/日曜日
●フルーツトマトのブラッディーマリー 1200円、自家製カシスのクリームチーズ 800円
東京都新宿区高田馬場1-29-6 野菊ビル 2F
選び抜かれた牡蠣をワイルドに召し上がれ
◆ かき殻荘[カキガラソウ]/ 東京・品川区
こういうところ、ワクワクしちゃうのはYULI*YULIだけでしょうか。探検系デートにはぴったりだと思うのだけど。スナックが立ち並んでいたり、立ち飲み屋があったり、歩いているだけで発見の連続です。それに、このあたりは焼き肉とラーメンの激戦区でもあるみたいだから、つい目的とは違うお店に入ってしまいそうね。さて、向かうは牡蠣の専門店。
牡蠣好きにはたまらないでしょ。牡蠣の旬はこれからだけど、ここでは一年中日本全国からその時期オススメの牡蠣が運ばれてくるの。テーブルには鉄板がドンと備え付けられ、名物の蒸し牡蠣はバケツにどっさり1㎏。蒸し時間用のタイマーと軍手が置かれているけど、お願いすれば蒸してくれるので、安心して乾杯してくださいね。
海辺のB.B.Q.がテーマなのですって

とにかく牡蠣尽くし

牡蠣だーいすき! だからうれしいな。九州の海辺にある漁師小屋みたいね。ワインもあるからシャブリ&牡蠣もオススメです。一年中食べられるのもポイント高いでしょ。それにしても、大井町って面白そうな街ね。

街中にあるまさに牡蠣小屋
飲み屋横町を抜けた通りにある古びた一軒屋。入り口の壁には本日オススメ牡蠣が貼られていて、風変わりな外観だからすぐに見つかりますよ。
◆ かき殻荘[カキガラソウ]
住所/東京都品川区東大井5-4-6
お問い合わせ/☎03-6433-2760
営業時間/16:00〜24:00、土12:00〜、日12:00〜23:00
定休日/不定休
●蒸しかき(1㎏)1800円、カキフライ 700円、グラスシャンパン 580円〜
東京都品川区東大井5-4-6
女性店主が仕切る大森の隠れ家バー
◆ Tenderly[テンダリー]/ 東京・大田区
そもそも大森は大正末期から昭和の頃、川端康成、室生犀星、山本周五郎など、そうそうたる文士たちが住んでいたそうな。

スタンダードジャズがBGMの店内はシェーカーを振る音、氷のカランカランという音、お客様の楽しい話し声がまるでセッションのように響いています。
彼女の立ち姿はエレガントなのに、どこか女性らしい強さも秘めているようで、同性から見ても魅力的です。そんなパワーが「大森にオーセンティックBARのテンダリーあり」と言わしめるのかしら。大森の人々に愛されるだけでなく、遠く地方からもココを目指して今日もお客様がやってくる。そんな温かな空間です。

淑女のトキメキポイント
こういう心配りは女性バーテンダーさんならではよね♪安心して飲みに行けそうです。
◆ Tenderly[テンダリー]
住所/東京都大田区大森北1-33-11 2F
お問い合わせ/☎03-3298-2155
営業時間/17:00〜翌1:00、金〜翌2:00、祝〜24:00
定休日/日曜日
●艶女 1300円、ドクターY 1600円、テンダリー 1400円、大森サンド 900円
東京都大田区大森北1-33-11 2F
小津安二郎が愛したヒレカツ
◆ 蓬莱屋[ホウライヤ]/ 東京・台東区
とんかつは東京の郷土料理とも言われるほど、みなに愛される永遠のメニューですものね。ちなみに蓬莱屋は、日本で初めてヒレカツを売り出したお店。有名な話として、昭和8年、ふらりと訪れた名映画監督、小津安二郎はその後こちらの常連となり、ついには遺作“秋刀魚の味”で、蓬莱屋の2階の客室をモデルにしたセットを撮影所に建てたそう。で、劇中で役者が食べるヒレカツを本物にこだわり、蓬莱屋から取り寄せ、小道具として使ったのですって。
映画のなかに「このとんかつ、ウマいっすね!」と言っておかわりをするシーンがあるので、ぜひチェックしてみてね。そんな小津氏は、昭和38年の亡くなる直前、入院中の病院にまでこちらのとんかつを届けてもらっていたそうです。いまでも小津監督が座っていた席が残されていて、その席に座ると、なぜか懐かしさに心打たれます。
1階のカウンターは9席だけなのでぜひ予約を

メニューはヒレカツとひと口カツのふたつのみ

上野がとんかつ発祥の地だったなんて知りませんでした。それにとんかつ屋には、いろいろなとんかつがあるのが普通だと思っていたのだけれど、ヒレカツ専門店なんてあるのね。奥が深いです。勉強になりました。

松坂屋の裏手に昭和の佇まい
もとは上野松坂屋の本館と別館の間で屋台を出していて昭和23年にいまの場所に移り、現在は先代の養女が4代目としてきりもりしています。
◆ 蓬莱屋[ホウライヤ]
住所/東京都台東区上野3-28-5
お問い合わせ/☎03-3831-5783
営業時間/11:30〜14:00(L.O.13:30)、17:00〜20:00(L.O.19:30)、土日祝〜14:30(L.O.14:00)
定休日/水曜日
●ヒレカツ 2980円、東京物語膳 2460円、日本酒1合 770円〜
東京都台東区上野3-28-5
路地裏の角にある角ハイボール専門店
◆ Kadoya[バー カドヤ]/ 東京・文京区
入り口には立ち飲みコーナー“角打ち”があるのだけど、その語源は、酒屋の店頭で升に入った酒を飲む際、升の角から飲むから角打ち、なのですって。というように、こちらでは“角”へのこだわりが、店中に溢れています。
①立地が角で、②入り口に角打ちがあり、③インテリアの棚も四角で構成され、④照明も四角いものがたくさん。そしてお酒は“角瓶”というワケ。
内装はシックでお洒落ないまどきな感じで、カウンターも広くて低いので、ゆったりと座ることができます。こちらのイチオシである角ハイボールは、どこよりもおいしく飲めるようハイボール専用のサーバーで炭酸が注がれ、ボトルは当然のごとく冷凍庫でキンキンに。さらに、温度が上がらないようこれまた冷やした銅のマグカップで出されます。
ご想像のとおり、ここまでこだわるとキリッと爽快で、最高のハイボールが味わえるの。
あちらこちらに"角"がいっぱいあるでしょ

フードメニューはハイボールに合うものだけ!

温度、炭酸の強さ、すべてが管理されたハイボール専用のサーバーです。これさえあれば最高のハイボールに。飲んで納得の違いがあります。

これがこだわりのハイボールサーバー
温度、炭酸の強さ、すべてが管理されたハイボール専用のサーバーです。これさえあれば最高のハイボールに。飲んで納得の違いがあります。
◆ Kadoya[バー カドヤ]/ 東京・文京区
住所/東京都文京区湯島3-45-3
お問い合わせ/☎03-3831-4775
営業時間/18:00〜翌5:00
定休日/日曜日
●ハイボール 500円、スプモーニ 700円、カドヤ煮込み 700円、バタートースト 300円