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2016.01.13

「進化を続ける日本ワイン」和食とあのコに日本産「イン」が新しい

ワインはやっぱりフランス産やイタリア産で、と思う方が多いのは認めます。けど、ここ数年目覚ましい進化をとげているのが日本産ワインなの。和食屋さんでワインがなじめなかったけど、日本ワインなら驚くほど合います。彼女の出身地のワインなら、デートだってなおのこと盛り上がること請け合いですよ。

写真/久保田育男(OWL)
ナビゲーション・文/YULI*YULI
2014年7月号より抜粋
この連載も遂に11周年です。LEONの連載の最長記録。もしかすると雑誌業界でも一番だったりして!?皆さまのご愛読に感謝。編集長のご理解に感謝。六代目担当の頑張りに感謝。

日本ワインが勢揃い

日本ワインが勢揃い
日本ワインばかりをズラリ!と取り揃え。産地は、北は北海道から南は鹿児島まで。いまや山梨だけでなく、日本全国で造られているの。味だって、個性的なものがたくさん。自分の出身地ワインを応援するのも素敵です。

理想の和食屋さん三軒茶屋で発見なり

◆ セキハナレ / 東京・世田谷区

和食屋さんのセレクトって難しい。懐石料理は高すぎるし、居酒屋だと日常感ありすぎるし。味良し、雰囲気良し、コスパ良しの和食屋さんは何処に!と思っていたら、発見しました。

三軒茶屋から東急世田谷線という、路面電車の風情が残る二両編成の電車に乗って4駅目。世田谷駅で降りてすぐあるこちらが、理想の和食屋。

1階はカウンターが9席、2階にはテーブル席があり、そして今回注目の日本ワインはズラリと日本中から集められています。食事メニューも県別、生産地別に明記されていて、日本の食をオーナー独自の感性で発信しているの。

だから例えば、岡山の食材に岡山のワインを合わせる、なんていうマリアージュができちゃうワケ。こんなお店っていままでなかったかも。

そして県別ワインがあるとデートの会話も弾むはず。彼女の出身地のワインをセレクトしてあげたり、記念旅行先のワインを飲んだりとか、楽しさも倍増よ。こんなお店が都心にあったらいいのにと思うけど。ガタゴト電車で行く“和食×和イン”も乙なものですよ。

カウンター席で日本ワインの楽しい話を聞きながら

セキハナレ / 東京・世田谷区

カウンターの良さって、①横並びの近距離で彼女と座れること、②料理人の手元が見られること、③(ここの場合は)日本ワインに詳しい店主にいろいろとお話を聞けることです。

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北海道「上幌ワイン余市 KERNER 2012」(右)/“10R”と書いてトアールと読みます。上幌ワインの藤澤農園余市ケルナー。ケルナー種100%。カリフォルニア出身のブルース・ガットラヴ氏が初リリースした話題の白ワインです。
豚肩ロースの西京焼き(左)/仙台の赤味噌と京都の白味噌に2日間漬け込んでいるので甘味もほんのり、風味豊かな味。生七味と鮫軟骨の梅肉和えも、リッチでドライなワインとぴったり。
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岡山県「TETTA Vigne シャルドネ 2012 白」(右)/石灰岩採掘の家業からワイナリーに転身を英断した高橋氏と、葡萄マイスター大福氏、新たにフランスから醸造家の片寄氏を迎え、驀進中の期待の若きワイナリー。
レモン締めした鯖と菜の花のからし和え(左)/鯖をレモン果汁で締めているので香りも良くフレッシュ。菜の花のからし和えを味のポイントに。シャルドネのピュアな酸味とのマリアージュを楽しんでください。

淑女のトキメキポイント

「TETTA」のワイン貯蔵庫は、石灰岩採掘のトンネルを活用しているのだそう。また、「10R」ワイナリーのブルース氏は、カリフォルニアでは醸造家&葡萄栽培家として有名な人だったのですって。勉強になります。

セキハナレ

セキハナレ

◆ セキハナレ

住所/東京都世田谷区世田谷3-1-3
営業時間/18:00〜翌2:00
定休日/月曜日
お問い合わせ/☎03-5450-5870

●上幌ワイン余市KERNER2012 6200円(ボトル・税込)、豚肩ロースの西京焼き 1200円(2人前〜)

東京都世田谷区世田谷3-1-3

PAGE 2

ぽつらぽつらの名物は小皿にいろいろな味を盛り込んだお通し

ぽつらぽつら / 東京・渋谷区
広めのカウンター幅が、ゆったりとした居心地の良さを演出してくれます。まずは小皿料理をつつきながらワインリストを楽しみ、今宵の1本を決めるのがオススメ。

日本ワイン150種類にグラスワインも9種類

◆ ぽつらぽつら / 東京・渋谷区

とにもかくにもまずは、そのワインリストに驚くはず。なにせぜ〜んぶ日本ワインです。見るだけで楽しくなっちゃう圧巻の日本ワインリストは、三ツ星フレンチのフランスワインリストに匹敵します。

場所は渋谷区円山町、5月号のオヤトキでBAR特集をした界隈。このエリア、確実にお店が増えています。そのなかでも「ぽつらぽつら」は大人気で、いつ通っても満席で賑わう店内がガラス越しに見えます。2009年にオープンしたこちらのコンセプトは“見える”なのですって。

ガラス張りの外観、オープンキッチン、食材の生産者も、ワインの造り手も、その畑もすべてが“見える”。つまり、隠し立てのないことがポリシー。だからここでは、畑に行き、市場に行き、ワイナリーに行き、安心して使える食材やワインをオーナー自ら揃えています。

野菜も魚もその日に使うものをその日の朝に仕入れているから、いつでも旬のものをいただけるの。今夜は 「ぽつらぽつら」という店名のイメージのように、のんびりとゆっくりと楽しい時間をお過ごしください。
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大阪「がんこおやじ手造りのわいん」(右)/ワインのネーミングそのままです。ヨーロッパの葡萄品種にこだわって65歳でワイン造りを始めた仲村氏。「ええワインにせんかったらあかん」が口癖。カベルネ主体の赤ワインです。
みやじ豚肩ロースと季節野菜のグリル(左)/豚肉には金山寺味噌とバルサミコを合わせた和洋折衷なソースを添えて。野菜はアスパラ、竹の子、そら豆など、こだわりに定評のある、あざみ野“松澤農園”で毎朝仕入れています。
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愛知県「アズッカ エ アズッコ イノチェンテ」(右)/イタリアでワイン造りの修業後、豊田市でワイン造りを始めた須崎ご夫妻の愛情こもった白ワイン。イノチェンテ(=無垢)という名のとおり、シャルドネ100%のすっきりした味わい。
お刺身ゆばとバフンウニのミルフィーユ(左)/甘味とコクのあるお刺身ゆばにバフンウニの舌触りがマッチ。お醤油をかけていただきます。そして果実のボリューム感いっぱいのシャルドネらしい白ワインは、そのウニの旨味と抜群に合うの。
淑女のトキメキポイント

「がんこおやじ」っていうネーミング大胆よね。彼は昼間「仲村酒店」という立ち飲み屋さんを営んでいるのですって。「アズッカ エ アズッコ」の畑は、まるでイタリアのような美しい丘陵地帯にあるのだそうです。
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◆ ぽつらぽつら

住所/東京都渋谷区円山町22-11 堀内ビル 1F
営業/18:00〜24:00
定休日/不定休
お問い合わせ/☎03-5456-4512

●がんこおやじ手造りのわいん 5800円(ボトル・税込)、お刺身ゆばとバフンウニのミルフィーユ 1200円(税込)

東京都渋谷区円山町22-11 堀内ビル 1F

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セレクト日本ワインどれにしましょうか

黒帯[クロオビ]/ 東京・渋谷区
京都の老舗料亭や旅館で修業を積んだ料理長による臨機応変なメニューも楽しめます。カウンターでワインに合うひと品をおまかせで、というのもアリかもね。

恵比寿神社裏にあるセレクト日本ワイン

◆ 黒帯[クロオビ]/ 東京・渋谷区

いつからこんなに恵比寿に飲食店が増えたのかしらと行くたびに思うけど、面白そうなお店がしのぎを削っているこの辺りに、実は、小さな神社があります。その横のビルの4階に、“和酒和食”をコンセプトにした「黒帯」があります。

オープンは2013年で、落ち着いた店内はカウンター6席、テーブル4卓、5階の個室と、いろいろな用途に使えそう。奇をてらわない、どこかほっとするインテリアです。ワインはもちろん日本ワインのみ。白、赤12種類ずつとはいえ、そのセレクトが素晴らしい。

日本ワイン初心者として、まずはここのワインを制覇するなんていうのもいいかも。シャトー勝沼、ドメーヌ タカヒコ、くずまきワイナリー、小布施ワイナリー、ドメーヌ・ソガ、金井醸造場などなど。生産量の少ない稀少ワインにも出合えます。

お料理のスタイルは創作和食で、お刺身は日々6種類。しゃぶしゃぶやお鍋など、日本人として愛すべき和食が季節に合わせてきちんと揃っているのもうれしいポイント。思いついたらすぐ行けるお店っていうのも重宝しますよ。
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山梨県「シャトー勝沼 鳥居平 今村ルージュ」(右)/1877年、勝沼でもっとも古い歴史を誇る旧今村醸造(現:シャトー勝沼)の三代目当主、畑の生き字引と言われる今村英勇氏が丹精込めたワイン。ブラック・クイーン100%の赤です。
比内地鶏と焼きなすの味噌がけ(左)/お味噌の味がしっかりしているからワインに合うか心配? ご安心を。鳥居平は果実感がかなり凝縮されていて、強くないシブみがある赤ワインだからしっかりマッチするのです。
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熊本県「菊鹿シャルドネ」(右)/国産ワインコンクールやジャパンワインチャレンジで受賞歴がある注目のワイン。限定2000本のとっても稀少なシャルドネ100%の白ワイン。
太刀魚と新生姜の天ぷら(左)/太刀魚と新生姜、オクラ、茗荷の天ぷらを塩でいただきます。天ぷらといえばシャルドネ、という図式もかなり定番化してきてますから、この組み合わせは覚えておいてね。
淑女のトキメキポイント

「鳥居平」はワインの名産地である勝沼のなかでも、その土壌環境の良さから“奇跡の場所”って呼ばれているのですって。「菊鹿」は数々のコンクールで受賞歴がある、知る人ぞ知る熊本の名ワイン。ぜひ味わってみてね。
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◆ 黒帯[クロオビ]

住所/東京都渋谷区恵比寿西1-13-6 ブラッサム ZEN 4F
営業時間/17:30〜24:00
定休日/日曜
お問い合わせ/☎03-6277-5916

●菊鹿シャルドネ 6500円(ボトル)、太刀魚と新生姜の天婦羅 1200円

東京都渋谷区恵比寿西1-13-6 ブラッサム ZEN 4F

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