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2015.12.02

「ニッポンオヤジだからこその選択」こだわり割烹で日本の食遺産に乾杯

ニッポンのオヤジだもの、やっぱり美味しい和食くらいは知っててほしい。ということで、今月は久しぶりに和食屋さんにフォーカス。食べ慣れているからこそ、ひと癖あるお店をセレクトするのが通なポイントよ。

写真/久保田育男(OWL)
ナビゲーション・文/YULI*YULI
2014年1月号より抜粋
食空間においてはなんでもエキスパートな艶女。2003年、アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。オーナーを務めるシャンパンバーも絶賛営業中。近況/秋深し、え? もうクリスマスなの?夏休みまだなんですけど……。稼働率が人生最高記録に到達。1日が36時間にならないかな。

食通であれば、日本の食文化を知るべし

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羽釜でご飯を炊くのが昔は当たり前だったのよね。“はじめチョロチョロなかパッパ、赤子泣いても蓋取るな“って炊くのよ。電気釜のスイッチひとつでポン!とできてしまういまとは違う、日本の食遺産ね。

日本一の美味 尾崎牛と鮪を一緒に

◆ 尾崎幸隆[オザキユキタカ]/ 東京・港区

和食屋さんの店名と言えば、料理長のお名前を冠していることがほとんどだから、実はYULI*YU
LIもカウンターで「きっとこの人が尾崎幸隆さんかな?」なんて思いながらお食事していました(笑)。

聞けば、この店の2大食材である宮崎県産尾崎牛の“尾崎”と、本鮪の初競りで有名な仲卸業者、「やま幸」の山口幸隆氏の“幸隆”をとった店名だったのです。つまり、和牛と鮪を売りにしているお店、というとってもわかりやすい店名。日本一の牛肉と鮪を食べてほしいという気持ちが溢れてますよね。

美味しい鮪が食べたい時は、寿司屋に、最高の牛肉だったらステーキ屋へ行くのが普通です。でもそれが『尾崎幸隆』だと、一軒で両方を楽しめてしまう。奇をてらった料理ではなく、誰もが好きなものを、しかもさらっと出してくれるのはとってもうれしい裏切り。なんて罪深いお店なのでしょう。と思いつつも、こんなお店に出会えて良かったって思うこと間違いありません。

うっとりしちゃう肉と鮪のコラボ

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肉も鮪も選びに選んだ最上の部位だもの。ペロリといただけちゃうし、おかわりしたくなるけど、そこはグッと我慢してね。暴食しないのも美味しく味わう秘訣ですから。そして、ワインのセレクトはケンゾー・エステイトの結!

これだけでも大満足って思うはず

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右の皿、鮪の握りは中トロと大トロのこれ以上ないベストコンビ。シャリは棚田米コシヒカリの赤酢飯、鮪の甘味を引き出すように砂糖はあえて加えません。肉は生でも食べられるものを低温の鉄板で30分間焼いたもの、焼き加減は、ミディアムレアとレアの間くらい。
淑女のトキメキポイント

〆は、卵かけごはん(以下TKG)。それもトリュフの。TKG別腹族には、かなりの引きの強さだし、2階のピザ専門店SAVOIからピザを配達してもらうこともできちゃう。このレベルの高いサプライズは恋にも効くかも!?
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◆ 尾崎幸隆[オザキユキタカ]

住所/東京都港区麻布十番3-3-13 M2Kステージ B1F 
営業時間/17:00〜22:30(L.O.)※日曜は15:00〜20:00(L.O.) 
定休日/無休
お問い合わせ/☎03-5413-4129

●コース 1万500円〜、シャンパン 1500円〜

東京都港区麻布十番3-3-13 M2Kステージ B1F

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伝統の美、和食器に個性的な割烹料理を

◆ 半くり[ハンクリ]/ 東京・中央区

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京都にありそうなお店です。え?京都風って何かって? はい、お答えしましょう。まず、わかりにくい場所、見つけにくくて、もちろん一見さんお断り。そして古い器を趣味良くセレクトし、お出汁に命をかけている。にもかかわらず、お値段がお値打ちであること(笑)。とはいえ、個人の趣味があるので、こういうお店の居心地に抵抗がある人もいることは認めておきますね。ちなみにYULI*YULIは、“御常連”希望(笑)。

やっとたどりついた『半くり』さんの店主、笠嶋伸一郎氏は和歌山生まれ。17歳から京都の名店で修業を始め、その後くずし割烹“枝魯枝魯”で料理に打ち込んできた和食次世代。ある意味でいまどきな男子(失礼!)が、“お道具命”で武家の礼法に沿った正式な膳立てを重んじる、という素敵なギャップの持ち主。銀座の隠れ家は、そんな笠嶋氏の和製アジトみたいです。

審美眼の確かな美しい本膳料理

半くり 料理

カウンターで笠嶋氏とお話をしながら膳が進んでいく濃密な食事の時間です。良い器が惜しげもなく使われているので、味わいはもちろん、目にも大満足な本膳料理。

膳のなかに広がる笠嶋ワールドの妙を味わう

半くり 料理
右から一の膳、松茸醤油でいただく温かい鱧、焼き茄にのせた蛸のすだちゼリー、車海老と帆立の白酢和え。二の膳は、赤貝の初生卵の黄味醤油漬け、クエのお造り、ロブマイヤーのお皿には酢じめの炙り鯖と雲丹。ストーブで炊いたサンマの炊き込みご飯は、上に壬生菜の浅漬けと大根おろし、サンマの肝醤油を合わせて。

淑女のトキメキポイント

バカラが顧客専用に作ったヴィンテージのグラス、ロブマイヤーの可愛いガラス皿、大徳寺の向付皿など、あれもこれも素敵な器ばかり。そしてなんと、来年の2月、ミラノに割烹“三平”をオープンするのですって。

◆ 半くり[ハンクリ]

場所/東京都中央区銀座7-3-9 銀座Leeビル 1F
営業時間/17:30〜翌2:00(L.O.)※土曜、日曜は〜21:30(L.O.)
定休日/不定休
お問い合わせ/☎非掲載(紹介制)

●コース 8500円〜1万500円、日本酒 800円〜

東京都中央区銀座7-3-9 銀座Leeビル 1F

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オーガニックと、えさき風日本料理

◆ 青山えさき[アオヤマエサキ]/ 東京・渋谷区

青山外苑前のキラー通りから、小道を一本入ったあたり。イタリアンでもありそうな雰囲気の階段を下りた地下に、『青山えさき』はあります。中は、大胆な壁一面のレリーフが目を引くシンプルモダンな明るい空間。

緊張感のある室礼を良しとする懐石料理店とは一線を画したインテリアが、これからいただくお料理への期待を膨らませます。店主の江﨑新太郎氏は、料理人としては稀有な法政大学卒業。学生時代のアルバイト先だったフランス料理店で必ず使われるバターに疑問をもち、日本料理の道へ進むことを決心。

履歴書を握りしめて赤坂の料亭“山崎”の門を叩き、10年の修業を経て、独立。来年、料理人として30周年を迎えるのだそう。天然の魚や美味しい自然農法の野菜を求めて旅に出るのが趣味という江﨑氏の人柄を表す、革新すぎない“ちょい創作”が、お客様の心をとらえて離さないのでしょうね。

落ち着く個室で静かな夜を

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たまには、横並びでゆっくりご飯を味わう時間も大事。江﨑氏が提唱し続ける食の安全の大切さがやっとわかってきた今日この頃だから、噛み締めていただきます。

吟味した食材に優しい味付け、がえさき流

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右から、千葉大原の伊勢エビと山梨まごころ農園の伏見唐辛子、インゲンなどのかぶのおろしソース掛け。塩焼きしたサンマを内巻きにし、シャインマスカットとウイキョウのソースで和えたひと皿。蝦夷鮑をパン粉でカツのようにし、フランベした梨を添えたほっこりな創作料理。
淑女のトキメキポイント

安心、安全がモットーの江﨑さんの、野菜選びへのこだわりは噂に聞いていました。なかなかお家ではそこまでこだわれないから、たまにこちらで胃腸を整えないと。そうすると翌日調子がいいの! お試しあれ。
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◆ 青山えさき[アオヤマエサキ]

住所/東京都渋谷区神宮前3-39-9 ヒルズ青山 B1F 
営業時間/12:00〜13:30(L.O.)、18:00〜23:00(L.O.21:30)※昼営業は土曜のみ
定休日/日曜日、祝日
お問い合わせ/☎03-3408-5056

●コース 1万500円と1万3650円の2種、日本酒 1300円〜

東京都渋谷区神宮前3-39-9 ヒルズ青山 B1F

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