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2020.05.22

VOL.03「日本にはなぜこんなにもイタリアンが多いのか」

日本で“イタめし”がデートの定番になったワケ

「ぐるなび」のエディトリアル・プロデューサーとして超高級から庶民派まで全方位にわたる豊富な食体験を誇る業界の“グルメ番長”松尾 大さんが、食のトレンドを押さえつつ、新たなグルメの楽しみ方をご提案する連載です。

CREDIT :

文/松尾 大 イラスト/東海林巨樹、林田秀一

「ぐるなび」のエディトリアル・プロデューサー松尾 大さんが、食のトレンドを押さえつつ、新たなグルメの楽しみ方をご提案する連載。今回のテーマは……。

■Theme03「日本にはなぜこんなにもイタリアンが多いのか」

日本初のイタリアンは1873年オープンの新潟「イタリア軒」だと言われます。そのあと東京・横浜エリアで初めてイタリアンと呼べる店ができたのは1953年。名曲『横浜ホンキートンク・ブルース』にも登場する中華街の「オリヂナルヂョーズ」です。そう、昔から日本にイタリアンが多かったわけじゃないんですね。
もちろん、「壁の穴」などのパスタ店や、「ニコラス」のようなピザ店に人気が出るなど、“粉もの”好きな国民性に合っていたのは事実でしょうが。おそらく、こんなにもイタリアンが増えたのはイタめしブームから。当時、デートと言えばフレンチでしたが、重い料理が多かったうえ、財布の負担も重かった。もう少し雰囲気も財布にもカジュアルなところということでイタリアンが注目されたのでしょう。

落合務シェフのいた「グラナータ」など第一次イタリア帰りシェフの店と、「イル・ボッカローネ」のような外国人客だらけで“ボナセーラ”と出迎えられる現地感の強い店、そして以前から親しまれてきたパスタ、ピザ。それらが出揃い、ひとつの“イタめし”として認知され、定着したのではないかと。日本人の口に合うし、雰囲気もハッピーだし、財布にも優しいと、デートにイタリアンはいいことずくめだったのでは?

そんな歴史を知ったうえで、改めて飯倉の「キャンティ」あたりにデートのお誘いをするのはいかがでしょう。また違った味わいが楽しめるかもしれませんよ。

松尾 大

雑誌編集者を経て、2015年にぐるなび入社。 グルメウェブサイト『dressing』を立ち上げ、編集長、 2017年よりエディトリアルプロデューサーに就任。 のべ2万軒以上の店に足を運んできた“グルメ”番長。

2020年2月号より

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