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2023.10.08

【第41回】 パリ「KODAWARI RAMEN TSUKIJI」

パリで行列のできるラーメン店に行ったら驚いた!

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

CREDIT :

文・写真/山本益博 編集/森本 泉(LEON.JP)

パリのラーメン 山本益博 LEON.JP
50年前の1973年10月21日、羽田からアンカレッジ経由で、初めてパリへ出かけた。「フランス料理の旅」事始めだった。西も東も分からぬまま「ミシュラン」片手に、パリを始め、リヨンのポール・ボキューズ、ヴィエンヌの「ピラミッド」へ出かけてきたのだった。

着いた晩からフランス料理を昼夜と食べ続けたものだから、リヨンへ出かける前の晩、無性に和食が恋しくなってしまった。そこで、オペラ通りにある日本料理店へ入ったのだが、刺身にてんぷら、焼き魚など定番の日本料理が並んでいて、そば、うどんがない。おつまみをとり、仕方なく「にゅうめん」を注文したのだが、温かいそうめんではすこしも満足できなかった。
パリのラーメン 山本益博 LEON.JP
▲ 今回訪れたパリ。左はセーヌ川、右はエッフェル塔。
それから数年経って、オペラ通りを少し入った横丁、サンタンヌ通りに日本食の店が立ち並ぶようになり、いつしかラーメン専門店も出来るようになった。中華街ならぬ、日本料理店街である。そこで、ついラーメン屋へ入ってみたのだが、これが豚骨とにんにくの匂いが鼻に付くほどのラーメンで、最後まで食べずに店を出てしまった。

毎年フランスへ出かけ、本場のフランス料理に慣れてくると、しだいに日本食は恋しくなくなり、日本料理店のお世話にならなくなった。
そして、1980年代になると本格の日本料理店が誕生し、「ミシュラン」ガイドに載るまでになった。「衣川(KINUGAWA)」がそれである。

さらに、四国のうどん屋「国虎屋」が出来、私の「フランス料理の旅」もフランス料理は1日1食となり随分と楽になった。いまでも、「国虎屋」のうどんでほっとするときがしばしばある。

いまでは、本格のそば専門店「EN」も、うなぎの「野田岩」もパリにある。
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行列することの嫌いなフランス人が開店前に30人は並んだだろうか

パリのラーメン 山本益博 LEON.JP
ラーメンも例外ではない。今回、行列ができるほどの人気があるというラーメン専門店へ行ってきた。パレロワイヤル近くにあって、その名も「KODAWARI RAMEN TSUKIJI」という。

11時45分開店とのことで、11時を少し回ったところで店に着くと、一番乗りだった。すると、つぎからつぎへと人がやってきて、みるみるうちに、開店前に30人は並んだだろうか。行列することの嫌いなフランス人にしてみれば、極めて稀と言うほかない。
パリのラーメン 山本益博 LEON.JP
扉が開いて、店内に案内されると、なんと、今はなくなってしまった「築地」の場内風景が再現されているではないか。BGMまで「築地」の喧騒音が流れている。

3人で出かけたので、私は「鯛の清湯」あとの二人は「鰯の醤油」そして「オマール・マゼメン」を一つ注文した。
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パリのラーメン 山本益博 LEON.JP
▲ 「鯛の清湯」はスープも麺も本格で、しかも塩分は控えめ。
この鯛の出汁が十分に出た「鯛の清湯」が、予想以上の美味しさだった。スープも麺も本格で、しかも塩分は控えめ、往年のパリのラーメンとは隔世の感がある。「鰯の醤油」は、二人の感想では、いわしの生臭さが日本人なら気になってしまうとのことだった。「オマール・マゼメン」は、フランスならではの「ラーメン」で、オマール海老が楽しめる立派なラーメンになっていた。
パリのラーメン 山本益博 LEON.JP
▲ 「鰯の醤油」はいわしの生臭さが日本人なら気になる?
パリのラーメン 山本益博 LEON.JP
▲ 「オマール・マゼメン」は、フランスならではの「ラーメン」。
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ご主人はフランス人とのこと、ラーメンに魅せられ、店を開くまでに至ったと。メニューには「鯛の白湯」まであり、次回、パリにやってきたら、今度はこれを食べてみたいなと思う。
ボナペティ!
パリのラーメン 山本益博 LEON.JP
▲  「鯛の清湯」を食べる筆者。

KODAWARI RAMEN TSUKIJI 
HP/kodawari-ramen.com

山本益博 LEON.JP  ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博 YouTube  MASUHIROのうまいのなんの!

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日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!

「山本益博のラーメン革命!」、他の記事はこちらから!
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