• TOP
  • GOURMET
  • 八重洲地下街「東京ラーメンストリート」で期間限定の函館ラーメンを味わう!

2023.02.26

【第26回】東京駅「函館麺厨房あじさい」

八重洲地下街「東京ラーメンストリート」で期間限定の函館ラーメンを味わう!

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

CREDIT :

文・写真/山本益博 編集/森本 泉(LEON.JP)

山本益博 LEON.JP 東京ラーメンストリート
▲ 東京ラーメンストリートの「ご当地ラーメンチャレンジ」。
東京駅八重洲口の地下街の一画に「東京ラーメンストリート」がある。ラーメンファンならよくご存知の「六厘舎」「斑鳩」などの有名店が並び、いつも行列が絶えない。その中に「ご当地ラーメンチャレンジby東京ラーメンストリート」というPOP-UPラーメン専門店がオープンしている。

スタートは今から2年半ほど前、2021年7月で第1弾は戸塚「支那そばや」だった。店を開いて3カ月ほどすると、店が交替し、第2弾は熊本「天外天」、第3弾は佐野「麵屋ようすけ」、第4弾は「金澤濃厚中華そば神仙」
、第5弾が青森「中華そば ひらこ屋」と、全国のラーメンの名店が代わる代わる東京駅地下に出店し、ラーメンファンを喜ばせてきた。現在は「函館麺厨房あじさい」が出店中である。
山本益博 LEON.JP 東京ラーメンストリート 支那そばや
▲ 第1弾、戸塚「支那そばや」の「醤油らぁ麺」。
山本益博 LEON.JP 東京ラーメンストリート 支那そばや
▲ 「ラーメンの鬼」の異名で知られた故・佐野実氏が創業した「支那そばや」。
PAGE 2
私は第1弾の時、戸塚の店に出かけたことがなかったから、これ幸いと早速出かけ、とても美味しかったので、その後まもなく戸塚まで足を伸ばし、本店でふたたび味を確かめてきたのだった。
「ラーメンチャレンジ」すべての店を食べているわけではないが、第5弾の青森「中華そば ひらこ屋」のラーメンをいただくと、青森まで出かけ、本店で食べたくなった。
山本益博 LEON.JP 東京ラーメンストリート ひらこ屋
▲ 青森「中華そば ひらこ屋」の「濃⼝煮⼲しそば」。
この手のPOP-UPレストラン、私もかつて考えていたことがあった。デパートの食堂街の一画に「THE Restaurant」という名のレストランを作り、そこに全国から月替わりでフランス料理の名店がやってくるというもの。残念ながらそのアイデアは没になってしまったが、今でもこの企画悪くないと思っている。 
さて、この「ラーメンチャレンジ」の第6弾の「函館麺厨房あじさい」だが、一番の売りは「㊕塩」。店の紹介文では「スープは北海道南産の昆布やホタテ、氷下魚などの各種海産物に豚骨、鶏ガラなどをじっくり煮込んで炊き出し」たという。
山本益博 LEON.JP 東京ラーメンストリート 函館あじさい
▲ 「函館麺厨房あじさい」の「㊕塩」。
PAGE 3
食べると、思いのほか淡味で、塩を感じさせない「塩」味のラーメンに仕上がっている。札幌が「味噌」、釧路が「醤油」なら、函館は「塩」だという。後日、改めて出かけて「醤油」を注文してみたが、やはり「塩」に軍配を上げたい。

食べている時に気になったのが、店内に掲示してある「東京駅限定メニュー」の「ぶり節みその燻製チャーシュー麺」である。

紹介文によると「近年、函館でぶりの水揚げが増加している状況を受け、有志の方々と試行錯誤しながら開発した旨味たっぷりのブリパウダーに、時間をかけて燻製したチャーシューと味噌ベースのスープが調和したここでしか食べられない一品です」とある。
LEON.JP 東京ラーメンストリート 函館あじさい
▲  「函館麺厨房あじさい」の「ぶり節みその燻製チャーシュー麺」。
これまた、日を改めて店に出かけ食べてみると、ぶり節の威力もさることながら、味わいあるチャーシューが盛られた、美味しい味噌ラーメンを堪能した。テーブル上の仕切りの透明板に「味が濃いと感じたお客様はスタッフにお申し付けください。『特製ダシの割りスープ』をご用意いたします」とあった。そこで、「割りスープ」を申し出ると、スープがなんとそば屋で見かける小さな湯桶に入って出てきた。なんという粋な配慮!

この「ラーメンチャレンジ」での「函館麺厨房あじさい」は4月19日までで、その後、最終の第7弾が待っている。

東京で常時、函館ラーメンが食べられないものかと探していると、荻窪に「函館塩ラーメン五稜郭」があった。早速出かけて「塩ラーメン」を注文した。「昆布と帆立の出汁を豚骨清湯と合わせたスープ」に細麺、細メンマ、それに香り高い味わい深いチャーシューとお麩、青味のネギが添えてある。
PAGE 4
山本益博 LEON.JP  函館ラーメン 五稜郭
▲ 「函館塩ラーメン五稜郭」の「塩ラーメン」。
山本益博 LEON.JP  函館ラーメン 五稜郭
▲ 「函館塩ラーメン五稜郭」の外観。
これが見事なスープ、麺、具の三位一体のバランスが取れていて、破綻がない。一杯から清冽、簡潔、清澄、などの言葉が浮かぶ。時流に乗らない、時代に媚びない。我が道を往く、清々しい一杯。さらに店は清潔、簡潔で申し分なしである。

東京ラーメンストリート

場所/東京駅⼋重洲南⼝地下1階(東京駅⼀番街 地下1階)
HP/東京ラーメンストリート特設 | 東京駅一番街 

函館塩ラーメン五稜郭

住所/東京都杉並区天沼3丁目28-7
営業時間/水~日曜日(11:30~17:00、売り切れ次第終了)
定休日/月・火曜日(祝日は営業)

山本益博 LEON.JP  ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博 YouTube  MASUHIROのうまいのなんの!

山本益博さんがYouTubeを始めました!

日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!

「山本益博のラーメン革命!」、他の記事はこちらから!
PAGE 5

登録無料! 最新情報や人気記事がいち早く届く! 公式ニュースレター

人気記事のランキングや、Club LEONの最新情報などお得な情報を毎週お届けします!

登録無料! 最新情報や人気記事がいち早く届く! 公式ニュースレター

人気記事のランキングや、Club LEONの最新情報などお得な情報を毎週お届けします!

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        八重洲地下街「東京ラーメンストリート」で期間限定の函館ラーメンを味わう! | グルメ | LEON レオン オフィシャルWebサイト