男前なシャツアウターはどう着こなすのが正解か？

トレンドアイテムであるだけに、生地や色のバリエが豊富に揃うシャツアウター。今回は、厚手の生地、ダークカラー、両胸ポケットと、いわゆるこの秋冬シーズンで大本命のタイプに絞ってみました。

前述の3条件が揃ったシャツアウターといえば、いわゆるファティーグシャツやCPOシャツ。ともにミリタリーが出自とあって言うまでもなく無骨です。ゆえに、こちらのアイテムも、本特集のキモであるマイルド（＝優しさ）とワイルド（＝男らしさ）のバランスが重要になってくるのです。

まず生地選びが重要で、コーデュロイやメルトンといった暖かみのある生地を選ぶことで、無骨ななかにも優しさを匂わせられます。さらに、色はダークカラー。「えっ？ 無骨に戻っちゃうんじゃない？」と思った方、それでいいんです。インナーを明るめにすることで、無骨なアウターとのギャップが生まれ、柔和な雰囲気も醸し出されるのです。

あとは、ニットパンツやスエードブーツといったボトムスとのバランスを。シャツ自体である程度硬軟の両立ができているので、足元に無骨さを足すのもアリですよ。

適度にゆとりがあるボックスシルエットに、大型のフラップ付き胸ポケットがふたつ。ミリタリーのファティーグシャツがベースとなったコチラは、コーデュロイ生地にすることで無骨さのなかに優しさをにじませます。そして、インナーには白タートル、パンツにはニットを。クリーンな色とやわらかなドレープにより、全身黒でまとめながらもほどよく力が抜けた印象にまとまります。

本来ならカントリーな印象が強いコーデュロイですが、黒でなら都会的な印象に。ミリタリーなファティーグシャツの無骨さを抑える意味でも、効果ありです。そこにクリーンな雰囲気を足すタートルネックの白ニットは、ハイゲージで編み上げたもの。そのなめらかな風合いも、コーデュロイで陥りがちな野暮ったさを払拭することに、ひと役買っています。

トップスにパンツ、足元まで黒でまとめながらも無骨さに終始せず優しさが漂うのは、今シーズンのトレンドアイテムでもあるニットパンツのおかげ。とはいえ、コーデュロイとニットの組み合わせは、温かみ転じて気抜けた感じになりがち。そこで、足元はガツンとトレッキングブーツを。この重さが、全体を引き締めてくれます。

アメリカ海軍下士官が着用していたCPOシャツは、甲板作業用とあって地厚なのが特徴です。採用する生地で最もポピュラーなのが、ネイビーのメルトン。両胸ポケットにミリタリーらしい無骨さをにじませながら、暖かみのある生地はどこかやさしさも。ウールのグレスラにスエードチャッカーとなら、ちゃんと大人にアップデイトされたアメカジを楽しめます。

定番で使われる地厚なメルトン地は保形力があり、裏地付きの襟の立ち具合がビシッとキマりやすいのが魅力。ゆえに、ゆったりシルエットを前開けして着ても端然とした着姿になってくれます。その結果、ヘンリーネックにフラットシームのカットソーなんていう無骨なインナーとも、意外に品良くまとまってくれちゃうんです。

ネイビーと好相性な色といえば、やっぱりグレー。インディゴデニムじゃなくグレスラにすることで、ミリタリーなCPOシャツも大人な品の良さを纏います。足元には、スエードのデザートブーツを。シャツと同じくミリタリーが出自で、無骨さと優しさをまさしく両立するシューズです。メルトンの風合いに、スエードの質感がマッチします。