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2021.07.18

プロが伝授。大人は夏、どんな靴をどう履くのが正解?

軽装によって足元の存在感が高まる夏は、靴のセレクトがいつにも増して重要になります。そこで、今夏履きたい靴&こなし方について、敏腕スタイリストに取材。今回は四方章敬さんに、レザーのエスパドリーユ&ルームシューズ風スリッパのコーデ実例を披露してもらいました!

CREDIT :

写真/椙本裕子 文/秦 大輔 構成/長谷川茂雄

リラックスして履けるのに上品! 夏靴のツボは二面性にあり

メンズ誌のドレススタイリング企画は、今やこの人物なしでは成り立たず! ファッショニスタとして取材されることも多い四方さんが“今夏履きたい靴”に挙げたのは、「レザーのエスパドリーユ」と「ルームシューズ風のスリッパ」でした。

共通する魅力は「リラックスして履けるのに印象は上品」な二面性と四方さん。どちらの靴にも洒落者御用達のリゾート靴といった憧れがある反面、履きこなすのは難しそうに思えますが、四方さんは「エスパドリーユは今夏気分な“上下白”のスタイルに、スリッパは気軽なオンスタイルに合わせたいですね」と、これまた意外性満点なこなし方を提案します。

でもいざコーディネート実例を見れば、これが実にエレガント! しかも案外着こなしはシンプルとあれば、真似しない手はないでしょう。

というわけでそれぞれの靴の履きこなし方について、ツボをみっちり解説してもらいました!
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◆ 四方さんの夏靴 #01 「ラルフ ローレン パープル レーベルのエスパドリーユ」

リゾートスタイルの粋を体現するレザーのエスパドリーユ

▲ バッグ13万4000円/リモワ(リモワ クライアントサービス)、コート8万9000円/マッキントッシュ(マッキントッシュ青山店)、パーカ14万6000円/マロ(三崎商事)、パンツ2万6800円/ルクシー(同興商事)、シューズ5万9000円/フィリップモデル(トヨダトレーディング プレスルーム)
見るからに上質なレザーのエスパドリーユは、明るいブラウンの色味にひと目惚れして昨年購入。レザーアッパーならではの上品なルックスもお気に入りだと四方さんは言います。

「エスパドリーユは夏のリゾートスタイルを象徴する存在。カジュアルな靴ではありますが、あまり安価なものだとせっかくの大人っぽさが損なわれますし、すぐにダメになってしまいます。持ち前のエレガンスを活かすためにも、素材や作りの上質にはこだわりたいですね」。
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上下白のリゾートスタイルに、明るいブラウンが映える

▲ バッグ[W21.5×H13×D7cm]13万4000円/リモワ(リモワ クライアントサービス)、コート8万9000円/マッキントッシュ(マッキントッシュ青山店)、パーカ14万6000円/マロ(三崎商事)、パンツ2万6800円/ルクシー(同興商事)
「このところ仕事で提案することが多く、僕自身も気になっているのが“上下白”のスタイリング。白という色の持つ上品な印象は、やはり他には代え難いものがあります」という四方さん。キザに見えやしないか心配される向きもあるかと思いますが、その問題については「パンツにはショーツを選んで、面積を減らしてあげるのが自然体で着こなすコツ」と続けます。

そして仕上げの重要なパートを担うのが、件のエスパドリーユ。「靴まで白だと全身真っ白になってしまいますし、かといって黒や濃茶ではコントラストがキツすぎる。すると、このくらいの明るいブラウンが、いい感じにアクセントがついて悪目立ちしないベストチョイスになるんです。リゾート調のスタイルとの相性はいわずもがな。こういう服装で軽井沢とか歩いてみたいですね(笑)」。
「トップスには、ざっくりしたコットンのローゲージニットを。編みが粗いほうが寛いだ雰囲気が出るので、リゾートスタイルを装うのにぴったりです。ちなみに今日着ているのはスローンの一枚ですが、ジャストサイズより1つ上のサイズを選ぶのも、寛いだ雰囲気を表すコツですね」。
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「パンツはリネンショーツを。こちらもニットと同様、ゆったりめのシルエットのそれを選んだほうがリゾートテイストが活きます。上下で素材感を変えるのも、立体的な表情を作るポイントです」と四方さん。

ちなみに愛用の時計はパテック フィリップのアクアノート。「上下が白の服で時計がゴールドとなると目立ちすぎますし、ちょっとイヤらしい感じに。時計は万能なSSブレスレットの一本を選ぶのがベストでしょう」。
明るいブラウンのレザーアッパーに、ベージュのジュートソール、アイボリーのステッチが織りなす優しげなナチュラルテイストも、この靴の醍醐味。「ソックスが覗いてしまうと興ざめなので、履く時は素足履きが基本です」。
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◆ 四方さんの夏靴 #02 「ブライスランズ×ボウヒル&エリオットのバンプシューズ」

ローファー感覚で品よく履ける、ルームシューズ風のスリッパ

▲ パンツ6万円/ニート(にしのや)、ブルゾン14万9000円/ヴァルスター(八木通商)、シャツ2万5000円/ジャンネット(トヨダトレーディング プレスルーム)、スカーフ9000円/アーディ&シー 1956 ミラノ(インターブリッジ)、リング3万4000円/トムウッド(ステディ スタディ)、シューズ7万円/パラブーツ(パラブーツ青山店)、その他スタイリスト私物
ドレス好きが詣でる原宿の名店、ブライスランズで購入したこちらは、ギリシャのスリッパがモチーフという一足。薄身のソールに色気を滲ませながら、実はメイド・イン・UKの本格派という意外性がまたツウ好みです。「ルームシューズとローファーの間のような珍しいデザインがお気に入り。いい具合に力が抜けていながら印象は上品なので、夏場のドレススタイルのハズシに活用しています」。
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夏のドレスは、白シャツをジャケット代わりに

▲ ブルゾン14万9000円/ヴァルスター(八木通商)、パンツ6万円/ニート(にしのや)、シャツ2万5000円/ジャンネット(トヨダトレーディング プレスルーム)、スカーフ9000円/アーディ&シー 1956 ミラノ(インターブリッジ)、リング3万4000円/トムウッド(ステディ スタディ)、その他スタイリスト私物
「シャツをジャケットに見立てて着た、僕なりの夏のオンスタイルです。大切なのは、リラックスしながらちゃんと見えるバランス。スニーカーだと印象がくだけすぎてしまうので、このくらい力の抜けた革靴がちょうどイイんですよ。ちなみにシャツは、シャルベのブロードシャツ。ドレスシャツをあえて洗いざらしで着て寛いだ表情を出すのも、ちょっとしたポイントです」。
▲ シューズ7万円/パラブーツ(パラブーツ青山店)、パンツ6万円/ニート(にしのや)
「一般的なラウンドタイプのシャツだと、裾をアウトした際にだらしなく見えてしまいます。その点、裾がスクエアにカットされたシャルベのシャツは端正な印象なので、アウトで着るにもバランスがいい。上と下のボタンを外して着ると、ちょうどジャケットのようなXラインが生まれてニュアンスが付きますよ」と四方さん。

腰にはアクセントとして、ハイゲージニットをひと巻き。「袖を結んだコブで、インナーのTシャツの裾が落ちすぎないよう留めるのもコワザです」。
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「スーツで着るにはやや派手なストライプ柄も、パンツだけなら悪目立ちせずいいアクセントになってくれます。ちなみに今日はいているのは、ベルウィッチの“スコッチ”というモデル。2タックを入れて太腿にゆとりを設けた、リラックス感のあるテーパードシルエットが大好きです」。
「エスパドリーユと同様、ソックスが覗いてしまうと台無しですから、靴は素足履きで。なおソールが薄く、ボリューム感が控えめなので、パンツはクッションのつかない九分丈が好相性です。ベルウィッチのこのパンツのように、裾が狭まったテーパードのそれを選ぶとバランスよく決まりますよ」。

● 四方章敬(しかた・あきひろ)

1982年、京都府生まれ。スタイリスト武内雅英氏に師事し、2010年に独立。ドレスファッションに精通し、LEONをはじめメンズ誌各紙から引く手数多のトップランナーの一人だ。最近はまたショップやブランドのアイテムプロデュースを手掛けるなど、活躍の幅を広げている。

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