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2021.06.25

現地からお届けします! 海治郎のパリコレ&ピッティ どす恋(こい)日記【3】

【パリコレ速報】今一番イケてるフレンチブランドはイザベル マランです!

2022年春夏シーズンの「パリ・メンズ・ファッションウィーク」の“今”をファッションジャーナリストの増田海治郎さんが日記形式でお届け。3回目はイザベル マランについてです。

CREDIT :

文/増田海治郎

6月9日、フランス政府は観光客の受け入れを表明し、特段の理由がなくてもフランスに入国できるようになりました。すぐさま思い立ってパリへ飛んだのは、ファッションジャーナリストの増田海治郎さん。2022年春夏シーズンのパリ・メンズ・ファッションウィークを中心に、フランスの今をリポートしていただきます。3回目はイザベル マラン。

イザベル マランがイケてる理由

この2年ほど「今もっともイケてるフランスのブランドは?」って聞かれた時は、カサブランカ(Casablanca)とイザベル マラン(ISABEL MARANT)って答えることにしています。前者はストリートとエレガンスを高い次元で融合させた本当にイケイケのブランドですが、後者はもしかしたら首を傾げる人も多いかもしれません。

イザベル・マランさんは1967年パリ生まれ。85年にスタジオベルソーに入学し、卒業後にインド、アフリカなどを放浪。87年からミッシェル クランで経験を積み、その後はマーク・アルコーリのアシスタントとして、クロエやヨウジヤマモトのアートディレクションに関わります。88年にはニットとジュエリーのブランド「TWEN」をスタート。94年にイザベル マランを設立し、1995年春夏からショー形式でコレクションを発表しています。

25年以上のキャリアを持つベテランで、日本でも表参道に直営店があるので、ご存知の方も多いかと思います。彼女のクリエーションのベースにあるのは、青春時代を過ごした80年代のパリの匂いと、バックパッカー時代に培ったヒッピー的なテイスト。ボディコンシャスなドレスは80年代のパリのナイトシーンを連想させますし、パステル調のカラフルなニットは80年代の学生生活、サンタフェ&ウエスタン風のシャツやブーツはボヘミアンなライフスタイルを連想させます。

モードの世界では長らく80-90年代ブームが続いていますが、はっきり言ってイザベル以上にこの時代の空気感、匂いを内包しているブランドは他にありません。でも当時の回顧ではなくて、今の空気もちゃんと捉えているのが本当に素晴らしいのです。
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▲ 2022年春夏コレクションのルック写真。ジャンプしている構図が面白くて、なんか見るだけで元気が出ます。
2022年春夏のキーワードとして挙げられるのは、80-90年代のスポーツウエア、カリフォルニアのカジュアルさ、アウトドアの質実剛健さなどです。発表方法は動画ではなくルック写真のみ。でも、そのかわりにパーティーを開催するという情報が飛び込んできたのは、2日前のことでした。会場はパリ・ブルスにある旧証券取引所。以前は合同展のトラノイが開かれていた会場で、ファッションの世界ではなじみのある建物です。

レピュブリック近辺でふたつのパーティーに顔を出し、ウーバーで会場に着いたのは、ライブパフォーマンスが始まる10分前の20時20分。この建物の象徴的で威厳のある柱を、最新コレクションのルックでラッピングしちゃってます。いや〜マジかぁ(笑)。この素晴らしい演出を目の当たりにして、卒倒しそうになっちゃいましたよ。

パリの美しいPR女子に名前を伝えて、会場に入ります。比較的クローズドなパーティーで、ゲストは150〜200人くらいでしょうか。イザベルさんと一緒に歳を重ねてきた妙齢の男女が中心で、平均年齢は50歳を超えていると思います。でも中高年の集まり的な雰囲気は一切なくて、みなさんとても華やかでお元気です。

建物に入る階段には、クーラーボックスに入ったフードとシートのピクニックセットが置かれています。僕はあまり特権階級的な遊びが好きではなくて、外から丸見えで正直少し気が引ける部分もありましたが、シャンパンを2杯飲んだら楽しくなって周りは気にならなくなりました。“忍法アルコールの術”ってやつです(笑)。
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2人組の男性デュオ、Faux Pealは80年代に冷凍保存され、この日のために解凍されたような音を奏でていました。なんていうか、服に例えるとパーソンズとかアーストン ボラージュなかんじ(笑)。ダンスも面白すぎて、自然と体が動き出します。ここにきて、シャンパンはもはや水になりました。

気分が上がってきたので、会場の素敵な男女にお声がけして写真を撮りまくりました。もちろんイザベルさん本人も! せっかくなので会場で撮った素敵なスナップを紹介しましょう。
▲ 左のおやじさんはザ・80'sなカラーパレットを完璧に着こなしています。右のニットの青年も爽やかで素敵ですね。
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▲ 素敵な笑顔が印象的だったマダム。おそらくフランスファッション界の重鎮だと思われます。右はフランス版AMIAYA的なDJデュオ。若い子にもイザベルの服はもちろん似合います。
▲ イザベルさんの服はやはり本人が一番似合います。この鍛えられた素敵なおみ足は流石の一言。赤いニットが素敵すぎます。
この日イザベルさんに教わったのは、コロナのために人生を我慢しすぎるのは損だということ。全人類にワクチンが行き渡ったとしても、あと数年は患者がゼロになることはないでしょう。

パリでは屋外でのマスクの着用義務が6月20日からなくなったのですが、昼間は体感的には2/3の人がマスクをしています。建物の中ではまだ義務なので、食事中にトイレに立つ時はマスクをしていないと注意されます。地下鉄やタクシーでもそれは同じです。

でも、夜はみんなノーマスクで楽しくワイワイ飲んでいます。コロナと共生しながら楽しく生きていくことを、パリの多くの人たちは既に選択しているのです。なんでも欧米を見習う時代はとうに過ぎていますが、まだまだ見習うことはあると感じました。

イザベルさん、本当にありがとうございました。こんなに楽しいお酒の場は久しぶりでした。それでは、また明日!

● 増田海治郎

1972年埼玉県出身。神奈川大学卒業後、雑誌編集者、繊維業界紙などを経て、2013年にフリーランスのファッションジャーナリストとして独立。メンズとウィメンズの両方に精通しており、モード、クラシコ・イタリア、ストリート、アメカジ、古着までをもカバーする。

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