名前はわからないけど、アナタのことは覚えてる……「名も無きフレーム」
街でふと目にした女性の後ろ姿や、一夜だけともにした女性の横顔が何年経っても脳裏に焼きついて離れない……っていう経験はありませんか? それって、相手が名も知らぬ人ゆえの現象なのかもしれません。名前という記号に結びつけられないからこそ、いつまでも気になってしまう。今回ご紹介するのは、そんな神秘を醸すメガネです。
【1】 リガーズ×オブジェ
シンプルなようでクセありな非定型

▲ 要はひと目惚れさせるメガネってことです 人は見るものすべてを無意識のうちにカテゴライズする生き物。それゆえ分類不能という違和感は強烈な印象を残します。どんな型とも言い表せない未知の存在だからこそ、もっと知りたいという欲求に駆られてしまうのですね。その心理は、ひと目惚れにも似たメカニズムといえましょう。メガネ9万9000円/リガーズ×オブジェ(オブジェ・イースト) 、シャツ14万8500円/アルマ(ノウン)、ネックレス10万4400円/トムウッド(トムウッド 青山店)、そのほかはスタイリスト私物
前衛的なブランド、リガーズとオブジェのコラボによって生まれた一本は、ラウンドシェイプの下半分をぐにゃりと歪めたような独特の造形。細身のフレームですが、なんとも気になる佇まいです。ノーズパッドのない一山式で、サドルブリッジはシルバー925製。

▲ メガネ(上)14万6300円/アコニ(ジョイエブリタイム)、(中)5万2800円/サヴァージュ(プライベート アイズ アンド トラッカーズ)、 (下)5万600円/アイヴァン(アイヴァン 東京ギャラリー)
上/【2】 アコニ
正体不明な掴めなさが魅力です
往年の飛行士用ゴーグルを思わせるフード、アビエイターグラスを想起させるレンズシェイプなど、クラシカルな世界観を基調としたデザイン。とはいえ、普通のティアドロップとは一線を画す変形フォルムでアクの強さを演出しています。掴めない雰囲気が魅せドコロ。
中/【3】 サバージュ
これぞハイブリッドの極致です
メタルフレームとして誕生したデザインをセルフレームで表現。ツーブリッジで、目尻をキュッと吊り上げたV字型のフレーム。さらにテンプルにはドラゴンのウロコを思わせる型押し模様も施され、細かいところもヌカリなくデザインされた一本です。
下/【4】 アイヴァン
シンプルなのに型破りなニクいヤツ
無理やりに分類すればスクエア型となりますが、どうもその枠には収まりきらないクセモノ。1950年代のフレームスケッチに2000年代初頭のムードを掛け合わせたという、世紀をまたいだデザイン。チタンリムをクリアアセテートで挟み込んだ造形も際立ちに貢献。
メガネの定型と比べてみると……
型を知らねば、その変形には気付けません……てことで、メガネの基本型をここに総まとめ。以下の定番と今回紹介したメガネとを見比べると、改めてどこにもハマらないデザインであることがわかりますよね。名前という形で記録されないからこそ、強く記憶に残るのですよ。

2026年3月号より
※掲載商品はすべて税込み価格です
■ お問い合わせ
アイヴァン 東京ギャラリー 03-3409-1972
オブジェ・イースト 03-3538-3456
ジョイエブリタイム 03-5937-1965
トムウッド 青山店 03-6447-5528
ノウン 03-5797-8950
プライベート アイズ アンド トラッカーズ 070-1577-2666














