2023.03.05
敏腕スタイリストに聞いた! 今気になるサステナアイテムは!?
「サステナブル」は、ファッションシーンでも外せないキーワード。とはいえ、そもそもファッションの醍醐味は、着飾ることの楽しさや満足感のはず。であれば、環境保全もお洒落も同列で追求できれば最高です。それを体現するアイテムとはどんな物なのでしょうか? スタイリスト四方章敬さんに聞いてみました。
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写真/鈴木泰之(Studio Log) スタイリング/四方章敬 文/秦 大輔 編集/長谷川茂雄
ファッションの楽しさとサステナブルの両立こそが格好良い
ですが、改めて意識してみると、今やあらゆるアイテムが、環境を意識したモノづくりをしていることに驚きますね。多くのメゾンが積極的な取り組みをしていて、感銘を受けることも増えました」
そう語るのはLEON.JPはもちろん、あらゆるファッション媒体で活躍し、多忙を極めるスタイリスト、四方章敬さん。

では、四方さんが共感を覚えるサステナブルなアイテムとはどんなものなのでしょうか?
まず、いの一番に挙げてくれたのが、「ジョンロブ」のスニーカー、“ノーフォーク”でした。
◆ 四方さんが気になるサステナアイテム その1 「ジョンロブ」のノーフォーク
実はリサイクルキャンバス!?な上品デッキスニーカー

「それだけにリサイクルキャンバスを用いたスニーカーというのは新鮮に映りますし、面白いですよね」と四方さん。
共感を覚える一番のポイントは、貫かれている「妥協のないモノづくり」とのこと。

実は、革靴同様、アッパーとソールを直に縫い合わせるブレイク製法で丁寧に作り込まれた逸品。リサイクルキャンバスのアッパーにも高級感が宿っています。
「サステナブルだからと何かを犠牲にしていない。そこがまず魅力的ですし、環境保全とファッションの醍醐味を両立させた理想の姿だと思います」
そんな四方さんに、このシューズを活かしたコーディネートを提案してもらうと……
◆ 「ジョンロブ」のノーフォークを活かした着こなし実例
足元の品のよさが際立つ華やかコーデ

主役に添えたのは、リネンのナチュラルな風合いが活きたブラウンのコート。さらにチラリと見えるインナーのピンクのニットが差し色として効いています。
「クリーンな印象のシューズなので、スモーキーカラーとも好相性ですね」と四方さん。軽やかにして品格十分。まさに“ノーフォーク”の魅力を体現するスタイルといえましょう。
◆ 四方さんが気になるサステナアイテム その2 「ロロ・ピアーナ」のカシミアニット
飼育からサステナブルに取り組んだ、至高の名品

「元々、上質な原毛を使っているロロ・ピアーナのカシミアニットは好きだったのですが、カシミア自体がサステナブルなアイテムであることを知って、さらに一目置くようになりました」
ロロ・ピアーナは2009年よりカシミア生産を促進するプロジェクトに取り組み、山羊1頭あたりの採取量を高く維持しながら、より細く高品質な繊維が得られるように品種改良を進めてきたそうです。
飼育頭数を抑えても収益が上げられるこのロロ・ピアーナ・メソッドは、環境を守り、かつ中国の牧場や内モンゴルの遊牧民ら生産者の生活水準を高めることにも貢献してきました。

結果いつまでも愛用したくなるというのも、サステナブルの大事な一要素といえましょう。
「世の中のエコロジーの意識が高まり、なぜそれが重要なのかを皆が考える時代になりましたが、ファッションの醍醐味まで失われたり、制限されてしまう必要はないはずです。
やはりファッションの楽しさと環境の両立を目指すブランドに共感を覚えますし、そんなサステナブルなアイテムをさり気なく取り入れていけたらいいですね」(四方さん)。

● 四方章敬(しかた・あきひろ)
1982年、京都府生まれ。スタイリスト武内雅英氏に師事し、2010年に独立。LEONをはじめ、メンズ誌各紙から引く手数多のトップランナーの一人。最近は「ブリティッシュメイド」のアイテムプロデュースやニットブランド「スローン」のプロデュース(23年AW〜)を手掛けるなど、さらに活躍の幅を広げている。
■ お問い合わせ
エスディーアイ 03-6721-1070
ジョン ロブ ジャパン 03-6267-6010
トゥモローランド 0120-983-522
ロロ・ピアーナ ジャパン 03-5579-5182