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2023.01.25

海治郎のピッティ&ミラノ&パリコレ どす恋(こい)日記【1】

【ピッティ速報】カジュアルな羽織りがキテます

2023-24年秋冬シーズンの「ピッティ・イマージネ・ウオモ、ミラノ&パリ・ファッションウィーク」の“今”を、ファッションジャーナリストの増田海治郎さんが日記形式でお届け。1回目は第103回「ピッティ・イマージネ・ウオモ」の速報リポートです。

CREDIT :

文/増田海治郎

3年ぶりにピッティに活気が戻ってきた!

ピッティに活気が戻ってきました! 出展ブランド数は約800ブランドで、1月10日〜13日までの会期中に1万8000人が来場。イタリアのバイヤー数は190%増の9000人超で、海外バイヤー数も260%増の4500人。この3年は出張を控えていた日本の大手セレクトショップのバイヤーの姿も見られ、会場にはかつての熱気みたいなものが充満していました。
でも、イタリアのメインどころのブランドがミラノの自社ショールームで見せる流れに変わりはなく、日本に代理店があるようなブランドは少数派。ゆえにジャケットやパンツなどの細かなトレンドの把握が難しくなってきているのに変わりはないのですが、今シーズンは多くのブランドがサファリジャケットやシャツジャケットのバリエーションを増やしていました。とくに4ポケットのカジュアルジャケットは、一大トレンドになりそうな気配が漂っていましたね。
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今回のピッティ、注目ドレス系アイテムは?

「スティレ ラティーノ」は、チェックの3ポケットのカジュアルなジャケット
▲ 「スティレ ラティーノ」は、チェックの3ポケットのカジュアルなジャケット。
「ベルヴェスト」のノーカラーのジャケット
▲ 「ベルヴェスト」のノーカラーのジャケット。
「オルビウム」の4つポケットのスタンドカラージャケット
▲ 「オルビウム」の4つポケットのスタンドカラージャケット。
「スティレ ラティーノ」は、チェックの3ポケットのカジュアルなジャケットを提案。インナーにはニットのフーディを合わせていて、カジュアルで軽快なコーデが新鮮でした。

日本の「オルビウム」は、パリの左岸を連想させる4つポケットのスタンドカラージャケット(トロピカル オフィサー ジャケット)を提案。「ベルヴェスト」のノーカラーのジャケットは、ピッティではかなり攻めた提案に思えましたが、その後のミラノのランウェイでも多く見られたので要注目です。

スポーティな合繊のダウンジャケットや機能素材を使ったジャケットは相変わらず豊富。それでも、天然素材と合繊素材を使うブランドがはっきり分かれた印象で、ジャケットを得意とするブランドの多くは改めて天然素材、とくにウールに焦点を当てていたのもトピックのひとつです。
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「ブルネロ クチネリ」のスキーゴーグル
▲ 「ブルネロ クチネリ」のスキーゴーグル。
スポーツ関連だと、クラシックなスキーのテイストを取り入れるブランドも目立ちました。3年後に迫った2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを見据えた動きで、ビッグイベントとファッションが連動しているのはイタリアならでは。

「ブルネロ クチネリ」は、アフタースキーをテーマにしたルックを4体展示。中綿入りのアウターは実際のスキーにも使える機能性を持っていますし、ラグジュアリーなゴーグルまで作る力の入れようでした。

「MC2 St, Barth」はクラシックなスキーヤーをモチーフしたフリースや、イタリアのスキーリゾートをテーマにしたニットやデッキチェアを提案していました。
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ヴィンテージエリアに多くの人が集まった

ヴィンテージのブースも盛況だった。
▲ ヴィンテージのブースも盛況だった。
今回から設置されたピッティ会場内のヴィンテージエリア。イタリアを代表する古着屋が集積された
▲ 今回から設置されたピッティ会場内のヴィンテージエリア。イタリアを代表する古着屋が集積された。
ヴィンテージもその存在感をさらに増しています。そのとっておきの仕掛けとして、今回はピッティ会場内にヴィンテージエリアを設置。イタリアを代表する古着屋を集積してその場で販売するという、過去に例のない取り組みです。

イタリアでも古着人気は高まっているので価格的には安くはないのですが、なかには掘り出し物も。私は60年代のイタリア製のデッドストックの水着を30ユーロで購入しました。

イタリアのアメカジの雄、WP社は自社で所有するアーカイブをテーマ別に展示していて、こちらも人を集めていました。
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日本ブランド勢で注目されたのは?

日本勢はファクトリー系の洗練度がいまいちなブランドが多く、かつてピッティのトレンドセッターだった「ハバーサック」や「ts(s)」らの存在を恋しく感じました。

もちろん、ピッティのみでビジネスにつながりにくい現状はあるのですが、日本にはピッティにピッタリな素晴らしいブランドがたくさんあるので、そうしたブランドを集積したブースを作ったら話題になると思います。

前述のようにこれまでピッティを牽引してきたイタリアブランドの離脱は避けられない流れなので、逆にチャンスだと感じました。
多くの来場者の注目を集めた「J∞QUALITY(ジェイ クオリティ)
多くの来場者の注目を集めた「J∞QUALITY(ジェイ クオリティ)
▲ 多くの来場者の注目を集めた「J∞QUALITY(ジェイ クオリティ)。
そんな中で、多くの来場者の注目を集めていたのが「J∞QUALITY(ジェイ クオリティ)のブース。600社ほどが加盟しているメイド・イン・ジャパンを打ち出す試みで、今回は腕の良い自社工場を持っている11社が参加。全体的なデザイン監修はウィメンズの人気ブランド「ポステレガント」の中田優也さんが手がけていることもあり、洗練度は上々。

ユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏文さんはこの取り組みの中で、イタリアの「カルーゾ」を日本の工場で生産するアレンジを担当しました。
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期間中のショーやインスタレーションに登場したのは?

期間中のショーやインスタレーションは、メインがイギリスの「マーティンローズ」で、ベルギーの「ヤン ヤン ヴァン エシュ」、フランスの「ピエール=ルイ・マシア」らが参加。マーティン ローズは、疾走感溢れるいかにも現代のイギリスらしいストリートスタイルを披露。

肩の線を自由に設定するクリエーションは、保守的なオヤジさんには少し厳しいかもしれませんが、若い淑女受けは間違いなく最高です。

和も含め様々な民俗文化を融合させた〝ヤンヤン〟のショーは、ヨウジヤマモトが好きなオヤジさんにハマりそうな雰囲気。プリントの魔術師ことピエールさんの頭の中が覗けるようなインスタレーションも素敵でした。

そんなわけで、コロナ禍からの回復が鮮明となった103回目のピッティ。次回の6月のさらなる盛り上がりを期待しましょう!

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