ニューバランスの名モデル996を大人に履く方法

今季のシューズは、革靴もスニーカーもどこかにボリューム感を備えたデザインがひとつのトレンドです。ですが、単にボリュームがあるだけでは、大人が履きたくなるモチベーションにはなりませんよね。やはり、魅力的な機能やデザインを兼ね備えていてこそ。

そんな視点でスニーカーを選ぶとなると、機能とボリューム感をバランス良く備えた一足として真っ先に思い浮かぶのが、ニューバランスの996ではないでしょうか？

ランニングスニーカーの名作にして、アメカジ好きをはじめトラッドスタイルのファン、お洒落業界人などから広く支持されている一足です。

しかし普遍的な大定番だけに、そのままシンプルに履くだけではエッジが立たず平凡なルックスになることも……。

お洒落に見せるためには、イマドキと言える幾つかのポイントを押さえつつ、合わせる小物までこだわって履きこなす必要があるのです。

今一度、誰もが愛する名作の大人な履き方を、ポイントを絞って考えてみました。

996は、ニューバランスにおいて傑作と謳われるシリーズである900番台の代表格です。その先駆けとしてまず登場したモデルが、1982年デビューの990。996はその後継版として1988年にデビューしました。

熟成の衝撃吸収機能に加え、ファッションに馴染みやすいルックスやカラーを備えた一足として、世界的に認知度を高めていったのです。

比較的幅広な足型のスニーカーを多彩にラインナップするニューバランスにおいて、この996は「SL-1」と呼ばれるスマートなラスト（木型）を採用したモデル。

ただし他社のランニングスニーカーと比べるとぽってり感が強く、タウン用としても締めつけ感なく履きやすいところが最大の魅力です。

大人のカジュアルスタイルを作りだす場合にハズせないアイテムである、軽快仕立てのジャケット。芯地やパッド類を用いない、いわゆるアンコンタイプが今の主流です。

ちょっと貫録と個性を演出する意味で、今季はキレイめな淡色を使ったダブルブレステッドの一着がひとつのオススメ。春らしい軽快さと同時に大人の重厚感がアピール可能です。

また、足下にライトグレーの996を添える場合は、ダークなパンツでスタイル全体にメリハリを設けましょう。そうすることで春らしく軽やかでありながら、キリッと引き締まったコーディネイトが完成するのです。

996のボリューム感を生かす意味で、重要なポイントとなるのがパンツの太さと丈。写真のように裾の先端がスニーカーに触れないくらいのノークッション、そして若々しさを感じさせる足先に向って細幅となるテーパード型が理想です。

少々素足がのぞくスッキリ感ある足元作りこそ、ボリュームスニーカーの装いをクドく見せず颯爽とした印象に仕上げるコツなのです。

春スタイルを快適に仕上げようとすると、ひとつ困ったことが起こります。それは薄着による“軽過ぎ”に見える問題。そういった難点を解決するアイテムとして、ベストな小物が本格時計です。

今回のような軽快でシンプルなコーディネイトには、スポーティかつ複雑顔のクロノグラフが特にマッチしますよ。

基本的には上記の要素にて、大人っぽいスニーカースタイルは完成します。さらに個性的な洒落感をプラスするなら、以下の二点に留意しましょう。

まずはジャケットの下に着込むＴシャツについて。無地モノだとあまりに平凡過ぎますし、スポーティなロゴモノでは子供っぽく見えてしまう場合も。モノクロのフォトプリントＴシャツなどが、こういったスタイルの引き立て役として実に適役なのです。

さらに衿元にサングラスを掛けておけば胸元の隙間も埋められ、隙のない締まったルックスに仕上ります。“掛けサン”は大人カジュアルにおける「ネクタイ」だと憶えましょう。