2018.07.30

台風逸れるも、モッシュの嵐に呑まれたフジロックの夏

6年ぶりに足を運んだフジロック・フェス。会場は台風のコースから逸れるも、血糊にまみれた美形女性ヴォーカルやベテランバンドASHに煽られた激しいモッシュの嵐に呑み込まれました!

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文/吉田奈緒子(LEON.JP)

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過去に7〜8回、足を運んだ苗場フジロック・フェスティバルのメインステージGREEN STAGEに再び! 
2000〜2005年頃、アメリカ・イギリス・スウェーデンで雨後の筍のように注目のロックバンドが誕生し、日本の夏フェスをとっても贅沢なラインナップで賑わせました。当時はフジロック、サマーソニックともにフル参戦していた吉田ですが、世界的にだんだんとロックの勢力が弱くなってきたここ数年、ヒップホップやダンスミュージックのグループが多く名を連ねるようになると、もはやロックフェスじゃないじゃん、とヘソを曲げ、フジロックから足が遠のいていた次第。しかし、今年は6年振りに行ってきましたよ! 以前からひと目観たいと思っていたバンドが出演すると知り、一も二もなく7月28日(土)の一日券をゲットしたわけですが、ムムッ、台風が来ちゃったじゃないですか!
いやいや、長年観たいと願っていたアイルランド出身のスリーピースバンド、ASHのためなら、たとえ強い雨風に打たれようとも行くでしょ!とばかりに、会社近くの「モンベル」で着脱がラクちんなハイテク素材の雨用ポンチョを急きょ購入。当日は、8:52東京駅発の上越新幹線に乗り、出発です!
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午前中、越後湯沢駅前にはシャトルバス待ちの長蛇の列ができますが、キャンプはしない私のような観客は電車で来るほうがラクちん。
10:20頃には越後湯沢駅に到着。あれ、予想に反して青空が見える。ラッキー! 会場まで行くシャトルバスに乗り込むのに1時間近く順番待ちしましたが、全然苦になりませんでした。標高900mの高原で開催されるフジロックは、とにかく天気が変わりやすい。雨が止まないと寒くて苦行以外の何ものでもありませんし、かんかん照りだと逆に紫外線が強くて否応なしに体力が奪われます。でも、この日は多めの雲が適度な日差しを届けてくれてなんだか過ごしやすくなりそう!なんて、胸を高鳴らせて会場入り。
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注目若手バンドの衝撃的なパフォーマンスに圧倒されて!

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骨太な楽曲ばかりを披露してくれたThe Birthdayは、ちょっと遠目に観ていました。
まずは12:50から、前身のミッシェルガンエレファント時代から男くさくてカッコいいなと思っていたチバさん率いるThe Birthdayのステージを観てウォーミングアップ。50歳になってもトンガっている感じで熱唱する姿がファンを熱狂させていましたが、それにしてもスクリーンが以前より断然高精細になっていて、びっくり!
今年、苗場で20年目を迎えた同フェス。山梨県富士天神山スキー場で開催した初年度の1997年は台風が直撃し、会場は壊滅状態で2日目が中止と知らないまま、東名高速を飛ばすも現地で追い返されたのが懐かしく思えるほど、どこもかしこもよくオーガナイズされているなぁといった印象を受けます。いまでは漫談ライブが行われる小屋があったり、キッズランドが設けられていたり。大小合わせてステージ数は10箇所まで増えていて、その規模感は、2年目の1998年に豊洲で開催された際の2ステージというシンプルさと比べても相当拡大したし、ずいぶん成熟したなぁと。主催者、地元の人々、観客、各音楽会社や環境保護のNPO団体などが一丸となって努力を重ねてきた結果ですね。感服します。
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口から水を吹いて観客を煽った、スタークローラーの女性ヴォーカリスト、アロウ・デ・ワイルド。血糊を口から垂らしながら歌うパフォーマンスは衝撃でした。 スゴすぎ!
で、いよいよASH!という前に、彼らが登場するWHITE STAGEで観ておきたい新人バンドがいまして。STARCRAWLER(スタークローラー)というアメリカ出身の4人組は、若干17〜22歳の若手メンバーながら、事前にチェックしたミュージックビデオでは骨太なギターサウンドと、紅一点、女性ヴォーカリストのアロウちゃんがほっそ長〜い肢体をくねらせるワイルドなパフォーマンスに一瞬で引き込まれてしまったのであります。
 
ステージ前に陣取り、セットチェンジを待つこと約30分。ついに出た〜、アロウちゃん! 最初はノーブラ・タンクトップの出で立ちにハラハラしましたが、モデルばりの美形なのに目玉をひんむき、髪を振り乱して血糊を口から垂らしながらパンキッシュなヴォーカルを炸裂していく姿に、ステージ前のボルテージは一気に最高潮へ。モッシュとダイブが巻き起こるすぐ脇で、女性版イギー・ポップのような彼女に、ただただ圧倒されました。久々です、ライブでこんなにテンションが上がったのは!
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真打ちを、熱狂の渦のなかでついに観られた!

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2004年のフジロックで、室内会場RED MARQUEEのトリを飾ったASHは、各音楽誌に絶賛された。その伝説的なライブに居合わせた当時の同僚が興奮して戻ってきたのを目の当たりにして、別のバンドを観てしまったことを後悔しましたっけ!
アドレナリン噴出のまま、フェンス前の2列目を陣取り、ASHを待つこと45分。予想外にもヒリヒリするような日差しが肌を照りつけ、今日は雨だとばかりに油断して日焼け止めとサングラスを家に置いてきた自分を呪いましたね。しかし、ご褒美は十二分に!
スモークが焚かれてフロントマンのティムがステージ上に登場してからの2曲目、デビューアルバム収録の「Goldfinger」のイントロに入った瞬間、お客さんたちがステージ側にドッと押し寄せ、背中にものすごいプレッシャーがかかると一気に身動きが取れなくなりましたが、自分が狂乱の渦に巻き込まれているという事実にゾクゾクしました。
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1990年のブリットポップ創成期にデビューしたASHは、途中メンバーの脱退を経ながらもオリジナルメンバー3人でまだまだフレッシュ感全開! 
そのあとも次々とお得意のメロディアスかつヘヴィなキラーチューンを新旧織り交ぜて繰り出す彼らのパフォーマンスを、観客が頭上を転がっていくなか、目の前で目撃できて興奮しきり! 終わり際、観客たちの「One more song!」のリクエストに応えられないもどかしさとうれしさを滲ませた笑顔で、「来年、また戻ってくるよ」なんてティムは言っていたけれど、単独ライブをやってくれるのかしら。行かねば!
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ロックの波が再来すれば、夏フェスはもっと元気になる!

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2日目の7月28日(土)は夕方に激しい雨に降られたものの、きれいな夕焼けに遭遇しました。
と、12曲の終演後は汗だくで体力を消耗していたものの、メインステージのマキシマム ザ ホルモンで頭を振らなきゃ、私のフジロックは終われません。で、最後の3曲程度、すべり込みヘッドバンキングをしてから、腹ごしらえをして家路へと向かいました。この日最大の注目株はメインステージのトリを飾ったケンドリック・ラマーだったようだけれど、原点に立ち返ることは難しいのは分かっているものの、やっぱりフジロックは純粋なロックの祭典であってほしい、というのが本音です。最終日のボブ・ディランも観たかった〜!
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水辺も走れる仕様のウォーターシューズは排水性だけでなく、グリップ力も抜群。砂利道、草地、腐葉土の上、アスファルトと、野外フェスのあらゆる場面に対応できます。「エックスエー アンフィビ」1万2000円/サロモン(サロモン コールセンター/アメア スポーツ ジャパン)
最後に、今回活躍してくれた足元のお助けアイテムをご紹介。山の中で開催されるフジロックは雨が降ると地面がぬかるむ箇所があり、砂利道や草地と変化に富むため、これまでずっと山靴を履いていました。が、いっぽうで晴れると暑くてトゥマッチに感じていたのも事実。とはいえ、サンダルでは心許ない。で、スキー用品だけでなく、トレイルランギアにも長けた「サロモン」が開発した新作シューズがこちら。

アッパーのぎざぎざメッシュのおかげで水抜けが抜群に良いウォーターシューズを素足に装着して、会場内での川遊びも脱がずに楽しめました。実際、インソールに水が溜まらないので、川から出て10分後には縦ノリでステップを踏んでいましたよ。軽量でフィット感も良く、快適です。8月〜9月にかけて、キャンプ場やビーチで開催される野外フェスでも重宝すること間違いありません。

サロモン コールセンター/アメア スポーツ ジャパン 03-6631-0837

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