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2018.05.02

アート好き彼女とのデートに絶対オススメです!「DIC川村記念美術館」(千葉県/佐倉)

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文/森本 泉(LEON.JP)

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こんにちは、モリモトです。連休を利用して前から行きたいと思っていた、DIC川村記念美術館に行ってきました。DICとは旧社名、大日本インキ化学工業といって、印刷用のインクを作っている会社。我々編集者にはお馴染みのDICカラーガイド(印刷のための色見本チップをまとめた冊子)を出しているのもこちらの関連会社なので、何かとなじみが深い。

そのDICが1990年、千葉県佐倉市に開設したのがこの美術館です。都心からはかなり遠いし、周囲に何もない山の中にぽつりとあるので、なかなか行きづらい。でも行ってよかったです。ここは本当に素晴らしい美術館です。
まず、収蔵品がとにかく凄い。例えばレンブラントの『広つば帽を被った男』、ルノワールの『水浴する女』、モネの『睡蓮』、ピカソの『シルヴェット』と言ったド級の名品が揃っている。他にもシャガール、藤田嗣治からカンディンスキーにマン・レイにエルンストにマグリットからポロックまで。常設でこれだけのクオリティの作品群を我が物のように間近に見られる。これはとにかく驚きです。
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いつまでも観ていたいマーク・ロスコの壁画

さらに現代アメリカ美術の作品。なかでもマーク・ロスコの作品は必見です。ロスコは1950~60年代に活躍した抽象表現主義の代表的な作家で、2007年にはその作品が現代美術作家として競売史上最高額の8690万ドル(当時のレートで87億円)で落札されたことでも知られています。

この美術館にはロスコ・ルームという専用の部屋が用意され、彼がニューヨークのレストランのために描いて結局は展示されなかった「シーグラム壁画」と呼ばれる一群の作品のうちの7点が展示されているのですが、これは圧巻です。
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著作権の問題で画像使用が難しいのでパンフレットの写真から。左がロスコ、右がステラです。
彩度の違う暗褐色の色面で構成された壁のように大きな作品なのですが、そこに表されているのはまさに人の感情そのもので、これが圧倒的な勢いで観る者の心に語り掛けてくる。彼は自分の作品をどのような空間で観せるかを非常に重要だと考えていましたが、その理想的な空間がここにはあります。1970年に66歳で自死してしまった作家の最盛期の傑作をこの環境で観ることができるのは本当に貴重なことです。

さらに、ミニマル・アートの第一人者であるフランク・ステラの膨大なコレクション、そして今はイギリスの代表的な現代抽象美術家、ブリジット・ライリーの展覧会も開催中。17世紀のレンブラントから印象派、そして現代美術家の作品まで、こんなにも贅沢に集めた美術館は日本でも稀有だと思います。

見事に手入れされた、歩きたくなる庭があります

しかも、これらの素晴らしい作品を都心の美術館では考えられないほどの贅沢な空間で楽しめるのです。ワイナリーのようなその建物は広々として天井が高く、内部は多くの個室に分かれ、それぞれに作品の世界観に相応しい極上の空間がつくられています。そのうえ連休の最中でさえ、客は決して多くない。つまりとてもゆっくりゆったりと鑑賞できる。これは贅沢です。美術が好きであれば絶対に訪れて損はない、本当に素敵な美術館です。
そして、さらにうれしいことに、美術館の建つ約3万坪の広大な敷地は散策用の庭園として開放されていて、四季折々の草花を楽しむことが出来る。これも実に素晴らしい。
こちらの庭園だけを訪れることも可能で、行った日も、広大な駐車場(無料!)が満杯になるくらい、人は訪れていて、皆さん、庭園でのんびりと過ごされているようでした。
レストランも併設されており、1日いても飽きずに楽しめる施設です。是非、週末デートの行き先リストに加えてくださいませ。

◆ DIC川村記念美術館

住所/千葉県佐倉市坂戸631
※東京駅、京成・JR佐倉駅から送迎バスあり(東京駅発は有料。他は無料)
クルマの場合は東関東自動車道、佐倉I.C.から10分ぐらい
開館時間/9:30~17:00
休館日/月曜、年末年始、展示替期間の臨時休館あり
入館料/一般1000円から(料金は展示内容によって変わります)
URL/http://kawamura-museum.dic.co.jp
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)

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